“愛”をテーマに掲げたTrySailのツアー「LAWSON presents TrySail Live Tour 2021 "Re Bon Voyage"」東京公演レポート
21年3月に『LAWSON presents TrySail Live 2021 "Double the Cape”』を開催、そして9月15日には待望の4thアルバム『Re Bon Voyage』をリリースしたTrySail。“Bon Voyage”はよい旅を、という意味なのだが、昨年でデビュー5周年、ここから再スタートという意味の“Re”を足し、“Re Bon”=リボンでプレゼントという意味も込めたアルバムタイトルになっている。
ライブで盛り上がる新曲も多く、このアルバムを引っさげてのツアーも、ファンのみんなとまた新たな航海に出るのにふさわしい盛り上がりとなった。ファンとの絆を感じつつ、3人のエモさが全開だった東京ガーデンシアターでの2日目の模様をレポートする。
「ここを日本一幸せな空間にしよう!」と叫び、それを実現した最高の夜!
ステージにある大きなリボンのオブジェが上がっていくと、3人がポーズを決めて立っている。その場でランニングをしながら歌ったのは「Re Bon Voyage」だ。今回のツアーは4thアルバム『Re Bon Voyage』を引っさげてのものだが、アルバムでも1曲目に収録されているハイテンションナンバーを、ライブのオープニングにし、勢いをつけていく。観客も声こそ出せないが、熱気が上昇しているのがよくわかった。
「みんな付いてきてねー!」と夏川椎菜が声を張り上げると、大きなクラップが巻き起こる「バン!バン!!バンザイ!!!」へ。ここでは3人が代わる代わるにお立ち台に立ち、観客を煽りまくり、手を一緒に左右に振ったりしながら一体感を高めていく。さらにここで「adrenaline!!!」を持ってきたことで、最初から本気でぶっ飛ばしていくこと、そしてこのライブにかける想いは伝わってきたし、3曲目にしてこのあとのことを全く考えていないかのようなアドレナリン全開の熱唱に、完全に圧倒されてしまった。あっという間に、かわいらしいビジュアルからは想像もできない激エモのライブになっていたのだが、このエモさは、このライブのひとつのキーワードになっていたかもしれない。
「今日はMCが少ないので、今のうちに休んでおいてね」とファンを着席させると、3人それぞれが挨拶をしていく。ここでは、雨宮天が、2曲目でのみんなの“バンザイソウル”がすごかったと絶賛したり、ステージセットや衣装のポイントや見どころなどを解説。3人でのトークはいつも軽快で、さっきまでのライブの勢いを感じさせないほんわかとしたムードになるので、そのギャップもまたクセになる。
クラップの練習後の「Favorite Days」は、Aメロではクラップ、Bメロで切なさを出してからのサビのハジけ具合がたまらなくエキサイティング。イントロのクラップに合わせたドラムなど、ライブ用のアレンジになっていて、生バンド感のあるサウンドはグルーヴ感も増すし、確実にライブのクオリティをアップさせてくれていた。きっとこの音があるから、3人の歌声の力強さがどんどん増していくのだろう。続く「sewing dream」はワイパーをしたり、大きなクラップで、声は出せなくても一緒に楽しむ感覚を味わわせてくれた。
かわいらしいキーボードリフが印象的な「whiz」は、3人がぴょんぴょんと飛び跳ねてステップするダンスがとてもキュート。続けて「オリジナル。」を披露するなど、アルバム曲の間に歌う既存曲がどれも超強力! 3人がそれぞれ個性的なのに、ユニゾンになると力強く一体感を増していくTrySailの凄さと魅力を、改めて思い知るようなセットリストだと感じた。