漫画『王室教師ハイネ』最終巻発売記念!原作者・赤井ヒガサ先生インタビュー|過去作の経験を詰めた集大成。泣きながら描いた最終回前のシーンとは?
赤井ヒガサ先生が描く『王室教師ハイネ』のコミックス17巻(最終巻)が、2021年8月27日(金)に発売となりました。
本作は、王子を教育する専属家庭教師としてグランツライヒ王国に招かれたハイネ・ヴィトゲンシュタインが、曲者揃いの4兄弟王子を立派な次期国王候補に育て上げるべく奮闘する王室コメディ。
「月刊Gファンタジー」(スクウェア・エニックス)にて2013年より連載がスタートし、2017年にはTVアニメが放送され、ミュージカル、劇場版とさまざまなメディアミックスにて展開されました。
今回、アニメイトタイムズでは、『王室教師ハイネ』の最終巻発売を記念し、原作者の赤井ヒガサ先生にメールインタビューを実施。今の率直なお気持ちや制作秘話など、完結を迎えたからこそ聞ける貴重なお話は必見です!
最も意識したのは“ハイネが王子たちを諭すシーン”
——2013年より連載がスタートした『王室教師ハイネ』ですが、完結を迎えた今、改めて赤井先生自身の率直な気持ちをお聞かせください。
長いようであっという間でした。大きな病気や怪我をせず休載なしで描き切れたことにホっとしていますし、自分なりの全力を出し切れたので想像していたよりも寂しさは大きくありません。
完結まで物語を描かせていただけたことが本当にありがたかったので、感謝の気持ちでいっぱいです!
——最終巻となる17巻では次期国王が決まり、ハイネが教育してきた王子たちの未来も描かれました。その未来は、当初から思い描いていていたのでしょうか? それとも作品を描いていく途中で変わったのでしょうか?
最初から誰が国王になるのかは決めていました。ただ、アインスの過去を丁寧に拾ううち、これで国王になれないのは違うし不自然だと思ったので、展開を大きく変更しました。アインスの性格が真面目で自罰的でなければ彼が国王になっておしまいでも良かったと思っています。
でも国王が誰になるかは、このお話の最重要の事ではないのかなという気がしていまして……。連載期間が長くなりそれぞれの学びを丁寧に書けたことで「国王になることが本当に王子たちの最終目標なのか?」という気持ちが大きくなりました。
そもそもハイネ自身が王位継承関係なく王子たちの人生に学びが必要という考えですし。結論として国王指名は描くけれど、全体的には王子たちがそれぞれ将来の夢を見つけるお話になったのかなと思います。
——思わず笑ってしまうようなシーンや、ハイネの言葉に心を打たれるシーンなど、王室教師になったハイネと4人の王子たちの関係性が本作の魅力の1つです。ハイネと王子たちやり取りを描くあたり、赤井先生自身が最も意識したこと、悩んだことがあれば教えてください。
キャラのやり取りは脳内でキャラが勝手にしゃべるので、ゆるくリラックスして書けて楽しかったです!
最も意識していたのは、ハイネが王子たちを諭すシーンでは必ず自分の実感を入れるようにしていたことです。
現実の教師経験はないので、せめて自分なりにきちんと考えた言葉を使って読者さんに嘘をつかないようにしようと連載開始前から決めていました。
自分が親に言われたことや誰かが言っていて感心したこと、嬉しかったことやつらかったこと、もっとこうしておけばよかったことなどを取り入れて書きましたので何か伝わるものが少しでもあれば嬉しいです。