LiSA テレビアニメ「鬼滅の刃」無限列車編オープニング&エンディングテーマ「明け星 / 白銀」インタビュー|LiSAさんが語る梶浦由記さんの楽曲へのこだわり、そして自身が歌唱に込めた想いとは?
LiSAさんが歌う現在放送中のテレビアニメ「鬼滅の刃」無限列車編のオープニングテーマとエンディングテーマ収録のダブルAサイドシングル「明け星 / 白銀」が11月17日発売!
LiSAさんにとって記念すべき20枚目にあたるこのシングルは、アニメ『鬼滅の刃』の劇伴を担当してきた梶浦由記さんが作詞・作曲・編曲を手掛けており。これまでもLiSAさんと、最初のTVシリーズ「竈門炭治郎 立志編」のEDテーマ「from the edge」(FictionJunction feat. LiSA名義)、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の主題歌「炎」などでタッグを組んでいます。
今回の2曲はLiSAさんが望んだ梶浦さんとしか表現できない楽曲であり、インパクトとキャッチーさを持ち合わせた強力シングルです。
LiSAさんに「明け星 / 白銀」のご紹介と、制作やレコーディングを通して梶浦さんとどのようなやり取りがあったのかなどの秘話も。そして20枚のシングルの中で印象深かった曲も挙げていただきました。
テレビアニメ「無限列車編」の放送決定に驚きつつもオープニング&エンディングテーマを託された喜び
――昨年、公開され、人気を集めた劇場版「鬼滅の刃」無限列車編がテレビアニメとして放送されることと、ご自身がそのオープニング&エンディングテーマを担当されることへの感想をお聞かせください。
LiSA(以下、LiSA):まずテレビアニメ「無限列車編」の放送決定は驚きました。劇場版の主題歌として作らせていただいたのが「炎」で、思い入れがすごく強かったので、新たにテレビアニメのオープニングテーマとエンディングテーマを作るという形が想像つかなくて。そこで梶浦(由記)さんに相談させていただいたら今回の楽曲が上がってきて、「梶浦先生、さすがだな」と思いました。
「無限列車編」は思い入れの深い物語ですし、「炎」に続いて、オープニングテーマとエンディングテーマを託していただけるのはとてもありがたいなと思いました。
――OP映像もED映像もかなり作中の重要なカットが使われているし、過去の炭治郎や煉獄の家族のカットは微笑ましくもあり、せつなくて。またOPでは「せめて君に届くように」に合わせたようにラストで炭治郎が煉獄に手を伸ばすシーンも印象的でした。
LiSA:ご覧になってくださった皆さんからの反響も多くて、納得してくださる声ばかりだった気がします。
梶浦さんから「明け星」が届いた時に、「最初のギターのフレーズは列車の音を表現しているんだな」とか、サビのなだらかな弦楽器の音は「夢の中をイメージしているんだな」といろいろな発見がありましたが、作品の劇伴も担当されている梶浦さんだからこそできる音の表現が詰め込まれています。
「明け星」はLiSAさんと梶浦さんが共闘して作り上げたヘビーロックにもバラードにも聴こえる曲!
――「明け星」をアニメで初めて聴いた時、イントロで攻撃的なギター音からストリングスの音色に変わり、歌い出しのオケや不思議さを漂わせるLiSAさんの歌声など、衝撃の連続でした。
LiSA:しめしめと思ったところでもあるんですけど、歌い出しの「太陽を朱く閉じ込めて」を聴いた方から私が歌っているとは思わなかったという声もいただきました。今までの私だったら矢を射るように点で攻めて、「太陽を」のところも熱くあてて歌っていたと思いますが、裏声で歌う妖艶さを梶浦さんがすごく気に入ってくださって。そういう部分を今回やってみたことで、皆さんも驚いてくださったのかなと思います。
曲頭をハイピッチで裏声から入る曲は今まで歌ってきた楽曲にはなかったですし、「女性のはかない美しさが表現されている」とうかがって、「梶浦さんの発明だな。すごいな」と改めてすごさを実感しました。
――カテゴリー分けするのが不可能のようなオープニングテーマという感じでしょうか?
LiSA:ヘビーロックではあるけど、バラードともとらえられるし。ハードだけど、繊細さも持ち合わせた曲ですよね。
――この曲を制作するにあたって、梶浦さんとはどんなやり取りをされたのでしょうか?
LiSA:制作していただく前に、梶浦さんが作品や、様々なことを加味して作ってくださいました。
この「明け星」では「梶浦さんの世界に寄り添いつつも、私も一緒に戦っていくような楽曲になればいいな」ということと、「ヘビーロックがやりたいです。その上で梶浦さんと混ざりたいです」というお話はさせていただきました。
――あとオープニングテーマとエンディングテーマを聴いて思ったのは、「明け星」がエンディングテーマ、「白銀」がオープニングテーマでも成立しそうだなと。
LiSA:アニメ『鬼滅の刃』という作品においては、この形が正解だなと思いました。オープニングにアニメ『鬼滅の刃』の世界観をきちんと表現できる「明け星」があって、エンディングでは次のエピソードにつながっていく、希望をおいた疾走感がある「白銀」というのは見事としか言いようがないです。
梶浦さんがこだわったバンドサウンドのアレンジにLiSAさんも納得
――梶浦さんから「明け星」のデモが届いた時にどんな印象を受けましたか?
LiSA:アレンジなど今のような完成形ではなかったけど、リズム感や梶浦さんの表現したい音は詰め込まれていて。聴いた瞬間に絵が頭に浮かんできて、視聴者の皆さんと同じように納得するしかなくて。「梶浦さんは『無限列車編』をこう表現するんだな」と。その後、生楽器で演奏していただいたり、オケの感じも徐々に変化していきました。
――今回ストリングスとエレキギターがフィーチャーされている印象があって、ストリングスは物語のせつなさを、エレキギターは激しさや熱さを表現しているような。
LiSA:いろいろな受け取り方ができると思いますが、梶浦さんは「この曲はバンドじゃないといけない」とおっしゃっていました。以前TV番組で梶浦さんのピアノの演奏で「炎」を歌わせていただく機会があったので、「『明け星』も梶浦さんと一緒にいつかやりたいです」とポロっと話したら、「この曲はバンドがいないとダメなの」と。バンドが表現している力強さやサウンドの重さがこの曲には必要だなと私も思いました。
――あと梶浦さんらしい雰囲気も感じました。
LiSA:梶浦さんの楽曲って、オーケストラだと思うんですよね。すべての音の旋律が一緒になって、いろいろなものを表現しているのがすごくて。音数が増えれば増えるほど、音がぶつかったり、ケンカし合う危険性もあるけど、梶浦さんの曲はすべてが繊細で、全員で戦っているようなサウンドになるのはまさに梶浦ワールドですよね。
――梶浦さんの曲はコーラスワークも特徴的ですが、コーラスもLiSAさんご自身でされたのでしょうか?
LiSA:『白銀』はコーラスの方が参加されていますが、『明け星』は私のみの声でコーラスしています。