仲村宗悟さん1stアルバム「NATURAL」&4thシングル「壊れた世界の秒針は」同時発売記念インタビュー!「壊れた世界の秒針は」は夏アニメ『RE-MAIN』のED曲!
1stアルバム「NATURAL」は自然体の自分を詰め込みながら、歴史を刻んだ大切な曲も収録。
──同時発売される1stアルバム「NATURAL」のタイトルの由来やコンセプトを教えて下さい。
仲村:タイトル通り、今の自然体の自分をすべて詰め込もうと。収録曲も偏りがなく、いろいろなタイプの曲があって、中には「こんな曲も入るんだ!?」と驚かれる方もいるかもしれません。
あと「僕なりのラブソング」と「あなたのこと」は声優になる前に作った曲ですが、自分の中の歴史に刻まれた曲も入れたいなと思って、収録しました。
──新録曲はすべてご自身で作詞・作曲されていますが、表題曲「ナチュラル」は、嫌なことがあっても気分転換するのが大切なんだと肩ひじ張らずに励ましてくれるような曲ですね。
仲村:誰でも嫌なことがあった時にリセットできる言葉や行動があると思うんですけれど、僕はこんなふうにしているよと。
サビの「ロックンロールにポップ&ジャズ ブルースはどうだろ」も好きなものをいろいろごじゃまぜにして、楽しめたら最高だよねと歌っていて、それがアルバム全体のテーマにもなっています。サウンドはポップファンクですけど(笑)。とにかく楽しい曲にしたかったんです。
──「ナチュラル」のMVは、仲村さんが普段、作詞や作曲していたり、音楽仲間と自宅でセッションしているような楽しそうな映像です。
仲村:曲作りで行き詰ったところに、バンドメンバーが1人ずつ集まってきて。楽しくセッションしたらリラックスできて曲が書けたという流れになっています。いっぱいお芝居していますが普段、一緒にレコーディングやライブしている人たちも演技しているのはおもしろかったです。
会話しているところはただ雑談で盛り上がっているだけです(笑)。カメラを向けたらお菓子を食べちゃおうとか現場で思いついたこともいろいろやっています。
赤いヘッドフォンを渡されて、「真っ赤ですね~!」と驚いたら監督が「僕の私物です」と(笑)。今みんなで集まって騒ぐことは難しいので、めいっぱい楽しめました。
「僕なりのラブソング」と「あなたのこと」は声優デビュー前の曲で、初の音源化!
──では他の新録曲も。「僕なりのラブソング」は、2016年に披露されたことがあるそうですね。
仲村:それ以前に作っていて、僕が声優デビューしたての時から応援してくださっている方にはなじみがある曲で、やっと今回音源化できました。
同窓会などで久しぶりに会った女の子がキレイになっていて、ドキドキしながらも2人きりでしゃべりたい、でも言い出す勇気が出ないという、かわいい男の子の歌です。
好きな子がいて、告白したり、デートに誘う勇気が出せない人の背中を押せるきっかけになったらいいですね。随分前に書いた曲なので、歌詞のアプローチとは全然違うけど、それが逆にいいなと。
──サウンドもさわやかですね。
仲村:今でこそ、いろいろなコードを使ったり、いろいろなジャンルの曲を作っていますが昔はさわやかなサウンドの曲をよく作っていた印象があります。
──仲村さんのルーツ的な曲ですか?
仲村:いえいえ。もっと昔の曲があるし、今回収録されている「あなたのこと」なんて10年前に作った曲ですから。
──「あなたのこと」は、好きな女の子をついついイジってしまう、思春期の男子みたいな。
仲村:そんな感じでかわいいですよね。今の僕だったら絶対に書かないと思います。「ニヤついたら君に蹴飛ばされてしまった」という表現など、昔に書いたことがわかりやすい曲で、歌詞もまったく変えていないので。
──サウンドはジャズやカントリーっぽいアレンジで、2番前の転調する間奏など遊びもあって。
仲村:(村山☆)潤さんと話し合って、ビートルズの「レディ・マドンナ」みたいな軽快でウォーキングベースな感じでやりたいねと。そんな発想からとても楽しい曲になりました。
──「チョコレート」は、「触れたら溶けてしまうから」や「香りに引き寄せられて動けなくなってしまった虫のように」など女性にすっかり心を奪われてしまっているような。
仲村:2人はまだ付き合っていなくて、つかず離れずにみたいな関係性で。
──サウンドもR&B調なのに、1サビ後にすごい激しいギターが鳴って、何事もなかったように2Aに戻るという。
仲村:攻めてます。1つひとつのコードも意識しながら書きました。アウトロもまたいいんです! 「ジャズアルバムだっけ?」と勘違いしてしまうような。すごくお気に入りの曲になりました。
──「わかってちょうだいね」は、これまでになかった激しいロックチューンですね。
仲村:2分もないめちゃめちゃ短い楽曲です。アルバムだからできる遊びがしたくて。歌詞は10行くらいなんですけど、アウトロが長めで、バンドが髪を振り乱しながら弾いてるイメージです。
──「あんたはあんたの正義を貫いてくれよ」など心の叫びみたい荒っぽい歌詞なのに、「わかってちょうだいね」で中和されている気がしました。
仲村:「わかってくれよ」ではなく、含みがありますよね。「チョコレート」と「わかってちょうだいね」が同じアルバムに入って、しかも2曲が続くところにおもしろさがあると思います。
「素敵な世界で」は身近な幸せの大切さを曲に。楽曲やジャケット全部、自分の好きを詰め込んだアルバム。
──ラストは「素敵な世界で」はギターやストリングスが奏でるメロディも心地よく、ハッピーエンド感があって、人生賛歌みたいな曲だなと。
仲村:アルバムの最後の曲にしようと思いながら作りました。生きていれば嫌なこともたくさんあるし、自分が嫌いな人もいるし、逆に嫌われている可能性だってある。
でも自分の半径数メートルにいる人たちくらいは幸せにしたいなとか、見える景色が美しいと思える感情はいつまでも持ち続けていたいなという想いを歌っています。
僕自身、身近な幸せが一番大切だなと思っているので、そんな気持ちを何も考えずに書いた、もう1つの意味での「ナチュラル」になりました。
──あと1曲目に「feeling」が入っていますが、どうして入れようと?
仲村:僕が好きなアルバムの頭にインスト曲が入っていることが多いので、自分がフルアルバムを作れる時が来たら入れたいと思っていました。アルバムだからこそできることなので。
ワクワク感を感じてもらえる曲で、アルバムタイトルが「NATURAL」なので、自然の音も入れたりしています。僕は沖縄出身なので、海の音なんかも。
──アルバムジャケットのコンセプトやどんな撮影になったのか、教えて下さい。
仲村:メインビジュアルは外でヤシの木みたいなものをバックに撮影した写真ですが、室内ではセクシーな感じの写真もあって。3パターンの衣装を着ているので、アルバムの楽曲同様、いろいろな表情をお見せできたかなと思っています。1stアルバムながら楽曲やMV、ジャケットなど僕がやりたいことを詰め込みました。