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『スター・ウォーズ:ビジョンズ』『九人目のジェダイ』神山健治監督インタビュー

『スター・ウォーズ:ビジョンズ』『九人目のジェダイ』神山健治監督インタビュー|「スター・ウォーズ」に憧れていた青年が「スター・ウォーズ」を作るという奇跡

日本を代表するアニメーション制作会社が「スター・ウォーズ」を新たな視点で9つの作品を描くビッグプロジェクト『スター・ウォーズ:ビジョンズ』。現在、ディズニー公式動画配信サービスDisney+ (ディズニープラス)で独占配信中です。

本稿では、『九人目のジェダイ』を手掛けた神山健治監督へ行ったインタビューの模様をお届けします。

神山監督といえば、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』や『東のエデン』といった作品が有名ですが、監督になろうと思ったルーツには「スター・ウォーズ」があったそう。「スター・ウォーズ」に憧れた人間が「スター・ウォーズ」を作るというなんとも夢のような現実。そんな神山監督の心境をお伺いしてみました。

元はふたつの作品だった!?

ーー神山監督に『スター・ウォーズ:ビジョンズ』のお話が来て、どのように物語を作っていったのですか?

神山:まずはなるべく誰も知らない「スター・ウォーズ」の世界を目指しました。正史には関わりたいけど、誰も知らない新しいエピソードを作りたいなという思いがあったのでまず新3部作よりは未来で、一応銀河には平和が訪れたんだろうなと。そのためにジェダイもライトセーバーも銀河からはもう大体なくなってしまっていて、でもまた暗雲が垂れこめてきているよと。

その中で新しくジェダイがもう一度復活したり、ライトセーバーが復活したりする話を考えました。やっぱりライトセーバーのない「スター・ウォーズ」は僕の中では寂しいなという想いがあったので、ライトセーバーとジェダイが復活するエピソードにしたらどうかな、というような発想からスタートしました。

ーー『スター・ウォーズ:ビジョンズ』の作品の中でも特にライトセーバーにフォーカスされているように感じました。

神山:ライトセーバーの達人同士の戦いって本編でもあるようであんまりないんですよ。ブラスターと対決とかちょっと変形ライトセーバーとの対決は多いんですけどね。

なので、黒澤映画からインスパイアされて「スター・ウォーズ」が生まれたというバックストーリーを知っている日本人としては、いわゆるチャンバラをちゃんと撮ってみたいなっていうか。その部分はかなり強かったんです。

あんなに長くオーソドックスな形をしたライトセーバーでチャンバラをやり続ける、しかも達人同士がっていうのってありそうでないのかもしれないですね。

ーー「九人のジェダイ」というのも気になりました。この理由は?

神山:元々はこれ短編の枠を2個もらっていたので最初はふたつの話のプロットを書いていたんです。

ひとつがジェダイの復活を目論んでいる中で、九人のマスターレスジェダイが銀河中から集められたんだけど、偽物がいるらしい、それは一体誰なのか、っていうちょっとミステリーっぽい短編でした。

もうひとつがライトセーバーが銀河からなくなっちゃったんだけど、元ジェダイが後に復活する可能性があるジェダイ達のためにライトセーバーを作っていて、自分の娘にその作ったライトセーバーを届けてもらう、という「はじめてのおつかい」的な話(笑)。そういった短編がふたつあって。

結果的にこれをひとつにしたらどうかということになったんです。元々ちょっと自分の中でもそういう考えがあって。どっちも見終わると「あっ、この短編って繋がってんじゃん」みたいな仕掛けにしていたというか。

ライトセーバーが届くのを待ってる連中が、お話の決着が付くと届けてくれたのはカーラでした。カーラがお使いに行ったのがその九人のジェダイでしたみたいな。ちょっとだけ繋がってるようにはしてたんです。

いろいろ考えた結果、いやこれ一つにした方が面白くないかな、みたいなことになって、今のような作品になっているんです。

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