第2クールは正義対正義の争いへ! ヒーローたちが“綺麗事”を実践するときがついに? アニメ『僕のヒーローアカデミア』山下大輝さん&佐倉綾音さんが語る『僕の敵(ヴィラン)連合』の注目ポイントは? 【声優インタビュー】
「週刊少年ジャンプ」で連載中の堀越耕平先生による『僕のヒーローアカデミア』。2021年3月より放送中のTVシリーズ第5期でアニメ化5周年を迎え、そして5期はいよいよ第2クールを迎えました。
対抗戦を通してA組とB組の生徒たちの成長や絆が描かれた第1クールから一転、第2クールは雄英高校を飛び出した緑谷出久(デク)たちがインターンを通し、ヒーローたちの仕事を学んでいきます。しかし、その裏ではこれまで身を潜めていた敵(ヴィラン)連合に動きが。開始早々、第1クール以上に物々しい展開を予感させる新章がスタートしました。
この度、2016年の第1期から5年以上出演しているおふたり、デクを演じる山下大輝さんと、麗日お茶子を演じる佐倉綾音さんにインタビューを実施!
意外にもふたりでインタビューを受けることがこれまでになかったという山下さんと佐倉さんに、第1クールの印象深いシーン、そして第2クールの注目ポイントをお話いただきました。
謎が明らかになったことでより深まる謎。ワン・フォー・オールの中の人たちに驚きが?
——第1クールではついにA組とB組の対抗戦に決着が着きましたが、振り返ってみていかがでしょうか。まずデクとしては新しい“個性”の発現が大きなポイントだったと思います。
緑谷出久役・山下大輝さん(以下、山下):そうですね。デク目線で挙げるとシンプルにそこなのかなと思います。あとは体育祭以来のB組メンバーの成長が垣間見えるようなところもかなり印象的でした。かつてのライバルが見えないところで努力を重ねていて、再び相対したときに「こんな風に戦うんだ!」という展開は、個人的に少年漫画あるあるとしてすごい好きで、ワクワクしちゃいますね。
黒鞭(クロムチ)に関しては言わずもがなですね。謎に包まれていたワン・フォー・オールの“個性”がわかるようになってきて……でも明かされたが故にもっと謎が深くなったという(笑)。
——デクだけでなくオールマイトすらわかっていない部分ですからね。
山下:そうですね。そこも今後の注目ポイントになっているんじゃないかと思います。
麗日お茶子役・佐倉綾音さん(以下、佐倉):ワン・フォー・オールの中の人ってあんなにラフな感じで話しかけてくるんだね。あの人だけかもしれないけどすごく人間臭さがあって。
山下:あれは五代目継承者だけかもしれない(笑)。でもたしかに、だいぶフランクだったもんね。
佐倉:これまで、心の中に直接話しかけてくるタイプの人たちはどこか物々しい人ばかりだったから逆に印象的でした。師匠は格好良く語りかけていた感じがするので。
山下:初代もそういうイメージがあったけど、「ヘイ、ブラザー!」みたいにずっと友達のようだったね(笑)。
——見た目もバラバラで本当にいろいろな人が継承してきたことが分かりましたよね。
山下:たしかに。今後も個性的な方が話しかけてくるので、いろいろなコミュニケーションを楽しんでみてください(笑)。
佐倉:ワン・フォー・オールの中に今までの人たちがいて、コミュニケーションが取れるなんて、オールマイトと特訓していたときには考えられない展開だよね。
山下:しかも会話ができちゃうなんてね。
——もしかしたら見ていたのかもしれませんね。
山下:ずっと機会を窺っていたのかもしれないですからね。「いつ行こうかな? 今行こうかな?」みたいな(笑)。
佐倉:ちょっと可愛い(笑)。
——今後も気になるところですね。佐倉さんは印象深いシーンはありますか?
佐倉:やっぱり黒鞭が暴発したところは印象深いです。お茶子の咄嗟の行動は、彼女自身、今までとは違う異常事態を感覚的に察していて、これまでそんなに強いスキンシップで繋がっていたわけではないデクをしっかりと抱きかかえていました。
そうしなければ止められないという強い想いがあったと思うのですが、自分ひとりの力ではダメだと即座に判断してからは心操(人使)君に「デク君を止めて」とお願いをしていて。どの力がデクを助けることができるのかという判断力を含めてお茶子の成長を感じました。
山下:格好よかったよね。あの瞬間はまさにヒーローでした。
佐倉:お茶子のヒーローらしさがこのシーンにすごく表れていて印象的でした。他には心操君、物間(寧人)君、あと飯田(天哉)君も印象深いですね。飯田君のエンジンのマフラーを抜くと自分の力に見合った新しいものが生えてくるというのはそういう仕組みなんだと驚きました。肉体とともに成長していくのかと思いきや、一度抜かないといけないなんて。
山下:あそこは覚悟があったね。
佐倉:物間君はなんだかんだ周りを見て、みんなのことをちゃんと考えて動いていることがわかりましたし、心操君は自分が落ちこぼれであることのコンプレックスからすごく卑屈に見えていたけれど、今回はとてもヒーローらしくなっていて。イレイザーヘッドとの関わりもとても素敵で、印象に残りました。
——デクに勝負を仕掛ける場面もすごく格好よかったです。
佐倉:格好よかったですね。
山下:それぞれのことを喋りだすと止まらなくなっちゃいます(笑)。
佐倉:たしかに(笑)。(小森)希乃子ちゃんも可愛くて。
山下:しかも強いからね。
佐倉:強いし、すごく怖かった! ただキノコを生やすだけじゃなくて、肺にダメージを与えるなんて。
山下:ちょっと敵(ヴィラン)っぽい能力だよね。
佐倉:今回、生徒同士が命がけで戦っていて緊迫感がすごく伝わりました。あとは常闇(踏陰)君のエピソードも良かったです。(ホークスと)鳥仲間でね(笑)。
山下:あのふたりが会話していることがすごく不思議に感じたんだよね。
佐倉:噛み合っているんだか、いないんだか(笑)。
山下:常闇君もワードチョイスが己の道を貫いているから、ホークスも上手いこと相手のことを理解していて、頭が良いんだなと思いました。
佐倉:でも、全部を語らないから相手が不安になることもあって。
山下:たしかに。全部は教えてあげないよ、というところにちょっと性格が出ているのかも(笑)。
言ってみたくてたまらない「庄田二連撃」
——B組でお気に入りのキャラクターはいますか?
山下:佐倉さんは(兼ね役の)柳レイ子じゃないかな?
佐倉:そうかもしれない。柳レイ子はまた出てくると思わなくて、まさか自分が自分のキャラクターを倒すことがあるなんて(笑)。
あと個人的にすごく名前が刺さっているキャラクターがいるんだけど……(山下さんに向けて)誰だと思う?
山下: 庄田二連撃?
佐倉:正解!
一同:(笑)
佐倉:好きなところは名前だけですが、今日はそれを言おうと思っていました(笑)。
山下:たしかに、あの名前はみんな衝撃を受けたと思う。「庄田二連撃」って(プレゼント・マイク役の)吉野(裕行)さんの声で聞くとより印象的だよね。
佐倉:そうそう。活躍する場面の多いキャラクターというわけではありませんが、名前のインパクトが強すぎるんですよね。「庄田二連撃役の……」と自己紹介をしてみたいです(笑)。
山下:僕もちょっとだけ思ってました(笑)。
佐倉:以上です。これといって彼のパーソナルなところに踏み込むことはできないんですけどね(笑)。
山下:でもフォルムは可愛いよね。
佐倉:たしかに。ちょっと丸っこくて可愛いかもしれない。あまり活躍はしないけど(笑)。
山下:「インパクト!」と言ってるから!
——“個性”自体は強いですよね。
佐倉:そうですね。でも、“個性”の魅力も物間君に食われてしまっていて……(笑)。
山下:たしかに、そうかもしれない(笑)。僕はブラドキングが可愛く見えてきてしょうがないです。B組贔屓がすごくて、若干親バカっぽいといいますか。あの姿を見ると、B組のみんなもすごく頑張ってきたんだなって思います。情がダダ漏れですから。
佐倉:ずっと頑張っているB組のみんなを見ていたら情も湧くだろうからね。
山下:あそこではB組の絆を見られて好きだなと感じましたし、ひとつの魅力だと思いました。実況にはA組のみんながツッコミを入れていましたけど(笑)。
佐倉:プラカードを持って「反対!」ってね(笑)。
山下:生徒だと取蔭切奈を見たときに、B組にも推薦入学者がいたんだと驚きました。能力も結構エグくて「なんか変な“個性”が……!」と思いましたね。分裂する“個性”でしたけど、悪魔の実の能力者みたいで。
佐倉:私はあの“個性”を見て、肉の人を思い出しました。
山下:肉倉(精児)だ!
佐倉:そうだ!
山下:ちょっと気持ち悪かったね。絵がついて色がつくとよりね。
佐倉:そう、あの人もエグかった。たしか、そのときのお話を東宝さんの映画館で(出演声優)みんなで見た記憶があるんだよね。
山下:あぁ!「かっちゃん肉にされちゃったね」みたいな話をしたね(笑)。
佐倉:そうそう。みんなでお弁当を食べながら「うわぁ、気持ち悪い!」とはしゃいでいました(笑)。
山下:あったあった(笑)。でも、こんなパンチの効いた“個性”を持って一癖も二癖もあるキャラクターを出すところが堀越先生の風味だと思っていて、みんな真っ直ぐなだけじゃないところが良いんですよ。
——そんな個性満載なキャラクターたちの数々を作中でしっかりと掘り下げているのは『ヒロアカ』ならではの魅力だと改めて思いました。
佐倉:個人的に(小森)希乃子ちゃんやポニーちゃんを見ていて思ったのですが、彼女たちが産まれてきて、“個性”が発現したとき、家族とどういうやり取りをしたのかなとすごく気になるんですよね。「素敵な“個性”だね」と育てられたのか、「この“個性”どうしよう……」と困惑したのか。
山下:それぞれいろいろな反応があっただろうね。
佐倉:そうそう。だからそれぞれの家族の物語もすごく気になっています。
——たしかにひとりの過去エピソードでアニメ1話分は作れそうですよね。
佐倉:スピンオフを作れそうですよね。たまに(蛙吹)梅雨ちゃんのお話とかありますけど。
山下:梅雨ちゃんは「マジかよ」って(笑)。「カエルから産まれたカエルだ!」って思いました。
佐倉:そういったそれぞれのお話を見たくなります。