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冬アニメ『オリエント』高橋李依(服部つぐみ役)インタビュー【連載第4回】

演じる上でつぐみの生い立ちを理解。彼女の言葉の真意に気付いてほしい――冬アニメ『オリエント』服部つぐみ役・高橋李依さんインタビュー│現場で流行りの「小雨田構文」とは?

『マギ』の大高忍先生の最新作『オリエント』のTVアニメが、2021年1月より好評放送中です!

物語の舞台は、強大な力を持つ鬼神に支配された日ノ本。鬼に立ち向かい続ける“武士”に憧れる武蔵と小次郎は、“最強の武士団”結成を誓い合い、夢のためへの道を進むことになります。

アニメイトタイムズでは、キャスト・スタッフ陣へのインタビュー連載をお届け! 第4回は、服部つぐみ役の高橋李依さん。作品の印象や演技のこだわり、第4話に関するお話も伺いました。

言葉の端々で見え隠れするつぐみの本質

──原作や台本をご覧になってどんな作品だと感じましたか?

服部つぐみ役・高橋李依さん(以下、高橋):個人的に大高先生の絵柄がとても好みだなと思っていて、初めて『オリエント』を読んだ時に、喜怒哀楽の上限を突破した作品だなとも感じました。

キャラクターの眼力や表情にパワーが詰まっていて、自分の感情を腹の底から引き出してくれるような感覚で。オーディションの時は、そんな先生ならではの表情をしっかりと活かしたいと思い、漫画のコマを見ながら演じさせてもらいました。

──つぐみ役に決まった時の感想を教えてください。

高橋:つぐみから溢れ出る表情に、声を乗せさせていただけるなんて!早く演じたいし、私も早く見たい!とワクワクしていました。

──つぐみのどんなところに魅力を感じましたか?

高橋:つぐみの魅力は第4話、第5話に詰まっていて、一つひとつの発言の中に彼女の本質が見え隠れしているなと。ちょっとした行動や言葉に性格が表れているのでぜひ注目してほしいです。

──印象的なセリフはありましたか?

高橋:第4話で武蔵と小次郎を捕らえる時の「ごめん」が印象的です。捕らえる行動に反して、言葉では謝っていて。生じてしまうギャップにすごく胸がギュッとしました。

──お姉さんの存在も気になるところですよね。

高橋:お姉ちゃんは回想で登場しますが、本当に素敵ですよね。かっこいいし、ちょっとクスッとしちゃう魅力もあったり。お姉ちゃんも大好きです。

──メインキャラクターの武蔵と小次郎の第一印象を教えてください。

高橋:熱血主人公といったような、よくあるポジション通りではないところが面白いですし、こんなに周りの空気を読んで気を使う主人公たちというのも珍しいなと思いました。

──武蔵は周りをよく見ていますからね。

高橋:リアルな人間関係や幼少期を丁寧に描く作品だから、こういった性格なのも納得です。この作品は「熱い少年漫画」と一括りにしては勿体無い魅力があるなと思いました。

──小次郎は一見クールでありながら、すごく人間味にあふれています。

高橋:そうなんです! 皆のことを一歩引いて見守るポジションかと思いきや、彼が必死なところもたくさん描かれていて。

──つぐみの色仕掛けに引っ掛かっていたり(笑)。

高橋:チョロかったですね(笑)。

──小次郎もまた等身大の少年ですね。

高橋:可愛いですよね。ふたりとも人間らしいところがあって素敵だと思います。

──しかし、小次郎は武士であることから辛い境遇に置かれていました。

高橋:本当は悪くないのに、悪と呼ばれているものに石を投げてしまう空気感は、どこか現代の感覚にも通ずるなと思いました。この作品はファンタジーのようで、すごくリアルを感じる部分がありますよね。

演じる上でつぐみの生い立ちを理解

──これまでのお話を振り返っていただいて、印象的なシーンや出来事があれば教えてください。

高橋:第3話の最後でつぐみが鼻歌を歌うシーンがあるんですけど、実は歌い方の指定が特になかったんです。

──あの鼻歌は高橋さんが考えられていたんですね。

高橋:和風な世界観に合うように、数え歌をイメージして歌ってみました。つぐみが小さい頃、お姉ちゃんに教えてもらったという脳内設定です(笑)。

──ほかに印象的なシーンはありましたか?

高橋:第3話で揉めずに仲良く旅をしている武蔵と小次郎が可愛くて印象的です。ふたりの旅が始まっていく真面目なシーンのはずが、生活力の話になっていたり(笑)。コミカルなシーンはアニメでどう描かれるのか気になっていたので、しっかり原作通りで嬉しかったです。

──先日放送された第4話では本格的につぐみが登場しました。

高橋:第4話からつぐみがメインの回ということもあって、彼女が武蔵たちと出会い、気持ちの整理をつけるまでのグラデーションを丁寧に理解したいと思って挑みました。

──演技面でも注目ポイントが盛りだくさんですね。

高橋:音響監督さんが、一話の中での流れを的確に演出してくださって。セリフに「!」がついていても、その後にまだ大きな波が来るから出しすぎないでおこう、みたいな、視聴者の方には一連の流れを楽しんでもらえる作りになったんじゃないかなと思います。

──流れですか?

高橋:例えばAパートに「!」で締める決め台詞があったとして、Bパートにもう一回「!」で終わる決め台詞があった場合、AパートよりBパートのほうが強いと盛り上がりとして良いじゃないですか。

──たしかに。

高橋:最初から必死だと全て100%の熱量になってしまうので、流れの中で熱を少し下げたり上げたり。トータルでじわじわ熱が上がっていくような調整でした。もちろん大まかな道筋を示していただいた後は、自由に演じさせていただいています。

──演じる上で印象的なセリフはありますか?

高橋:第4話の後半、檻に閉じ込められている武蔵と小次郎に「ヤッホー。ふたりとも元気?」と言うシーンがありますが、あそこは泣き終わって少しくたびれた雰囲気を出したほうが良いのかなと思いきや、めちゃくちゃ明るくしてほしいとディレクションがあって。

たしかにそうすることで、彼女が与えられた任務に縋っていることや、抗えない状況にいることをより感じ取ってもらえるなと納得していました。

──全体を通して、つぐみを演じるにあたって意識したことはありますか?

高橋:つぐみの生い立ちはどんな状況だったのか、ということをしっかりと考えました。一体どうしてあんな状況にまでなってしまったのか。どう生きてきたらお館様に逆らえない状態にまで陥るのかと。

私は両親に大切にしてもらったり、今はありがたいことに応援してくださる方もいることで、仕事に対して少しの自信を持ってやらせていただけています。

しかし、つぐみの周りに肯定してくれる存在はもういなくて、自己形成の大事な時期に、自信が全くつけられなかったんだなと。そして、小雨田流のしつけでは、否定され続けることで自分の過小評価も加速する。余計なことも考えてはならないため、自発的に考えることも常に封じられていた。演じる上では、そういった彼女の環境から行動を理解するようにしました。

──やはりつぐみを語る上で小雨田は欠かせないですね。

高橋:そうですね。でも、小雨田さんのことは第6話まで見ていただければきっと好きになってもらえると思うんです。今見ていらっしゃる方の小雨田株はすごく下がっているところだと思うんですけど、私としては最終的に「しょうがない人だな」「可哀想な人だな」と。

──最後まで見届けてほしいですね。

高橋:はい。私は(小雨田のことが)好きです!

(C)大高忍・講談社/「オリエント」製作委員会
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