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ディズニー最新作『ミラベルと魔法だらけの家』監督&共同監督インタビュー

ディズニー・ミュージカル最新作『ミラベルと魔法だらけの家』監督:バイロン・ハワード氏&ジャレド・ブッシュ氏、共同監督:シャリース・カストロ・スミス氏にインタビュー!

ディズニー・アニメーション・スタジオの最新作『ミラベルと魔法だらけの家』が、2021年11月26日(金)に公開となります。

本作は、“魔法”に溢れる世界に住む新ヒロイン・ミラベルの活躍を描く待望のミュージカル・ファンタジー。主人公ミラベルは、活気溢れる南米コロンビアの奥地に佇む、魔法の力を持つ不思議な家に生まれた女の子。

ミラベルが住むマドリガル家に生まれた子供たちは、1人1人違った個性を持つ“魔法のギフト(才能)”を家から与えられますが、ミラベルはたった1人だけ“魔法のギフト”をもらえませんでした。

心の奥底で疎外感や不安を抱え込みながらも前向きに過ごすミラベルが、ある日この魔法だらけの家が危険に晒されていることを知り……なぜミラベルだけ魔法の才能(ギフト)を持たないのか? 魔法だらけの家に隠された秘密とは……?

アニメイトタイムズでは、本作の監督を務めたバイロン・ハワード氏とジャレド・ブッシュ氏、共同監督を務めたシャリース・カストロ・スミス氏にインタビューを実施。この作品に込めたテーマ、背景、音楽、そしてディズニーならではの“遊び心”についても語っていただきました!

『ズートピア』制作中から考えていたミュージカル作品

——本作はディズニー・アニメーション60作目を飾る記念すべき作品です。魔法だらけの家で“魔法が使えない女の子”をヒロインに物語を描こうと思った理由をお聞かせください。

バイロン・ハワード監督(以下、バイロン):私がミラベルに惹かれる数多い理由のひとつが、才能を持った人たちの中でまさに彼女が普通である、ということです。彼女が家族の中で唯一魔法が使えないという立場にいることも、彼女をさらに好きになる理由だと思います。

私たちもそうですが、多くの人たちにとってミラベルに感情移入しやすいのは、彼女には他の者たちよりももっと頑張らないといけない理由があること。

つまり、彼女には彼女の家族の他の人たちが持っているような有利さを持っている訳ではないというところにあります。しかし、そんな彼女が自分の家族をすごく愛してもいるのは明らかです。

また、私が本作の中でも特に愛してやまない瞬間のひとつに、ミラベルが彼女の幼い従弟・アントニオが「ギフト(才能)」を受け取る場に同席している夜の場面があります。

「ギフト」を自分が受け取ることは一生ないという事実ともう10年間も生きてきたミラベルなのに、従弟のためにその場に寄り添うことを厭わずに成熟した度量と優しい心をミラベルが示してくれる素晴らしい瞬間で、そんな彼女をわたしは愛さずにはいられません。

——そこは本当に美しいシーンですね。では、ジャレドさんに、本作の製作プロセスについて少し伺います。本作を製作するにあたり、出発点や主要テーマはありましたか?

ジャレド・ブッシュ監督(以下、ジャレド):本作をミュージカルにしたいとは最初から思っていました。それは重要なことで、バイロンとわたしは『ズートピア』を制作している時から次はミュージカルをやりたい、と思っていました。

私のほうで本作の考えをひとつの方向から検討していた一方で、リン=マニュエル・ミランダ(音楽担当)には、ラテンアメリカ・ミュージカルを書きたいという考えがありました。

なので、私たちがまず考えなければならなかったのは私たちの間の共通項、私たちが本作で何を語りたいかをみなで詰めていくという作業でした。自分たちが語る物語と自分たち自身が感情的なつながりをしっかり持てるということは、とても大事なことですから。

そこで、私たちが話し合っているうちに、私たち全員がいずれも、少し複雑な関係が見られる大きな家族に属しているという共通点が見つかりました。

ディズニー・アニメーションでは、他世代にまたがる拡大家族というものは、実際のところ映画で取り上げようとしたことがこれまでありませんでした。ですから、これはとてもやりがいのある挑戦だと思いました。

——確かに。マドリガル家のように大家族を描いた作品はこれまでありませんでした。

ジャレド:それで、私たちが自分たちの家族をリサーチして行くうちに、思っていたほどには自分たちが自分たちの家族を良くは知っていないということに直ぐ気付かされました。

むろん、私たちは自分の周囲の人間たちに対して、彼らはこういう人間だという、ざっくりしたイメージを持ちますが、そんな二次元的な表層の背後には、もっとはっきり形のある、本物の人間が常に控えているのです。

家族にいろいろ質問して行くうちに、自分たちが彼らに勝手に割り当てたつもりになっている「役割」以上の部分や「人間」としての彼らのことも、もっとよく分かりました。

どの程度に自分の家族のことを私たちは知っているのか、逆に私たちの家族は自分たちのことをどの程度に分かっているのか、という疑問が、本作の中心を占めるものの大きな出発点になりましたね。

——なるほど。

ジャレド:本作ではそれが、みなが非常に特別な家族の中で、ひとり普通であるだけだと思われるミラベルの視点から語られます。

そして、個々には非常に特別に見えるものの、一見してはすぐには分からないところでそれぞれに苦闘している自分の家族たちのことを自分も理解しようとする彼女のたどる道は、一方では自分の自信のなさとの闘いでもあります。

ですが、それと重なるようにして、彼女の家族たちもまた、それぞれに彼女と同じような闘いを実はしているということに気づくことでもある。本作は複雑な大家族を、そんな視点で語る、素晴らしい物語になっています。

——また、コロンビアが舞台になっていることもあり、その土地の文化や人々を知る作品になっていると感じました。

バイロン:キャラクターたちがコロンビアに特有の行動や振る舞いをしているので、そこにも注目してもらえると嬉しいです。

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