念願の“インターハイの3日目”がアニメ化! 坂道や真波たちの高ぶった気持ちをそのまま──アニメ『弱虫ペダル』の第5期シリーズに向け、山下大輝さん&代永翼さんにインタビュー
分散収録でも全員の声や芝居がすぐにイメージできるのは長く築いた絆のおかげ
――既に収録が始まっているそうですが、久しぶりの収録の感想や難しかった点はありますか?
山下:4期の時とは収録する環境が変わったのが大きくて。でもここまでやっていると、自然とみんなの声が聞こえてくるんですよね。みんな一緒に録っていた時の景色を思い出すと寂しいけど、収録の時には他のキャラの音声が入っていなくても、頭の中に流れてきたり、「きっとこんなふうにしゃべるんだろうな」と想像してみたりして。この作品に長い期間関わってきて、みんなの熱量をそばでいつも感じていたからだろうなと。
だから僕自身も「みんなの熱量に負けないようにしなきゃ」という対抗心も強くなっているし、みんなもきっと同じだと思うから、いつも以上に熱量が高まっているんじゃないかなと思います。超やる気満々で臨むからむしろ空回りしないように注意しないといけないかもと思うくらいで。「やりすぎです」と言われるかもって(笑)。
代永:4期では真波がまだふわふわしている頃だったので、そこにまた戻すのが大変でした。でも他のキャストさんとは一緒にできなくても、真波がバシくんや黒田さんにこんなふうに怒られているんだろうなというイメージが鮮明に浮かんできました。
個人的には泉田さんの「アブ」を生で聞きたかったんですけど、一緒に収録できなかったことが悔しくて。戦うチームごとに分かれての収録だったので、「阿部(敦)さんは『アブ』をどんな感じで言うのかな?」と大輝とよく話していました。
阿部さんの「アブ」を同じ収録時に聞いていた(葦木場役の)宮野(真守)くんが笑っていたそうです(笑)。あと京伏チームがどんなふうにやっているのか、気になるんですよね。「この音をどう表現するんだろう?」って。
山下:なんとなく想像はしているんですけど、それを余裕で超えてくるので。
代永:そう! だから完成版でお芝居を聞けるのがすごく楽しみなんです。
山下:僕らが視聴できるのは、たぶん皆さんと同じタイミングになると思うんですけど。
代永:4期までは全員で収録していたので、熱や想いを受け継ぎながら最後の勝負に挑めたけど、今回は別々にやっているので難しいですね。ちゃんとバトンを引き継げるのだろうかという不安もあって。インターハイ3日目のラストはみんなで収録できたらいいんですけど。
レース名物のガヤはキャスト陣総動員! 山下さんと代永さんは女性役も!?
山下:あとこの作品はレースの観衆が状況説明をしてくれるんですけど、それが的確だし、あのしゃべり声や歓声がめちゃめちゃモチベーションを上げてくれるんですよね。お客さんの声を担当する人は「こんなに声を張るの?」というくらい張っていて。お客さん役であそこまで張るのはたぶん珍しいのでは?
作中ではレースを見ているお客さんはテンションが上がって、声を出し、その声を聞いて、「頑張らなきゃ」と力に変えるという相乗効果みたいなものがあるんです。今は一緒にできないので、どんな感じになっているのかはわからないんですけど、お客さん役をされている皆さんを信じて、僕らは精一杯演じるだけで。
『弱虫ペダル』はいろいろなものがうまくかみ合って、作られていたんだなと改めて実感しました。総北や箱学だけではなく、周りにいるお客さんを含めてみんなで作ってきたアニメなんだと。以前まではガヤも20人くらい集まって録っていて。しかも僕らは女性の観客の声も補わなければいけなくて。この現場は女性が足りないんです!
代永:4期になって女性スタッフさんなどにも手伝ってもらえるようになりましたが、1~2期の頃なんて、ガヤになると「代永! 大輝!」と指名されて。
山下:あと宮田(幸季)さん(杉元照文役)や、4期になったら下野(紘)さん(鏑木役)も。声が高い集団が前に出て。
代永:それもすごく楽しかったよね。「誰、応援する?」とか相談したり、自分で「真波く~ん!」と応援したり(笑)。あと藩(めぐみ)ちゃん(橘 綾役)や諏訪(彩花)ちゃん(寒咲 幹役)に「私たちよりかわいくやるのはやめてもらえませんか!?」とか「私たちより高くないですか!?」とか言われて(笑)。
山下:楽しかったですよね。
(C)渡辺航(週刊少年チャンピオン)/弱虫ペダル05製作委員会