【ネタバレあり】TVアニメ『マブラヴ オルタネイティヴ』珠瀬壬姫役 田中貴子さん×鎧衣美琴役 Lynnさんインタビュー後編|緊張感のあった煌武院悠陽との対面、密度が濃すぎる11話【連載 vol.11】
06年発売のâge(アージュ)が企画・製作したアドベンチャーゲームを原作としたアニメーション『マブラヴ オルタネイティヴ』がフジテレビ「+Ultra」ほかにて放送中。アニメイトタイムズでは、本作の出演声優陣を中心にインタビュー連載を毎週掲載している。
激動の11話。珠瀬壬姫にとって、大きく心を揺さぶられるイルマの登場。そして冥夜の決断など、一つの区切りに向かって物語が大きく動いた第11話を、前回に引き続き、壬姫役の田中貴子さんと鎧衣美琴役のLynnさんに振り返ってもらった。
※本編のネタバレを一部含む内容となっているためご注意ください。
緊張感のあった煌武院悠陽との対面、密度が濃すぎる11話を振り返る
――第11話の収録はいかがでしたか?
田中貴子さん(以下、田中):たま(=珠瀬壬姫)はイルマさんとの出会いがあるんです。戦っている人同士は、基本的に戦闘に関する会話しかしないんですけど、はじめましてのところから内面のことを打ち明けあって、すぐに打ち解けるんですよね。仲間というのもあるけど、友達になりたいという気持ちが一瞬で芽生えたんだろうなって思うんです。だからたまにとっては運命の人だったというか、お姉ちゃん的な意味合いですごく惹かれたんだと思います。
でも自分のお父さん(※珠瀬玄丞斎 国連事務次官)のせいで、無用な争いに巻き込んでしまったかもしれないし、この戦いにも巻き込ませてしまったかもしれないから、どんな気持ちで戦えばいいんだろう、どんな気持ちでみんなと仲間でいたらいいんだろうと葛藤するところが苦しかったです。
――そこを声で演じるのも難しいところですよね。普段が明るいから。
田中:いつもの明るいたまでいようという気持ちはあったんですけど、そのあと武と話すシーンでは、涙を我慢しながら流すんですよね。やっぱり甘えてはいけない、軍人として簡単に泣いてはいけないというプロ意識もあるから。
だから演じるときは、どのくらいの涙が出るんだろう、どのくらい正直な気持ちが出てしまうんだろうというのは考えました。武の前では、信頼感もあるから本音が出てしまうんだなぁと。それは、イルマさんにフィンランドに行くと約束の指切りげんまんをしたときに、イルマさんには頑張って見せなかった涙だと思うので、親目線として「よく頑張ったね」と思いました。
――Lynnさんは11話の収録はいかがでしたか?
Lynnさん(以下、Lynn):悠陽さまとのシーンは、さすがの美琴も緊張しているというか、いつもと違う空気感があるというのは感じました。ほかのみんなもそうですけど、自分の親のことや抱えているものが大きい中で、その気持ちに寄り添ってくださる、ねぎらいの言葉をかけてくださることって、それぞれにとってすごく嬉しいというかありがたいことだったと思うんです。そこで少し救われる気持ちになるシーンだったと思うので、すごく不思議な空気感が漂っているシーンだなと思いました。
――現実で想像すると、その立場の方から直々に言葉をもらうことなんてないわけですからね。
Lynn:1対1で会話をすることなんてないでしょうからね。
田中:空気感は違いますよね。
――全体のストーリーに対しては、どんな印象を持っていますか?
Lynn:冥夜がすごかったです! 収録は別でしたけど、ここのシーンを録る前に奈波果林さんが緊張されていたという噂は聞きました。そもそも言葉遣いがすごく難しいじゃないですか。普段そういうしゃべり方をしているわけではないのに、ちゃんと替え玉として振る舞えている冥夜の凄さ。生まれ持ったものを感じました。
田中:やっぱり覚悟が違いますよね!
――アフレコも緊張しますよね。
田中:しかも戦術機の上に乗って、雪が降っている中での会話でしたから、シーン的にも映像を見るのが楽しみです。
Lynn:私、家でリハをしているときは人のセリフも一緒に読むんですけど、途中で全然追いつけないというか、漢字も読めないし速いしってなっていました(笑)。
――リハの映像に合わせて、セリフを読んでいるんですね?
Lynn:そうなんです。今は特に分散収録で、(感情の流れが)わからないので……。でも言葉が難しくて追いつけなかった。
田中:意味とかも調べないとわからない言葉が出てきたりしますからね。
Lynn:それぞれの名乗りだけでも長くて、どこの所属の人?とかなっています(笑)。
田中:作品通してそうですけど、03(マルサン)とか格納庫(ハンガー)とか、普段言わない用語があるので、これ流行らないかな?と思っています。マルサンおやつ! マルロク帰宅!とか(笑)。
Lynn:時間なんだ(笑)。
田中:でも、11話だけで見ても、最初に壬姫とイルマが出会うところから始まり、そこで壬姫の気持ちが変わり、そのあとに沙霧と慧の過去があって、そこからの悠陽さまと207B分隊の話、そこからウォーケンとまりもと月詠と武の話し合いがあって、冥夜と沙霧が交渉する。これをよく22分の間に詰め込んでいるなと思って、本当にすごいな!と思いました。