声優・アーティスト・水瀬いのりさん「Inori Minase LIVE TOUR HELLO HORIZON」Blu-ray発売記念インタビュー｜セットリストや衣装、ライブアレンジなどこだわり満載！　光の演出にも注目

想いが溢れた曲は「Starlight Museum」。ライブならではのアレンジもぜひBlu-rayで

――先程お話があった「クリスタライズ」もライブアレンジでしたが、ほかにもライブで印象がガラッと変わる曲がありました。

水瀬：「TRUST IN ETERNITY」は、もう立派な高所曲ですね（笑）。高いところに昇っていくので、CD音源の尺だとリフターが下がってくる時間がなく、ライブ用に音が足されたんです。そんな要望にも、あれだけのクオリティで応えてくださるバンドメンバーの凄さを感じました。

「三月の群青」のギターセッションもカッコよすぎでした。ギターのドラちゃん（沢頭たかし／Gt）とジッジーさん（植田浩二／Gt）は正反対のキャラクターで、ジッジーさんは飄々としているけど決めるところは決めるような堂々としたところがあるのに対し、ドラちゃんは少しシャイなタイプだと思っていて。ドラちゃんにしかない雰囲気があって、それが唯一無二のものなんですよね。そんな2人の熱さとクールさが混ざりあったギターバトルは、ぜひ何度も繰り返して見てほしいです！

――「Sweet Melody」も良かったです。

水瀬：イントロをピアノのオバちゃん（小畑貴裕/Pf）が作ってくれて、アカペラっぽく始まるのですが、ピアノと声でセッションするのは初めての試みでした。これはバンマスのミッチーさん（島本道太郎／Ba）の提案でリハ中に決まったことなんです。

私も「素敵だと思います！」と、その提案を受けて一生懸命練習したのですが、オバちゃんが、「呼吸やテンポがいかようでも、いのりちゃんについていくよ」と言ってくれたので、これもメンバーとの信頼関係があるからこそできた曲だなぁ、と思います。

――その他に、本人的なハイライトというとどこになりますか？

水瀬：「Starlight Museum」を歌ったときは、ライブ中に意識が飛びそうになったというか、ふわ～っとなって、自分の中の冷静さを保つことができなくなった瞬間でした。

この曲はデビュー5周年当日に「5周年続けられたよ！」という意味も込めてリリースした曲なのですが、有観客で歌うことがずっとできていなかった曲なので、いろんな想いが溢れてきてしまって。ここまで頑張ってきた自分が愛おしく思えてきたし、その中で出会えたたくさんの人たちに背中を押されてここまで来られたんだなと思って、心が揺さぶられました。この5年がこの先へも繋がっている……そんな1曲だと思っています。

――今回のツアーでの思い出は何かありますか？

水瀬：福岡にはソロの公演としては初めて行ったのですが、唯一の泊まりで、少しゆったりとした時間を過ごせました。港付近の別の会場で、L'Arc～en～Cielさんが公演をされていたのですが、そのファンの方々と我々の町の方たちが、同じ港でグッズを見たりしていて、不思議な雰囲気がありました（笑）。ロックなカラーと“いのりまち！”って感じが同じ空間にあることが新鮮で素敵だなぁって思っていました。

――地方公演ではドラムを叩いたりしていたそうですね。

水瀬：何の流れだったかな、私がトリオタムをやっていたみたいな話をして、フッフーさん（藤原佑介／Dr）に「叩いてみなよ」と言われたんです。お客さんに背中を向けてしっかりと叩いたのですが、あれは謎の名場面でした（笑）。

地方公演はゆるさもありつつ、ご当地感もあり、なかなか会えない方々と交流するという意味で、すごくアットホームな雰囲気だったと思います。そういう公演を経ての集大成が横浜アリーナなので、各地の思い出を集めながらファイナルを迎えた感じでした。

――その他に、Blu-rayにはメイキングやショートムービー、フォトブックが付くそうですね。メイキングは見ていて毎回楽しいです。

水瀬：フォトブックは素敵な演出を写真に収めたものなので、このライブの思い出が詰まったものになっていると思います。幕間のショートムービーは、映像を皆さんのペンライトで選択していくスタイルだったので、横浜アリーナで選ばれなかった映像も合わせて楽しんでもらえると思います。

メイキングはいつも自分では見ないので、どこを撮られているか分からないんですよ。人のメイキングを見るのは大好きですが、自分のメイキングって自分がただただ自然体でいるところを見ることになるので、結構地獄だと思っていて（笑）。

きっとバンドメンバーとの交流や本番へ向かう真剣な眼差し、そして「アーティスト・水瀬いのり」のカッコいいところが入っていると思うので、楽しんでいただけたら嬉しいです。

あと、これは収録されているか分からないですが、ツアー初日前のゲネプロを、本番とは違う会場を借りて行ったんです。そういった形式は初めてだったのですが、初日の公演にものすごく役立ったので、貸してくださった会場を含めて今回のツアーだったと思います。この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。