映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』でハーレイ・クインを演じる声優キャスト・東條加那子さんインタビュー
2021年8月13日に公開される映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』で、日本語吹き替え版のハーレイ・クインを演じる声優・東條加那子さんにインタビューを行った。
東條加那子さんは過去に『スーサイド・スクワッド』(2016年)、『ハーレイ・クイン華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』(2020年)でもハーレイ・クインを演じ、今回は3作目の続編。悪党だけど魅力的な大人気キャラクターハーレイ・クインを演じる声優から見た彼女の魅力や、新作『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』の見どころなどをたっぷり伺った。
また、海外で活動する声優のお仕事についても、ちょっぴり話していただきました。
目次
- いまハリウッドでもっともイケてる監督 “ジェームズ・ガン”によって料理された新作
- 常識ハズレのぶっ飛んだキャラ“ハーレイ・クイン” 東條さんが親近感を抱くその理由は!?
- ヨーロッパを拠点に活躍中の声優はどんな生活をしているのか!?
- インターネットと収録環境さえあればハリウッドの収録にも参加できる
- まっすぐ曲がったキャラクターが大好きな東條さんが好きなキャラと、その理由
- 『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』作品情報
いまハリウッドでもっともイケてる監督 “ジェームズ・ガン”によって料理された新作
――『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』で、再びハーレイ・クインを演じた感想をお聞かせください。
東條加那子さん(以下、東條):新作で私にハーレイ・クインを演じさせていただけると聞いたときは、すごく嬉しかったです。ハリウッドで『スーサイド・スクワッド』の新作が作られていると聞いたときから、ワクワクしながら「また私が吹き替えできるのかなぁ」と思っていました。
――そのタイミングでは知らされないのですね。
東條:日本語吹き替え版を作ると決まってからキャスティングが行われるので、伺っていませんでした。それに、過去にハーレイ・クインを演じているからといって新作で演じられるわけじゃないので、いつもヒヤヒヤしています。
――そう簡単には声優さんを変えられないと思いますが、確定ではないのですね。東條さんが感じた、今回の見どころは?
東條:いまハリウッドで飛ぶ鳥を落とす勢いの監督ジェームズ・ガンが作った映画というところです。もっとも旬な監督が『ザ・スーサイド・スクワッド』をどのように料理するのか、みなさんが見たいポイントだと思います。
そしてもうひとつは、今回のお話の中心になっているハーレイ・クインが、どんな服を着て、どんなメイクで登場するのかも注目してほしいです。ハーレイ・クインはとても人気のキャラクターで、ファッションアイコンでもありますからね!
そうそう、言うまでもなくアクションもすごいです。
――『ザ・スーサイド・スクワッド』といえばアクションです!
東條:まだ詳しくは言えませんが、今回はビーチに上陸して、そこから爆弾が降り注ぐ中を駆け上がっていく、とてもワイルドな感じから始まります。ワイルドではあるけれど、ハーレイ・クインならではのかわいいアクションもあります。
――作品のテーマは同じだと思いますが、監督がジェームズ・ガンに変わっていかがでしたか?
東條:やはり映画を撮る監督が変わると、カラーがかわりますね。ジェームズ・ガン監督は私もファンなのですが、とにかく会話がウィットに富んでいて、そこから繰り出されるアクションが迫力です。それだけでなく、ジェームズ・ガン監督の魅力のひとつは音楽のセンスだと思っています。
劇中に音楽が差し込まれると、観客を一気に映画の世界に連れて行ってくれます。そんな監督が『ザ・スーサイド・スクワッド』を作ったんだから、面白くないわけがない! ファンは絶対に観たほうがいいです。ゼッタイです!!
常識ハズレのぶっ飛んだキャラ“ハーレイ・クイン” 東條さんが親近感を抱くその理由は!?
――ハーレイ・クインは人気のキャラクターで、世界中にファンがいます。演じている東條さんから見た彼女の魅力は?
東條:ハーレイ・クインは悪くてかわいい、いわゆる“悪カワ”と呼ばれていたり、若い子の間ではファッションアイコンとして見られています。そのおかげで、彼女の内面には光が当たりにくいのかなと思っています。
――容姿と言動が派手なので、そう見られる理由も理解できます。
東條:そうなんです。どうしても外見に目が行ってしまうと思います。でも、彼女はどうしてこんなに魅力的なのか? と考えたことがあって、私の答えは“親近感”でした。
――親近感ですか?
東條:あんなに派手なハーレイ・クインに親近感?と思われるかもしれません。でも、演じている私はそう思いました。ハーレイ・クインはスーパーパワーを持っていません。眼からビームを出せるわけでもなく、力持ちでもありません。ジャンプ力があるわけでもないです。私たちと同じ、普通の女性、普通の女の子なんです。ただ、とても運動神経がよくて、頭がキレる女性なんです。
――ヒーローやヒロインに珍しく、スーパーパワーはありませんね。
東條:そんな彼女は、ジョーカーという存在に恋をして、恋に恋して恋焦がれた結果に誕生したキャラクターです。そんな彼女は、『ハーレイ・クイン華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』で失恋し、見事に立ち直りました。
これからは自分が自分で輝けるように、独りでがんばって生きていこうと決心したんです。彼女は人間が誰もが一度は味わうような経験をしています。そういう部分に、みなさんが自分を投影しやすいのだと思いました。
――派手な悪だけど、芯は普通の女子なんですね。
東條:ワンダーウーマンは完璧じゃないですか? ルックスもよく、スーパーパワーも持っていて、賢い頭脳も持っています。完璧な女性像です。そのカリスマ性と比べて、ハーレイ・クインは普通の人間です。
そこが愛される魅力なんだろうなと気づきました。私も演じていて、とっても楽しいキャラクターです。
――かなりぶっ飛んだキャラクターですね。
東條:ハーレイ・クインみたいな役って、女性声優なら誰もが一度はやってみたいと思います。女性キャラクターはステレオタイプな役が多いので。
――ヒロインだったりお姫様だったり、そういう傾向は確かに強そうです。
東條:アニメもそうですよね? 外画は実写なので、特に顕著なんです。ですがハーレイ・クインはずっとぶっ飛んでるので、ほんっとーーに楽しい!(笑)
――演じていて一番楽しいところはどこですか?
東條:声をあてる機会はそれほど多くありませんが、やはりアクションシーンが楽しいですね。たまに息遣いとかを差し込むとき、ハーレイと一緒になってアクションをしたり、悪党どもをやっつけるときとか……いや、ハーレイも悪党なんですけどね(笑)。
一同:(笑)
東條:ハーレイ・クインを演じていると、ストレスがパーンと吹き飛びます。演じた後、しばらくの間はハーレイが抜けないくらいです。