アニメ

2021-07-09 12:00

夏アニメ『ディーサイドトロイメライ』座談会／阿座上洋平さん（織田龍平役）、伊藤彩沙さん（毛利玲菜役）、高野麻里佳さん（伊吹咲愛莉役）がキャラクターの魅力を語る!!

いよいよ7月10日からスタートするオリジナルTVアニメ「ディーサイドトロイメライ」の舞台「渋谷」。

幼い頃に兄を亡くし、トラウマを抱えた高校生織田龍平は、ひょんなことから不思議な生物トリスに噛まれノッカーアップとして覚醒する----。

アニメの放送前に、織田龍平役の阿座上洋平さん、毛利玲菜役の伊藤彩沙さん、伊吹咲愛莉役の高野麻里佳さんによる座談会を実施。キャラクターたちの魅力をたっぷりと語ってもらった。

今の若い子たちの悩みをスッキリさせてあげられたらいいなと思いました

――作品の資料を見たときの印象を教えてください。

阿座上：最初にキャラクター表と台本をいただいたのですが、イラストがハイセンスなところにビビッと来ました。スタッフクレジットを見ると錚々たる方々が並んでいて、そのキャストの一番上に僕の名前を載せてもらっているというプレッシャーはすごかったですね（笑）。まだそのときは世界観の説明も聞いてはいなかったので、ワクワクと不安が同居しているような気持ちでした。

高野：オリジナル作品でもあったので、ストーリーも先々まで教えないようにしてくださっていたんです。なので第1話の台本をいただいたときの衝撃がすごく大きくて……。キャラクターはスタイリッシュだと思っていたんですけど、お話が思っていた以上にリアリティ溢れるもので重かったんです。シリアスなシーンでは、今の世界の不安な部分だったり、リアルな悩みを丁寧に描いている感じがしたので、これをどうやって解決するんだろうと思いながら、感情移入しながら読んでいました。

阿座上：そんなセリフをそのまま言うんだ！と驚く部分もあって、結構心がえぐられる感じはありましたよね。

伊藤：ちゃんと現実に向き合っている感じでしたよね。私もキャラクターが個性的でかわいいと思っていたんですけど、いろいろなものを抱えていて、それぞれが背負っているものがあるんだな、という印象でした。アフレコをしていても毎話新しい発見があったので、キャラクターと一緒に進んでいけている感じはありました。

――それぞれが演じるキャラクターについて、どんなキャラクターでしたか？　演じてみて感じた魅力も教えてください。

阿座上：僕が演じている織田龍平は、その日その日を生きている感じで、明るくて能天気なのでおバカと思われがちなんですけど……。

高野：感覚的に生きていますよね（笑）。

阿座上：でも、ちゃんと物事を考えているんだなと思うので、おバカという言葉で片付けるわけにはいかない、深いキャラクターだなと思いました。

スタッフ：ただ、キャラクターの名前が決まるまでは、ハイテンションバカと仮で付けられていました（笑）。

阿座上：あれ？（笑）。確かに第1話くらいは、おバカだなという感じなんですけど、兄との関係や強くなりたい理由などを掘り下げていくと、ちゃんと考えているんだなと思うし、僕も演じながら龍平の輪郭を掴んでいった印象があります。

高野：いつも明るい龍平くんの、ちょっと影がある部分が見えた瞬間に、支えてあげたくなる！という気持ちはありましたね（笑）。ただ、最近のアニメでは珍しい筋肉派というか、脳筋派の主人公です！

伊藤：熱血系な感じ。それでも決断力があるところは、やっぱり主人公だなという感じがします。

阿座上：音響監督の亀山俊樹さんがやりたいようにやらせてくれたので、それは良かったなと思います。収録が朝だったので、朝からずっと叫んでいたのは大変でしたけど……（笑）。毎週誰かの問題を解決していくシナリオ構成になっているんですけど、度々龍平が拳で解決していたので、毎回最終話の気持ちでパンチを繰り出し続けていました。

高野：そこで主人公力を見た感じがしました（笑）。朝からこんなにカッコ良く叫べるなんてすごい！って。

――続いて毛利玲菜ですが、龍平の幼なじみであり、ギャルなんですね。

伊藤：SNSのフォロワーが多かったり、渋谷が大好きで友達がたくさんいたり。結構派手な女の子なんですけど、正義感がすごくあって、友達が困っていたら放っておけないような真っ直ぐな子なんです。そこは龍平とも似ているのかなと思います。龍平との関係性もちょっと気になっていて、友達以上だけど、恋人ではないような感じなので、2人の独特な関係性というのは見ていて気になるポイントかなと思います。

阿座上：玲菜ちゃんってスクールカーストで言うと上位に位置するから、僕自身の学生の頃のことを考えると、ブルブル震えながら見ていたような存在なんですよ（笑）。でも玲菜ちゃんの場合は、誰にでも優しい感じがするんですけど。

伊藤：たとえば周りの子に何かを言われたとしても、大丈夫だよと言ってあげる強さを持っているんですよね。彼女自身も昔いじめられていて、そこを龍平に助けてもらったのがキッカケで仲良くなったところもあるんですけど……。それと後半になっていくと、愛莉ちゃんとも仲良くしているシーンがあって、戦っているとき以外の日常も仲良くしているんだろうなというのが描かれていたのは微笑ましかったです。

高野：玲菜ちゃんはみんなの憧れの存在ですよね。

阿座上：友達思いだし、ちゃんと周りが見えていて頼りがいがあるんですよね。

――伊藤さんの声が入った玲菜はどうでしたか？

高野：もう、すごくかわいい！と思いました。こんな子と仲良くなりたい人生だったなと（笑）。でもそうやって憧れられる存在であるがゆえにひがまれてしまうような描写もあるんですよね。それを見ると玲菜ちゃんへの思いがより強くなってしまうというか……。また支えてあげたい人が増えました（笑）。

阿座上：しゃべり方は軽めだけど、戦ったりシリアスなシーンを見ると、ちょっとした「弱さ」も浮き彫りになってくるので、それを見てしまうと、守ってやりたいと思うんですよね。

高野：声がすごくピッタリに感じたんですけど、彩沙さん的には自分とのギャップはあったんですか？　少し普段よりテンションを
上げないと演じられないとか。

伊藤：そう言っていただけて嬉しいです！玲菜は、結構自分に近しい感覚があったように思います。

高野：（納得しながら）やっぱり自然だったんですねぇ。

――伊吹咲愛莉はどうですか？　優等生であまり笑うことがなかったけど……というキャラクターでしたが。

高野：愛莉ちゃんは、お家柄的に厳しく育てられたこともあって、第1話では眼鏡をかけていて、誰とも関わりたくないと思いながら過ごしていたんです。龍平も玲菜も明るいタイプだから、できれば関わりたくないと思いつつ、どこかで憧れを持っていたんだと思います。ふたりに心を解かれていくことで、自分のやりたいことをやってもいいんだと、枷を少しずつ外していくところは、見どころだと思います！

阿座上：そこから服装とかも変わっていって、奇抜になるんですよ。私は変わるんだ！って思ったら見た目から変えていくあたりは、結構リアルだなと思いました。

高野：だいぶハイセンスな服を着ていましたけどね（笑）。

阿座上：どこで買ってるんだろうっていうね（笑）。でも、キャラクターたちの服装がすごく好きなんですよね。こういう合わせ方、着方をするんだって思うので。

高野：玲菜ちゃんと仲良くなることで、新しい自分の道が開けていくから、すごく女の子らしい関係だなと思いました。

伊藤：おとなしかったところから、自分を出せるようになった愛莉って、すごくカッコいいというか、だいぶ大人っぽくなりましたよね。

高野：見た目もだいぶセクシーでしたからね。

伊藤：みんなの中では冷静なポジションにいてくれるんですけど、ふとしたときの大人っぽさにキュンと来ていました！

――そして3人はノッカーアップとして目覚めて、それぞれの武器を使って、敵であるウィアードと戦っていくんですよね。

阿座上：その人を象徴するものが武器になるんですけど、龍平はボクシングのグローブが武器になっているんです。そして、玲菜はネイルでしたよね？

伊藤：ネイリストになりたいという夢があって、武器がクローだというのは教えてもらいました。

阿座上：一番気になったのは愛莉のチャクラムという、投げる円盤のような武器なんですけど、古代インドの投擲武器なんですよ（笑）。

高野：なんでこの武器なのかは分からないんですけど、独特な武器ですよね（笑）。孔雀みたいな羽根も付いているところは、変わっていった愛莉の主張が感じられるデザインなのかなと思いました。

阿座上：その武器をあえて選ぶ愛莉はやはりセンスがあると思います。武器で言うと、ジェシカ・クレイボーン（CV.悠木碧）のガトリングもすごかったですね。あんなのを持ち出されたら終わりでしょうって思いました。あと伏辺或斗（CV.堀江瞬）の武器もスケートのような靴（サッカーのシューズにブレードが付いたもの）で、これで相手を倒すというのもカッコ良かったです。

――アフレコの雰囲気はどういう感じでしたか？

阿座上：コロナ禍での収録だったので、一緒になることはあっても、あまりしゃべっていいような雰囲気でもなかったので、今この座談会でお互いのキャラクターのことをじっくりしゃべることができて良かったなと思っています。

高野：ただ「今回のストーリーは重たいですね」みたいな話はした覚えはあります。すごく重たい内容が来ることもあったから、このアニメは攻めていきますね、みたいなことは話していたかな？

伊藤：確かに。そのエピソードについての感想みたいなのをちょこちょこ話しながら収録していた感じがします。

阿座上：お芝居をする上では、掛け合うことで相手が分かったりするから、そこで役者同士で通じ合えていたとは思います。ただ、現場での雑談から作品や役に対しての想いみたいなものが発展していくこともあるので、打ち入りや打ち上げはしたかったなぁという思いはあるので、そこは少し悔しかったですけどね。

――演じているときのディレクションで印象に残っていることはありますか？

高野：愛梨ちゃんは、みんなが悩んでいるときに寄り添ってあげることも多いんですけど、そういうときに「クールになりすぎず、普通に優しく言ってあげていいよ」というディレクションはありました。これまでクールに生きてきた子なので、どのくらいやっていいのか迷っていたんですけど、この子は普通に優しい子なので、とおっしゃってくれたことは印象に残っています。

伊藤：玲菜はギャルらしいところや引っ張っていくところは思い切りやってくださいと。

――阿座上さんはいかがですか？

阿座上：僕がこの作品で学んだのは、キャラクターたちはセリフがないところでも生きているんだということで、たとえば他のキャラの会話の裏で自分の役がいたとする。実際にセリフはなくても、その場にいたら、ちゃんと息づかいがあるんですよね。それまでの僕は台本を見ると書いてあるセリフのところばかりを気にしてしまっていたけど、実際には録らないところでも、キャラクターはその場にいるので、その空気を感じなければいけないんです。

――自分が録るところ以外でも、そのキャラクターの気持ちを切らしてはいけないんですね。

阿座上：そうなんです。その場にいるならば、そこで生きていなければいけないし、音には出していないけど、そこで息づかいはしていなければいけないんだということをすごく学んだんですよね。だから役者としても大きな糧になった現場でした。

――リアリティを大切にしているからこそ、大事にしていたところなのかもしれません。

高野：龍平役は特にですよね。作品的にいろいろな人が出てくる中で、龍平はずっといるので。しかも今回は映画みたいに録っていて、普通のTVアニメだと頭から最後まで流れで録ることが多いんですけど、スケジュール的に、真ん中を録らずに、最初と最後だけをまず録るということも龍平は多くあったので、その意味で、感情の作り方は難しかったのではないかなと思いました。

阿座上：ト書きのところとか繋がりは、すごく意識するようにはなりました。

――では最後に、作品を楽しみにしている方にメッセージをお願いします。

高野：この作品に携わり、アニメってこんなに社会問題を描いていいんだなと驚きました。ファンタジーを描くだけでなく、リアリティを持って、どれだけ人の心に響くものを描いていくのか。それはドラマよりアニメのほうが難しいと思っていたんですけど、それを丁寧に描いている作品だなと思いました。私自身、感情移入をたくさんした作品ですし、皆さんにとっても、悩んだ末に救いがあるような作品になっていたらいいなと思っていますので、最後まで楽しく見ていただければと思います。

伊藤：すごくメッセージ性がある作品だなと思いました。見ていただければ、考えさせられるところはきっとあると思います。アニメーションもフルCGで、私たちもまだ最終的な絵がどうなっているのか分からないので、オンエアを楽しみにしています。バトルシーンなども盛り沢山なので、ぜひ熱い気持ちで見てください！

阿座上：10代の若者の悩みみたいなものを龍平たちが背負い、ノッカーアップとして、その一人一人の悩みと戦っていきます。僕が高校生の頃は、重すぎる悩みなんてまったくなかったんですけど、アフレコをしながら、最近の高校生はここまで悩んで、受け止めきれないような思いをしているんだと驚きました。そして、そんな思いがウィアード化してしまう。でもそれは現代で起こり得る問題でもあるなとすごく思いました。そういうテーマをアニメでやる意味も考えてアフレコに臨んでいたんですけど、龍平がウィアードを思いっきり物理で殴っていくことで、今の若い子たちの悩みをスッキリさせてあげられたらいいな、フラストレーションを発散させることができたらいいなと思いました。朝から声を枯らして叫んでいたので、最後にスカッとなってくれたら嬉しいです。世界観も面白いし、キャラクターデザインもめちゃめちゃ好きなので、ぜひ楽しんでいただければと思います。

アニメ『ディーサイドトロイメライ』作品情報

放送情報

2021年7月10日（土）22:30より、順次放送スタート！

7月10日（土）スタート
・TOKYO MX　毎週土曜22:30～23:00
・BS日テレ　毎週土曜24:30～25:00
・サンテレビ　毎週土曜22:30～23:00
・KBS京都　毎週土曜23:30～24:00

7月11日（日）スタート
・テレビ愛知　毎週日曜25:05～25:35
・北陸朝日放送　毎週日曜25:30～26:00

7月12日（月）スタート
・長野朝日放送　毎週月曜25:20～25:50
・北海道テレビ放送　毎週月曜25:20～25:50

7月13日（火）スタート
・静岡放送　毎週火曜25:25～25:55
・瀬戸内海放送　毎週火曜25:30～26:00
・東日本放送　初回のみ火曜日、2話以降毎週木曜25:31～26:01
・AT-X　毎週火曜22:00～22:30ほか

7月14日（水）スタート
・長崎文化放送　毎週水曜25:18～25:48
・新潟テレビ21　初回のみ水曜日、2話以降毎週木曜25:45～26:15

7月16日（金）スタート
・RKB毎日放送　毎週金曜25:55～26:25

7月20日（火）スタート
・テレビ新広島　毎週火曜26:00～26:30

※放送日時は都合により変更になる可能性がございます。

スタッフ

原作：サムザップ、ドリコム、ブシロード
監督：今義和
アドバイザー：森川滋
シリーズ構成：大野木寛
キャラクターデザイン原案：ブラストレイン
劇伴音楽：田中公平
音響監督：亀山俊樹
音響制作：ビットグルーヴプロモーション
アニメーション制作：サンジゲン
アニメーション制作統括：松浦裕暁
製作：DCTM製作委員会