2022年秋劇場版公開時期決定! あの熱い瞬間をもう一度!『SLAM DUNK』全試合ネタバレ解説!
陵南の新たな形 ー海南大付属vs陵南ー
残す武里と陵南との試合に向けて、さらなる武器を手に入れるためゴール下でのシュート練習に明け暮れる桜木。3日で形にするというハードスケジュールではあるものの、これまでの基礎よりも楽しく、そして今までで1番バスケにハマっている彼には苦にならないものでした。3年を引退させないために特訓続きの桜木、特訓しすぎて武里との試合に遅刻してしまうという桜木らしさも見せながら、続く二戦目をなんとか勝利した湘北でした。
事実上の決勝戦、開幕。
神奈川覇者である海南と、魚住、仙道を有する陵南の試合が開始。なんと陵南の田岡監督は仙道をフォワードではなくPGで起用するという陵南の新たな形を見せました。湘北との練習試合でも序盤は仙道がゲームメイクをしていたため、その布石だったと思われます。
そして陵南の進化はそれだけではなく、新たな点取り屋である福田吉兆(以下福田)の存在がありました。彼は褒目られて伸びるタイプの選手でありながら、田岡監督に厳しく指導されフラストレーションが爆発しちょっとした事件を起こします。結果部活の謹慎処分を受けてしまいます。心を入れ替えた田岡監督は、彼のオフェンス力とスケールの大きなプレイを評価し、陵南の最終兵器として仕上げてきたのです。
仙道のPGとしての素質は確かなもので、牧にも負けないプレイを見せます。最高の司令塔からのパスでのびのびと得点を量産する福田。しかし海南も負けじと牧を中心とした攻撃で新陵南を崩すことに成功するも、PGとしてエースとして大きくなった仙道の言葉により立て直す陵南。海南相手に最大15点リードをする陵南、完全に互角以上の試合を繰り広げます。
しかし王者海南は甘くない。牧・高砂でインサイド重視のオフェンスを仕掛け陵南の主軸である魚住をファウルトラブルで退場させることに成功。7分一点差の状況で、大黒柱であり、ディフェンスの要である魚住が抜けるのはあまりにも深刻な状況です。ディフェンスに難のある福田も海南の攻撃を防ぐことができずなかなかコートに戻れません。
ここから仙道の真価が問われる試合展開になっていきます。もはや陵南には仙道しか残っていない、しかし陵南メンバーにとってはその仙道こそが最高のプレイヤーでありどんな状況でも打開できると信じて疑いません。
牧と仙道の激しいぶつかり合いが続く中、後半最後の仙道の攻撃です。カットからすぐさまダンクに向かう仙道、追う牧。それでも仙道は強引にダンクを決め延長線へともつれ込みます。喜ぶ陵南ですが、なんと仙道はあの状況で牧を引きつけ、わざとダンクをブロックされることで3点プレイにし逆転勝ちをする予定だったのです。延長線を戦い抜く力が残っていないことまで見越した仙道のシナリオ。そしてそれを察知し、ブロックしなかった牧。あの一瞬で高度な駆け引きをしていたのでした。
仙道のシナリオは実現せず、陵南は海南に破れます。海南はインターハイを決め、湘北と争うのはやはり陵南になりました。しかし陵南とのリベンジマッチを迎える湘北にある事故が起きてしまいます。湘北メンバーの元に「安西先生が倒れた」との一報が入ったのでした……。