交番モノってどんな作品? ギャグ盛りだくさんの作風に「これは笑っていいの?」│冬アニメ『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』若山詩音さん&石川由依さんインタビュー【前編】
シリーズ累計350万部突破!『モーニング』にて連載中、そして昨年は実写ドラマ化もした『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』のTVアニメが2021年1月5日より放送スタート! 交番女子のリアルな日常を描いた警察コメディーとなっており、個性的なキャラクターが多数登場し、様々な物語を繰り広げます。
今回は、町山交番に勤務する新人警察官で主人公の川合麻依を演じる若山詩音さんと、元刑事課のエースで川合の指導員としてペアを組む巡査部長・藤聖子を演じる石川由依さんに作品の魅力をたっぷり語ってもらいました。
作品を知って警官への気持ちが変化。「頑張ってください」と応援するように……
――原作を読んだ印象を教えてください。
川合麻依役・若山詩音さん(以下、若山):独特のテンションとテンポ感が時には笑いを誘い、時には緊迫感を生み出していて、読む手が止まらなかったです。
続きがあるものは次が気になって仕方がないですし、おふざけ回なら、次はどんな笑いがあるんだろうと考えるのが毎回楽しく、あっという間に最新刊まで読み終わってしまいました。
あとは、どのキャラクターも個性豊かで、それぞれ1人の人間として好きになれるなと思って、読み進めるうちに『ハコヅメ』愛がどんどん大きくなっていきました。
――オーディション前に読まれたのですか?
若山:オーディションの前は4巻くらいまで読んでいて、その時点で『ハコヅメ』愛は大きくなっていたので、この役を絶対にやりたい!とオーディションに臨んだ記憶があります(笑)。
――そう思うと、逆に力が入ったりしません?
若山:逆に楽しんでいこうという気持ちになりました。好きだからこそ自分が持っている、自分が面白いと思っている間(ま)とかを披露しようと楽しみました。
――石川さんは原作を読んだ印象はいかがでしたか?
藤聖子役・石川由依さん(以下、石川):詩音ちゃんが言っていたように、ギャグでは独特のテンポ感があると思いました。交番モノってどういうテンションの作品なのか、概要を見たときはわからなかったんですけど、実際に原作を読んでみると、もはやギャグで(笑)。
事件も大小いろいろなものを取り扱っていて、シリアスなものもあるんですけど、やっぱりギャグだ!みたいな感じなんですよ(笑)。すごく絶妙なバランスで、ドキドキしたりキュンキュンしたり色々な要素が混ざっていて面白い。
最初は1話完結だけど、実はその先につながっているものもあったりして、底知れない魅力がありました。
――深いのか、何なのかっていう面白さですよね(笑)。
石川:ギャグがたくさんあるから複雑な気持ちになるんですよね(笑)。これは笑っていいのかな?みたいな。でも本当に面白いし、警察官って身近な存在だけど、近づくタイミングがあるわけではないので、普段どういうお仕事をされているのか、どんな事件を扱っているか知らなかったんです。
だから『ハコヅメ』を読んで、こんなことをやっていたんだ!とか、警察官の方たちも、私たちと変わらない普通の人だったことを実感しました。
――警官へのイメージって、どのようなものがありましたか?
石川:勝手な固定観念で、自分より正義感が強いんだろうなとか、完璧な人たちなんだろうなと思っていたんですけど、本当に私たちと同じなんですよね。
私たちも大好きなことを仕事にしているけど、時には不安が大きくて行きたくないなと思ったり、めんどくさいなって思うときがあるんです。それと同じように、警察官の人たちも、普通にやりたくないなとか、めんどくさいなと思っているのかなと逆に身近に感じました。
だからこそ、私たちも頼りっぱなしにせず、こんなブラックにも近い環境で頑張っている人たちが、もっと悪い環境にならないよう、一般市民も頑張って、みんなで街を守っていかなければいけないんだなと思いました。
――若山さんは、警官に対するイメージが変わったりしましたか?
若山:応援されると頑張らなくてはいけないから応援されたくないみたいな話があったり、徹夜で何をやっているのか自分でもわからない状態でふわふわ仕事をしているシーンがありましたが、めちゃめちゃ過酷で。もうすり減っている人たちが働いているんだと思ったんです。
だから、実際に警察官を見たら、声をかけるまではないにせよ、心の中で「頑張ってください」と応援を送るようになりました(笑)。それまでは、私も本当にどんな仕事をしているのかわかっていなかったので、『ハコヅメ』のおかげで「お疲れさまです、ありがとうございます」の気持ちがすごく大きくなりましたね。
――確かに、結構夜中まで大変なんだなって、読んでいて思いますよね。
石川:女子は特に大変そうですよね(笑)。