冬アニメ『進撃の巨人 The Final Season』・「イェーガー派」ってなに? エレン、ジーク、イェレナ、104期兵士メンバー、キヨミ・アズマビト…始祖の巨人の地鳴らしに求める考え方と戦闘目的の違いについて
現在放送中のTVアニメ『進撃の巨人 The Final Season』Part 2ではついにエレンとジークが接触し、始祖ユミルのいる世界まで辿り着くことができました。果たして、エレンが何を思い今後どう行動するのかと気になっている方も多いことでしょう。
アニメ内では各キャラクターの立場や過去の出来事から現在の思考となり戦っています。そして思惑もどんどん細分化されて少しややこしくなってきました。
というわけで、本記事ではジーク、エレン、イェレナ、104期兵士、キヨミの考えを解説します。これを見れば各々の正義の形が違うことや私欲、大義などがわかり、よりアニメを楽しむことができるはずです! 戦争をする目的、現在の思想となった過去の出来事、今後の変化など細かく分けてお伝えします。
目次
ジーク
襲撃目的
エレンとの接触:王家の血を引くジークの目的は始祖の巨人を持つエレンへの接触が目的でした。ジークは始祖ユミルに命ずるため、エレンを始祖ユミルの世界へと導く鍵だと考えていたようです。
安楽死計画の実現:マーレ軍にいた理由は「ユミルの民の安楽死計画」を実現させるためです。始祖の巨人の力があれば体の構造を変えることができるため、子孫を作れなくしようとしています。
現在の思想となったジークの生い立ち(The Final Season 第74話)
ジークはグリシャ(エレンの父)とダイナ(王家の血筋)のマーレの収容区に生まれたエルディア人です。エルディアの復権を目標にしている両親からマーレの歴史の誤りを叩き込まれる日々を送っていました。
特別な力がある(王家の血筋を引いているから)と両親から信じられユミルの民を救うため、ジークはマーレ戦士候補生となりますが…常に最下位の成績。教官にも叱られても戦士として生きなければならない、逃げられない人生に疲れていたときに出会ったのがクサヴァーでした。
獣の巨人であり巨人研究の学者のクサヴァーだけがジークにとっては唯一の話相手です。ジークはクサヴァーとキャッチボールしながら相談をしているうちに仲良くなります。
そんなある日、ジークは両親のいるエルディアの復権の存在がマーレ当局にバレてしまったことを偶然雑用中に聞いてしまいます。ジークは両親に忠告するも聞く耳を持ってもらえず…困ったジークは両親の話をクサヴァーにします。
するとクサヴァーはジーク自身で両親のエルディアの復権活動をマーレ当局に告発しなさいと言います。ジークは戸惑いながらも両親がエルディアの復権であるとマーレ当局に密告。この密告を通しジークのマーレへの忠誠心は認められ、獣の巨人の次期継承者へとなりました。
成長したジークと継承時期が迫ったクサヴァーがいつも通りキャッチボールをしていると、2人はあることに気がついてしまいます。それは「始祖の巨人の体の構造を変える能力を使えば、ユミルの民は子どもが出来なくなる体へと変化させられる」ということ。
ユミルの民に生まれたことにより心傷つき苦しんできたジークとクサヴァーの2人にとって安楽死計画は名案であり希望の出来事でした。ジークは獣の巨人を継承し安楽死計画を実現させることをクサヴァーに誓いました。
エレンへの思いと今後の変化
ジークは幼少期にグリシャ(エレンの父)から戦士候補生として生きる道だけを与えられてきました。そのためジークはエレンも同じように育てられた哀れな弟だと思い、助けてあげたいと考えています。
しかしエレンの反応から見て、ジークはエレンを絶対的に信用してはいません。ジークの安楽死計画を行うための行動はこれからも変化することはないです。
イェレナと反マーレ派義勇兵
イェレナ率いる反マーレ派義勇兵の襲撃目的
エレディア人の解放:マーレに侵略され滅びた小国出身の義勇兵たち。戦士として徴用中ですが、マーレに抗うためエレディア人の解放を望んでいます。
イェレナのみ襲撃目的
ジークへの賞賛:イェレナはジークを「神です」と賞賛し、ジークの安楽死計画の全貌を知り尽力しています。
世界を救う英雄になる:実は義勇兵にも隠していますが、イェレナはマーレ出身のごく一般的なマーレ人。マーレに失望しており、人類史に刻まれる世界を救った英雄になるためにジークの安楽死計画を手伝っています。
現在の思想となった過去の出来事
戦争でマーレによって国を失った義勇兵たちは故郷の人を助けるためにマーレに逆らい、エルディア人を助けてしていました。この考えはオニャンコポンなどの義勇兵たちのみです。
イェレナはマーレに絶望していました。その頃からイェレナは出会ったジークの考えを知り、安楽死計画を手助けすることでヒロインとなり人類史に名を残したいと考えています。
エレンへの思いと今後の変化
王家の血を引くジークと始祖の巨人のエレンが接触したときどうなるかということにイェレナは興味があります。
フロック率いるイエーガー派たちにイェレナやオニャンコポンなどの義勇兵も捕まりました。エレンを欺いた制裁を受け殺されそうになりますが、車力の巨人に思わぬ形で救済されます。そして104期兵士、マーレ戦士、ハンジと話し合いになり…
104期兵士(アルミン、ミカサ、ジャン、コニー)
マーレへの襲撃目的
エレンを助ける:マーレに戦争しに行ったのはいなくなったエレンを救出するためでした。しかしレベリオ区の惨状を見てミカサとアルミンは幼少期の巨人襲撃と重なり心を痛めます。
地鳴らし止める:エレンは始祖の巨人の力を使って壁に埋まっている巨人を歩かせ、大地を平にする「地鳴らし」を実行しようとしています。しかしハンジ率いる104期メンバーは地鳴らしを阻止したいと思っています。
現在の思想となった過去の出来事
エレンがジークの安楽死計画に本心で賛同しているのかがわからなくなってしまった104期兵士たち。マーレに潜入調査をした際に何も言わずいなくなり、マーレレベリオ区襲撃時に手紙のみで応戦を頼むなど…エレンが何を考えているのか皆わからなくなってしまいました。
さらに調査兵団入団時の「食い殺されたくないから巨人と戦う」のが戦闘目的でなくなってしまった現状への戸惑いもあります。
エレンへの思いと今後の変化
エレンに不信感を抱いていても、104期兵士はエレンに死んで欲しくないと思うのでした。エレンの真意を確かめたい思いを胸に、話し合いをし地鳴らしを止めに行こうと決断します。
キヨミ・アズマビト
パラディ島への援助目的
立体機動装置に使われている特殊な燃料、「氷爆石(ひょうばくせき)」があることをキヨミはジークから聞いていました。氷爆石の埋蔵量を調査したわけではないですが、キヨミはパラディ島の地下資源を狙っており、独占したいと考えています。
現在の思想となった過去の出来事
約100年はエルディア帝国と同盟国であったヒィズル国。しかしヒィズル国は巨人大戦の敗戦国となってしまったため、将軍家はパラディ島に取り残されてしまいました。将軍家の末裔がミカサの血筋です。
ちなみにパラディ島への援助作戦はヒィズル国の命ではなく、キヨミの独断で交渉し決行しています。そのため他国を出し抜く地鳴らしの力がないとアズマビト家は負債を抱えて消えるしかない状況で、キヨミは大きな賭けに出ているのです。
ミカサへの思い
キヨミは調査兵団と初めて出会った際に3つ刀が組み合わさりA字になった家紋をミカサに見せました。その家紋はミカサが母より受け継いだ一族のマークでした。キヨミは100年以上家紋が受け継がれていたことに驚きつつ喜びを感じます。さらに「一国の主の末裔 ヒィズル国の希望です」と名誉ある言葉をミカサにかけました。
その後キヨミは地下資源の話をしたため、ミカサはだしに使われただけなのではないかと思ってしまいます。しかしキヨミは一族の誇りを失ったわけではない、「あなた様だけはお守り致します」と真剣な表情で伝えるのでした。
今後の変化
地鳴らしが始まり、止まらない大殺戮を目の前にしたキヨミは船で後悔します。アズマビト家の利益と家名を守るために損得を優先し、他者を尊ぶ気持ちをなくしていたことに悔いるキヨミ。
そこへファルコが飛べる鳥型の顎の巨人になれるかもしれないという提案をしてきます。船が壊れて沈没してしまいますが、これ以上の後悔を増やしたくないと平和を求めキヨミはファルコの巨人化を許可します。
※以下より重大なネタバレがあるためご覧になる方はご注意を!
エレン(イェーガー派)※ネタバレ情報あり
襲撃目的
ユミルの民から巨人化の能力を失くすため:全て最初からこのためにエレンは地鳴らしを起こし殺戮者となったのです。しかし、この選択の重要な鍵を握るのはミカサで…
過去の出来事(コミックス34巻最終話)
実はエレンはアルミンやミカサなどに地鳴らしの話をたびたびしていました。しかし始祖の巨人の力でエレンは皆の記憶を消してしまいます。そのため皆エレンと話した内容ごと忘れていましたが、ミカサがエレンの首を切った後記憶が戻ります。
エレンはアルミンと地鳴らしや戦争、始祖ユミルの全てを話し、ミカサへの恋心も包み隠さず話していました。進撃の巨人を持つエレンがどうしても成し遂げたかったことが「ユミルの民から巨人化の能力を失くす」ことだったのです。そしてエレンのシナリオでアルミンやミカサに地鳴らしを止めさせることで人類の恩人にすべく、2人を突き放すような言葉をエレンは言っていたのでした。
ちなみに地鳴らしの計画とジークを欺くことはフロック率いるイエーガー派には伝えていました。
思惑通りにいかない残酷な世界の行く末は…??
いよいよ本題である始祖ユミルに接触できたエレン。そしてエルディア人であることに苦しみ続けたジークの1筋の光・安楽死計画は…?
キャラクターたちはそれぞれの過去を背負い、正義を探して戦い続けます。これからはそれぞれ思惑通りにいかず足掻く皆の姿に注目です。
最善はなにかを探し悔いなき選択を信じて進むしかない、残酷な世界の行く末は見逃せません!
【文/杉村美奈】