『最果てのパラディン』ED主題歌「標火」やなぎなぎさんインタビュー｜「その人の歩みが標（しるし）となって、それが誰かを照らす灯火になって、何代も続いていくというイメージでつくりました」

温かな光に囲まれながらの撮影

――今回のアーティスト写真は火に囲まれたものに。今までと一味違うものになってますね。

なぎ：表題曲のタイトルが「標火」だったので、いろいろな火に囲まれたいなと思って（笑）。LEDではなくて、アルコールのランプを用意してもらったんです。理科室のような、懐かしい匂いに囲まれながらの撮影でした。

――アルコールランプ憧れます。自宅ではなかなか使えないので……。

なぎ：自宅だとちょっと怖いですもんね（笑）。ゆらゆらする火を見ると、人間落ち着きますしね。

――落ち着きます！　なんでなんですかね？

なぎ：やっぱり、遠い記憶が……。

――（笑）。太古の記憶が……。

なぎ：狩猟民族のときの記憶とかがあるのかもしれない（笑）。不思議ですよね。

――また、本作には5thアルバム『エメラロタイプ』の発売記念ライブ＜やなぎなぎライブツアー2021 エメラロタイプ東京公演（2021.02.23＠東京国際フォーラムホールC）＞の音源も4曲収録されています。DVDではないんですけど自分の中で映像を思い浮かべることができるなあと。

なぎ：ありがとうございます。映像が無い分、もしかしたらイメージしていただけるものが多いかもしれません。

――この日のライブはいかがでしたか？

なぎ：もっとやりたいこともあったんですが、コロナ禍だったのでできないこともあって。いろいろな思いを抱えながらのライブではあったんですけど、来てくださった方、配信でご覧いただいた皆さんから感想をたくさんいただいて、やってよかったなと思ったライブでした。『エメラロタイプ』というアルバム自体が未来への期待、設計図、そういう意味を込めたものだったので、そういうものが今回のライブ音源でも伝わっていたらうれしいなと思っています。本来だったら他にも公演があったライブだったんですが……いつかリベンジで完成させたいなと思っています。

――緊急事態宣言で「コンセプチュアルライブcolor palette」にも昨年から影響があって。そんな中だからこそ、なぎさんのライブ音源を聴けるというのは私としてもうれしかったです。

なぎ：そう言っていただけるとうれしいです。早く自由にやりたいことが100パーセントできるような状況になって欲しいなと思っています。

【アルバム】やなぎなぎ/エメラロタイプ初回限定盤A

ソロデビュー10周年の内容は「計画中」

――来年はソロデビュー10周年。アニメイトタイムズでもなぎさんにお話をうかがうようになって10年となります。10周年はどうなりそうでしょうか？

なぎ：そうなんですよ。この時点で言えることがなくて申し訳ないのですが（笑）、せっかくの10周年なので、皆さんが追い付けないくらいのたくさんのコンテンツをやりたいなと思って、いろいろと計画はしています。

――なぎさん自身のお気持ちとしてはいかがですか？

なぎ：ん～そうですね……。10周年だからお祭りのような感じにはしたいなと思っているんですけど、あまり実感はないんです。音楽活動をはじめた時期から考えるともっと（時間が）経っていて、15年くらいになるんですよね。自分自身の気持ちとしては、音楽をはじめたころからあんまり変わってないんです。自分は細かく言葉にするのが今もそんなに得意ではなくて、抱えているもの、見たものを表現するのは曲の中だなと思っています。10年だけど、自分自身は「変わってないなぁ」って（笑）。

――私もずっとお話をうかがってきた身としても、なぎさんのものづくりに対する姿勢は、ずっと一貫してるなと思います。

なぎ：変わらなかったですね、10年じゃ（笑）。

――丁寧に一つひとつの作品を紡ぎ続けて、変わらないまま、進化しつづけているなぎさんがとてもステキです。10周年も楽しみにしております。ありがとうございました！

［インタビュー＆文・逆井マリ］