TVアニメ『古見さんは、コミュ症です。』古見硝子役・古賀葵さんインタビュー｜自然と応援したくなっちゃう、知れば知るほど味がある子だなと感じた古見さんの魅力

極度の“コミュ症”である古見硝子(こみしょうこ)と“普通すぎる”クラスメイト・只野仁人(ただのひとひと)を中心とした、コミュ症コメディー『古見さんは、コミュ症です。』(原作：オダトモヒト／小学館「週刊少年サンデー」にて連載中)がTVアニメ化。いよいよ2021年10月6日よりテレビ東京ほかにて放送スタートします。

本作に登場するキャラクターは、古見さんや只野くんをはじめ個性派ぞろい。時に賑やか、時にドキドキ、ニヤニヤ……彼女たちの高校生活を魅力たっぷりに彩っています。アニメイトタイムズでは、そんなキャラクターたちを演じるキャスト陣にインタビューを実施。今回は、誰もが振り向く美少女だがコミュ症な主人公・古見硝子役の古賀葵さんにお話をうかがいました。

アフレコの直前まで原作を読み、原作での表情を大事にしています

――まずは、原作を読んだ感想をお聞かせください。

古見硝子役・古賀葵さん(以下、古賀)：原作はオーディションをいただいた時に読んだのですが、主人公の子がなかなか喋らない作品はあまり見たことがなかったので、すごく面白いなと思いました。ただ、それだけでなく、みんなが学生時代に体験したことのあるような描写や憧れる描写がたくさん散りばめられていて。幸せな気持ちになれるというか、ほっこりする作品だなと思いながら読んでいましたね。

――オーディションは古見さんを受けたのですか？

古賀：そうです。古見さん一人、受けさせて頂きました。

――古見さんに対してはどのような印象を持ちましたか？

古賀：古見さんはみんなから高嶺の花のように憧れられる存在で、最初は凛としている姿が印象的でした。でも、只野くんと触れ合ううちに、クールな一匹狼ではなく本当は話したいのに話せないところが見えてきて。私もなかなか人と上手く喋れなかった経験や、「いま話しかけていいのかな……？」と思うことがあるので、そういう心の中で葛藤する気持ちすごくわかるんです。人と話すのが苦手な人は共感できると思いますし、自然と応援してしまっているような、知れば知るほど目が離せない、味がある子だなと感じました。

――そんな古見さんを演じる上で意識したことや、言われたディレクションについて教えて下さい。

古賀：最初の収録のときに、監督が「古見さんは、本当は喋りたいけど喋れずにもがいている子。どうしても一歩踏み出す勇気が出ないとか、せめぎ合う描写がたくさんあるので、原作の表情をすごく大事にしてもらえると嬉しい」とおっしゃっていて。なので、アフレコには毎回その話数の原作を持っていき、直前まで「ここはこういう表情をしているのか」「こういうことで驚いているんだな」と確認して、原作を大事に演じるようにしています。

――表情もそうですが、古見さんはちょっとずつ変化していきますよね。

古賀：そうですね。最初は、自分は嫌われているのでは？ といったネガティブ思考の方が勝っているんですけど、徐々に友達が増えていくことで「みんなと一緒に、こういうことがしたい」といった気持ちを伝えられるようになり、それが彼女自身も嬉しくなっていくんです。なかなか喋らない子なので、絵にも助けて頂きながら、ちょっとした表情や息遣いで見ている人にも古見さんの思いを伝えられたらなと思って演じています。

――やはり息遣いは大切なのですね。

古賀：はい。あと、この言葉を喋りたいけど、うまく言葉にならなくて不思議な単語を羅列してしまうシーンも結構ありますね。

――そのような単語の羅列って、アドリブではなく台本にきちんと書いてあるのですか？

古賀：書いてあります。それをしっかり見ながら、どんな感じでやろうかと毎回考えています。

――もしかしたら、後半の話数になったら自由に任されるかもしれないですね。

古賀：そうなったら大変ですけど、任せて頂けるのはありがたいことですね。(笑)

古賀さんが感じた、共演者の印象は……？

――アフレコは数人ずつわかれてやっているそうですが、実際のアフレコや休憩中のエピソードがあれば教えて下さい。

古賀：今は情勢的にマイクの横にパーテーションがあって、姿も見えないのでマイクに入っちゃうと隣の気配を感じながらやるのが難しいんです。それに私がなかなか人に話しかけられない性格なので、最初は梶原さん(只野仁人役・梶原岳人さん)ともうまく会話できませんでした。一生懸命台本を見ていらっしゃるから「話しかけていいのかな」「この緊張感を持っていた方がいいのかな」「逆に喋って少しほぐれた方がいいのかな」「でも、集中しているし、邪魔だと思われたらどうしよう」などといろいろ考えてしまって……。

――なんか本当に古見さんと只野くんみたいな感じですね。

古賀：そうなんです。でも、村川さん(長名なじみ役・村川梨衣さん)や日高さん(山井恋役・日高里菜さん)たちとも一緒に収録する話数が増えてくるにつれて、みんなで喋ることが多くなってきて。「よかった、今日は喋れた」となっています(笑)。あと、先日は取材で初めて(メインキャスト)全員揃ってしっかり思いを口にしたことがあって、その後のアフレコではいつもより会話が弾みましたね。打ち解けられた気がしてすごく嬉しかったですし、これからもっと皆さんとお喋りできたらなと思います。

――梶原さんや村川さん、日高さんとは今まで共演経験はありましたか？

古賀：日高さんは別の作品でもお世話になっていてお話もさせて頂きます。でも、村川さんとちゃんと作品でご一緒するのは初めてですね。梶原さんもご一緒した現場はありますけど、お互いメインキャラクターでご一緒して掛け合いをしたのは今回が初めてでした。

――第一印象からなにか変わったりしましたか？

古賀：梶原さんはすごく元気な役やみんなを引っ張っていく役をやられている印象があって、ビジュアルも素敵な方ですから、勝手に陽キャなのかと思っていたんです(笑)。でも、実際に接してみたら、すごく礼儀正しい方でした。アフレコの待ち時間に(待機する部屋に)エレベーターで移動したときには、扉を押さえて「どうぞ」と言ってくれて、とても紳士な方だなって。

――梶原さんと只野くんは似ているところがありそうですね。

古賀：確かに！自然に気遣いができたり、優しい雰囲気と物腰柔らかなところとか似ているなと思います。只野くんがみんなの接着剤になっているように、梶原さんもお芝居でそういうところを見せてくださったりもして、頼りになりますね。

――村川さんの印象はいかがですか？

古賀：とても面白いです(笑)。ほかの方から村川さんは面白い方だと聞いてはいたんですが、本当にその通りで。お芝居をされているときもすごく面白くて、笑いをこらえるのが大変です。原作のこのシーンを村川さんはどういう風に演じるんだろう？ と密かに毎回わくわくしながらアフレコに臨んでいます。