劇場版『図書館戦争 革命のつばさ』声優コメンタリーがWOWOWプラスで放送! 収録直前の井上麻里奈さんと前野智昭さんにインタビュー「『図書館戦争』は今でも特別な作品。まだまだやりたいことがある」
『図書館戦争 革命のつばさ』の思い出
──当時、『図書館戦争 革命のつばさ』の台本を読まれたときのご感想は覚えてらっしゃいますか?
前野:原作の『図書館革命』とは少し違ったアプローチもされているので、うまい具合に落とし込んでくださっているなと思いましたね。収録より前にPVを撮ったんですよ。アオイスタジオの地下で。
──すごい、場所まで覚えてらっしゃるとは。
前野:その時も麻里奈ちゃんと一緒に録ったんですけど──。
井上:え、そうだったんだ。
前野:やったはず! かなり久々にみんなで集まったんですよ。それがすごく嬉しくて。
井上:というか、アオイで録ってたんだ……! そこまでは覚えてなかった。
前野:鮮明に覚えてますね。公開後は、ひとりで劇場に見に行きました。『革命』までやらせていただけるということが本当に嬉しかったんです。
井上:私は「劇場版なのでボリュームが大きいな」と思ったことを覚えていますね。今までは毎週、毎週、分散して……少なからず気持ちが途切れながら進めていく収録を、この分量、思いの丈、熱量を最後まで通しつづけなければいけない。「体力持つかな」というプレッシャーがありました。でも実際のアフレコはめちゃくちゃ早く終わったんですよ。
前野:そうだったね。2日間に分けてたけど、早く終わったよね。
──へえ!
井上:劇場版のアフレコの場合、「体力ギリギリまで必死に頑張る」というものが多かったので、当日までは「これから劇場版に立ち向かうんだ!」という覚悟だったんです。でもあっさり終わりました。あっさりというのは時間的な意味で。すごくスピーディーで順調だったんですよね。
それはみんなで築き上げた信頼があったからだと思うんですけど、逆に寂しさもありましたね。深夜までみんなで居残りして「もうヘトヘトだよ、でもご飯タイムを挟んでがんばろう!」みたいな、そういうノリを期待していたところもありました(笑)。
──井上さんは劇場版の時にゲストのイッセー尾形さん(当麻 蔵人役)のアフレコを自らお手伝いされたとか。
井上:お手伝いというより、私のワガママなんですよ(笑)。私自身の収録は全て録り終わっていたんですが、イッセーさんがどんなお芝居をされるのか、肌で感じてみたかったんです。それで「少しでもいいので掛け合いをしたいです」と進言しました。
実際お芝居をされている方にとっては、アニメ、声優の現場ってすごく特殊なものだと思うんです。私自身、養成所に通わずいきなり現場にポンと出た人間なので、どれだけ難しい現場なのかは分かっているつもりで。
だからこそ、イッセーさんも不安に思っていらっしゃるだろうし、掛け合いができたほうがより活きたお芝居ができるんじゃないかなって。おこがましいですけど「何かのヒントになれば良いな」という思いもありました。でも私のワガママですけどね。
──ちなみにどのシーンだったんですか?
井上:登場シーンだったと思います。最初のワンシーンを掛け合いでやらせていただいて。実際は声の被りもあるので一緒に収録することはできないんですけど、被らないように後ろから声を出させてもらいました。自分の中では少しでも掛け合いができて、ありがたかったです。
“革命的な出来事”は「ない(笑)」とキッパリ
──劇場版のタイトルにちなんで、おふたりがこの10年であった革命的な出来事を教えてもらいたいなと。
井上:(前野さんに向かって)はい、どうぞ!
前野:えっ!
井上:私はないですけど、前野くんはありますよ!(笑)
前野:えっ、そんなにないですよ!(笑) テレビシリーズが終わって10年以上経つのにこうやっていろいろなことをやらせていただけるということ自体がレアなので、それもひとつの革命的なことだと思います。あとは何かなぁ……。革命的なこと……。
井上:私は日々淡々と地道に生きています(笑)。革命的なことが起こらないように。
前野:現状維持も大事ですからね。僕自身も細々と、日常のいろいろなことを大切にしながら……という感じですね。今回の放送で作品を見ていただくことで、皆さんの中で革命が起きて欲しいなと思います!
──ありがとうございました!
衣装協力 ADELLY (office surprise)
[インタビュー・逆井マリ 写真:高木あつ子(収録風景撮影) 鳥谷部宏平]
作品情報
図書館戦争 革命のつばさ 【声優コメンタリー付】
製作年:2012年
製作国:日本
監督:浜名孝行
キャスト笠原郁:井上麻里奈/堂上篤:前野智昭
柴崎麻子:沢城みゆき/小牧幹久:石田彰
有川浩の人気小説を原作とする、TVアニメ「図書館戦争」の劇場版。公開から約10年を振り返る、笠原郁役・井上麻里奈と堂上篤役・前野智昭のコメンタリーと共にお届け!
人気作家・有川浩による、検閲が日常化した日本で表現の自由を守るべく戦う防衛組織“図書隊”の活躍を描くベストセラー小説シリーズ「図書館戦争」。劇場版アニメの公開から約10年の時を経て、声優陣がオーディオコメンタリーに登場!主人公である図書特殊部隊(ライブラリータスクフォース)の熱血女性隊員・笠原郁役の井上麻里奈と、郁と想いを寄せ合う鬼教官・堂上篤役の前野智昭が、当時の思い出をトークと副音声で振り返る。
©有川浩・角川書店/図書館戦争フィルムパートナーズ 2013
初回放送日:2021年10月26日(火)23:00~
放送チャンネル:WOWOWプラス