『バディミッション BOND』で“バディミ沼”にハマったひとりの女の物語|こんなにおもしろいゲームならもっと早く遊んでおけばよかった!!!
いつものように家事を終わらせ、やっと訪れたひとりの時間。働きながら家事をするのもなかなか大変なもので、趣味のオタ活もおろそかになってしまいがちだが、この時間だけは毎日の至福の瞬間で、絶対に確保しようと思っている。
日課となっていたNintendo Switchを起動させた私は、なにか良い新作ゲームがないものかとニンテンドーeショップをぼんやりと眺めていた。「今日も収穫は無しか」そう思っていた矢先、なぜだか目を奪われた作品があった。
『バディミッションBOND(以下、バディミ)』。
キャラクターデザインは『アイシールド21』の村田雄介さんらしい。青春時代から現在に至るまで週刊少年ジャンプ作品が大好きな私。村田さんの絵はやっぱり無意識に反応してしまう。アメコミっぽい感じが良いのよね。
声優さんは、木村良平さん、近藤隆さん、森川智之さん、浪川大輔さんとこれまた私の青春時代から現在に至るまでお世話になりっぱなしの方たちばかり! キャスティングした人とは友達になれそうなくらいある。
ストーリー紹介を読んでみると「警察と強盗と忍者と詐欺師の4人がチームを組む」とあった。
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……あれ、まって? 警察はなんで逮捕しないの……?
常識に捉われないキャッチーな紹介に心を奪われた私……。それはもう既に『バディミ』沼に片足を突っ込んでいるのだと気づいたのは、すぐ後の事であった。
これは、『バディミ』沼にハマったひとりの女の物語である。
遅くなりましたが、そもそも『バディミ』って?
2021年1月に発売された『バディミ』は、訳ありの4人がチームを組んで、謎の組織を追い、真実に迫るアドベンチャーゲームだ。
主軸は、以前からある王道のパターンと言っても過言ではないが、多くの人を惹きつけるのは、その魅力的なストーリー。
相棒を選んで、捜査、潜入して、ミッションを遂行していくというのを繰り返すのだが、プレイヤーから見える場面は多岐に渡る。ルークを中心に物語は進むが、その裏で、別のキャラクター達にもたくさんの心を揺さぶられる事が起きる。4人の主要人物の場面転換が、スムーズでスマートなのだ。
真面目なルークの語りの裏で、アーロンは暴れ、モクマはベロベロに酔っ払い、チェズレイは暗躍している。
目と耳からの情報量が多い! 考察が捗る! これ、オタク、好きなやつだ!
冒頭からルークに生死の危機が迫り、一気にゲームの世界に入り込む
「買ったんだから遊ばないとね!」と、そんな予防線を張りながらも内心はめちゃくちゃ楽しみで、ダウンロードが終わってないか5回は画面をチラ見していたことにも気づかない私。ゲームの準備ができるとソファーに陣取り、ゲームを早速起動!
キービジュアルの二人がバディになって事件を解決していくのかな〜なんて想像しているとおしゃれなオープニング映像がはじまった。
おお〜! なんか良さげ! 村田さんの絵がそのまま動いているような印象で、これは期待大!
ゲームがスタートすると、キービジュアルの二人であるルークとアーロンが描かれたアニメーションが始まる。美しい作画、躍動感を高める集中線、セリフが吹き出しで浮き上がり、まるで漫画がそのまま動いているような感じだ。ボイスもかなり入っているようで、声優さんの鬼気迫る声がする。素敵……。
……ん? いやいや、まって。なんで二人で争っているの……!?
あなたたち2人で仲良くパッケージの表紙飾ってたはずでは……?「バディもの」って聞いてたのに、最初から敵対関係なの? ルークは銃口を向けて、アーロンは何その痛そうな爪? あれ? 最初からもうクライマックス?『バディミ』 THE END……? そんな引き込まれる構成で来ます? 何があったんや……。
困惑する私をよそに、無慈悲にも物語は進んでいくのだった。
時系列は少し遡り、ルークが警察官として勤務する警察署。女性が捕らえられている映像がメールで届く。誘拐事件だ。
ルークの「ただただ真っ直ぐに、正義を貫きたい」という愚直な願いは、組織の思惑や他人の私欲が渦巻く中では敵を作ってしまい、彼は警察組織から追い出されてしまう。
私からすると、「そこまで愚直に誰かの為に動けるのはどうして?」と思ってしまう。その根源にあるのは、殉職した彼の父だ。彼は父のように、誇りある人に、そしてヒーローになりたいという思いが走る。
その事件で出会うのが、彼のバディになるアーロンだ。
ミッション冒頭の会話パートは、声優さん達のフルボイスで進む。キャラクターの心の動きが声に溢れ、プレイヤーの心へと訴えかけられる。ストーリーへの没入感が半端ない!