Netflixアニメ『バイオハザード:インフィニット ダークネス』レオン役・森川智之さん&クレア役・甲斐田裕子さんインタビュー|キャラクターの年齢の変化を演じるうえで意識するポイントとは!?
それぞれの演じるキャラクターの好きな部分、魅力を語る!
ーーシリーズ通しての話なのですが、レオンとクレアの人気の秘訣、好きなところなどあればお願いします。
甲斐田:クレアは正義感の強さと、ただの女子大生がいつの間にかゾンビに立ち向かい生き残っているところでしょうか。後は弱い者に優しく慈愛に満ちていて、よく子供と接することがあって母性もある。この人についていけば大丈夫だと思わせてくれる、不思議な安心感……そういう親しみやすさや強さが魅力かなって思います。演じる時もそこを意識していますね。
大物の悪に怯むことなく立ち向かったり、時には汚い言葉も使ったりするなぁとかもそうでしょうか。「バイオハザード」の世界では女子大生みんなあんなに銃の扱いが上手なのかなと思うこともあったり(笑)。
森川:レオンは等身大のどこにでもいるような青年なのですが、大きな事件に巻き込まれることで成長し、色々なスキルを遺憾なく発揮していく。
その中でも必ず持っているのが“運の強さ”というか、こんなに戦っているのに決して嚙まれることがない安心感でしょうか。視聴者のみなさんに安心されてしまうと少し困るところはありますが、逃げるのではなく、攻めていく強さが魅力なんじゃないかな。
一番最初に新米刑事として出てきた時の初々しさから比べると、男ってここまでカッコよくなっていくんだなって思っています。こうあって欲しいみたいなところの具現ですよね。ヒーローはこうでなくては……では無いですけれど、すべてを表現しているような感じがあります。
ーー後は今回の作品ではスーツが似合っていないと言われていましたけれど、革ジャンがめちゃくちゃカッコいいと。
森川:スーツも似合ってるんだけれどね。でも似合っていないと言ってくれる、そこがこのふたりの関係性ですよね。
ーー本作のテーマに<恐怖>というキーワードがあると思いますが、おふたりが恐怖を感じるものはズバリ何でしょうか?
森川:これは作品の中でもあるキャラクターが言っているのですが“人”ですね。恐怖って人が作るものだと思えるところがあるので、一番怖いのは人だなと。
甲斐田:私もそうです。一人ひとりというよりは、集団、組織化した時の同調圧力だったり、正しいことなのに認められない、みたいなニュースが世界でも日本でも見られているような印象があります。ドラマや映画だったらレオンみたいな人がバシッとやってくれると思うのですが、そういう人がいない今の世の中がちょっと怖く感じられますね。
ーー今回は映像作品ということなので、ゲームに触れてこなかった人も視聴するのではないかと思います。そんな人たちに向けて、シリーズ全体の魅力を教えていただければと思います。
森川:この場所に小林裕幸プロデューサーがおられれば良かったのですが、先ほど連絡したら大阪にいるのとことで「よろしく!」と言われまして……(笑)。
一同:(笑)。
森川:やはり恐怖やピンチからどうやって脱するかが、一番の魅力だと思います。本作だけでも充分に楽しめますし、これ以外にも色々なネタが散りばめられているので、視聴していくことで疑問が生まれるのではないでしょうか。ですが、それには必ず伏線があって、前後を確認するとより楽しめるはずです。
今回ネットフリックスで配信されるということで、まだ知らない方たちがゲームではなく、ドラマとして見ていただける。だからこそ、初心者でも「バイオ」の世界に入りやすいんじゃないかな。
甲斐田:「バイオ」のゲームはこういう作品の金字塔ですよね。私も学生時代にギャーギャー言いながら『バイオハザード2』だけプレイしたことがあるのですが、自分で謎解きをしてゾンビたちと戦っていくのが珍しく感じていました。それをドラマ化するということで、安心して見られるんじゃないかなと思います。
今回の取材を受けるにあたって、ゲームの『バイオハザード リベレーションズ』と『バイオハザード RE:2』をプレイしなおしたのですが、しょっぱなから殺されまくってしまいまして……。
コントローラーの扱い方も覚束なくて「走るのどこ!?」みたいな事を言いながらやってたのですが、本作なら一歩引いたところからドラマとしてストーリーを楽しめます。謎解きも難しいので、私みたいな人はこっちのほうが嬉しいかもしれないです。
森川:なるほど。途中でコンティニューしたり、難しくてストーリーを進められなくなったりしないってことね。
甲斐田:そうです!この作品からゲームに入るのはハードルが高く感じるかもしれないですが、そちらでは自分がレオンやクレアを操作してゾンビたちをバッサバッサと倒していく爽快感を味わえますし。ぜひ興味を持ってくれた方は、ゲームのほうもプレイしてみて欲しいですね。
ーー「バイオハザード」シリーズは恐ろしいシーンもあると思いますが、おふたりは怖くはないのでしょうか。
森川:収録中は怖くないです。ドキッとするシーンは確かにありますが、予めいつ来るのかわかっているので。
甲斐田:チェックするときは「うげっ」と思うことはあります。あの鼠なんかは気持ち悪かったな。後は何かが来るっていうドキドキ感もそうだけれど、私のシーンじゃなくて良かったと思うこともあったり。
森川:シナリオをチェックしているから何がどこから来るのかわかっているんだけれど、演じるとなると、それでリアクションを取らないといけないからね。
どちらかというと「バイオ」は怖がらせるだけの作品ではないんです。ホラー映画とかだと脅かすためだけのシーンが結構あるので、家でリハーサルする時は、早回ししながらタイミングを見計らって練習してみたりしています。我々がリハーサルをする時ってもう夜ですから、ああいうホラーものを夜中にまじまじと見てしまうと、怖くなってしまうことはあります。
甲斐田:自分の後ろを確認しちゃいますよね。
ーー色々な年齢のレオンとクレアを演じられてきたと思いますが、今回の作品で大事にされたことを教えてください。
森川:僕的には若干ナチュラルに演じやすく感じていました。後から若い頃を演じた『RE:2』が一番しんどかったです(笑)。そこを経て一回り立派になったレオンを演じるということで、今回はすんなりと世界に入ることができました。
ゲームだと色々とレクチャーを受けないと前後の状況を把握しきれなかったりするのですが、今回はドラマなので台本や映像を見て、全体を通して楽しみながら役作りができたんです。そういう意味ではとても満足していますし、確かな手ごたえを感じています。
甲斐田:私も『RE:2』は大変だった覚えがあります。初々しさをディレクションされたことがありましたし、自分も過去にプレイしたタイトルなので、ユーザーのみなさんが英語ボイスのイメージを崩さないよう苦労しました。
後は『ディジェネレーション』の1年後という設定があるので、12~3年の時を経なければいけない。久しぶりに『リベレーションズ』を見直してみたら、自分でも自分の楽なところである、どっしりした芝居をしていると感じるところがあったんです。
今回はそこまで行くと30代になってしまうので、20代と30代の合間のラインを取れるようにしました。なので、当日はそのままでOKだと言われましたので、苦労はなかったです。やっぱりキャラクターの年齢感の調整は一番大変なところなので、しっかりできてよかったです。