冬アニメ『東京24区』斉藤壮馬(クナイ役)インタビュー|自分は一番にはなれない、天才ではないことに対する絶望には深く共感【連載 第7回】
自分は一番にはなれない、天才ではないことに対する絶望には深く共感しました
――斉藤さん自身は、クナイの魅力はどこだと感じていますか?
斉藤:彼は彼なりのやり方で、世界を変え、自分の居場所を確保しようとしていた人だと思います。また、親友として大切に思っていながらも、どんどん成長し先へ進んでしまうランの存在も、クナイの心を複雑に掻き乱してしまったのかもしれませんね。
なにか1つでも違う選択があったならば、ぜんぜん違う道を歩んでいた気がします。そういった、運命に抗おうとしたが大きな流れに飲み込まれてしまった、悲劇的な点が魅力的だと思います。
――クナイを演じる上では、どのような役作りをして臨んだのでしょうか? また、実際に演じた際に意識したことや、印象的なディレクションがありましたらお聞かせください。
斉藤:第1話の段階ではクールで寡黙、実務的な能力の高い人なのかと思っていたのですが、第5話、第6話のシナリオをいただいて印象が変わりました。彼の魅力については他の質問でも語っているので割愛しますが、淡々とした物言いの中にも微妙な感情の揺らぎを感じていただけるよう意識しました。
特に第5話は、感情のつながりよりも、情緒が不安定で狂気じみた部分を、無理やり論理に落とし込んで解釈しようとせず、台本に忠実にアプローチしてみました。
――クナイは、天才アーティストであるランに複雑な思いを抱き、ドラッグDのことで苦しみ、「アーティストの才能がないオレは、犯罪者になる」と行動を起こしてしまいます。そのような思考については、共感できるところもありますか?
斉藤:そう問われるならば、答えとしては「まったく共感できない」になりますね……(笑)。ただ、それは「犯罪者になる」という部分についてであって、自分はどうあがいても一番にはなれない、天才ではないことに対する絶望という点には、深く共感しました。
クナイは初めから危険思想を持っていたわけではなくて、ほんのすこし歯車がずれてしまっただけですよね。彼の苦しみに、自分なりに寄り添えていたらいいなと思います。
――では、ご自身が演じている以外で、好きなキャラクターや共感できるキャラクターは誰でしょうか?
斉藤:どのキャラクターも魅力的なのですが、それこそランに惹かれます。理由もわりとクナイに通ずる部分があると思っているのですが、ランが自分にないものを持っていて、輝いているように見えるから。どこか人を食ったような雰囲気でありながら、クナイや街のために本気で怒り、悲しめるランの心が、とても素敵だなと思います。
――第6話のラストで、犯罪・災害総合予防のための「KANAEシステム」が発表されました。将来、「KANAEシステム」が実現可能になったとしたら、斉藤さんはそれを望みますか?
斉藤:どうでしょう、当然それによって守られる命・救われる命もあるわけですから、あり/なしのどちらかに振り切って考えるのは難しそうです。
ぼくは個人的な理想として、歳を重ねたらアナログな生活をしていきたいと思っているので、そこまで望まないかもしれません。けれど、家族や友人のことを考えると、やはり安全に、無事に暮らしてほしいと思ってしまいますから……やっぱり難しいですね。
――もし、ご自身が東京に「24区」を作るとしたら、どのような区にしたいですか?
斉藤:先程も言いましたが、アナログな生活に憧れているので、必要最低限のインフラのみ電気が使えて、あとは極力テクノロジーに頼らない生活を望む人のための区、というのはいいかもしれません。
でもきっと、今の便利な生活に慣れきっているから、色々と不便に思ってしまうかもしれません(笑)。逆に思い切り最先端のテクノロジーを駆使した区であっても面白そうですね。
連載バックナンバー
画像をクリックすると、関連記事にとびます。TVアニメ「東京24区」作品概要
【イントロダクション】
東京湾に浮かぶ人工島「極東法令外特別地区」――通称“24区”。
そこで生まれ育ったシュウタ、ラン、コウキは、家柄も趣味も性格も違うが、いつもつるんでいる幼馴染だった。しかし彼らの関係は、とある事件をきっかけに大きく変わってしまう。
事件の一周年追悼ミサで、偶然再会を果たした3人の電話が突如一斉に鳴る。それは死んだはずの仲間からの着信で、彼らに“未来の選択”を迫るものであった。3人は、自分の信じるやり方で、愛する24区(マチ)と人々の未来を守ろうとするが―――
脚本にアニメ初挑戦の下倉バイオ(ニトロプラス)を迎え、キャラクター原案は多くの女性から人気を集めるFiFSが担当。「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-」、「ダーリン・イン・ザ・フランキス」などハイクオリティな作品を手掛けてきたCloverWorksと、「ジョジョの奇妙な冒険」のシリーズ監督を務める津田尚克が初タッグを組んだオリジナルTVアニメーションが誕生!
【放送情報】
TOKYO MX・とちぎテレビ・群馬テレビ・BS11にて2022年1月5日(水)24:00~ 初回1時間スペシャル放送
TOKYO MX:1月5日(水)より毎週水曜 24:30~ ※初回1時間SPは24:00~
とちぎテレビ:1月5日(水)より毎週水曜 24:30~ ※初回1時間SPは24:00~
群馬テレビ:1月5日(水)より毎週水曜 24:30~ ※初回1時間SPは24:00~
BS11:1月5日(水)より毎週水曜 24:30~ ※初回1時間SPは24:00~
ABCテレビ:1月5日(水)より毎週水曜 26:14~ ※初回1時間SP
メ~テレ:1月5日(水)より毎週水曜 26:11~ ※初回1時間SP
【配信情報】
ABEMA:2022年1月5日(水)24:00~
※初回1時間スペシャル
※第2話より毎週水曜24:30~
dアニメストア:2022年1月8日(土)12:00~
dアニメストア ニコニコ支店:2022年1月8日(土)12:00~
dアニメストア for Prime Video:2022年1月8日(土)12:00~
ニコニコチャンネル:2022年1月8日(土)12:00~
GYAO!:2022年1月8日(土)12:00~
バンダイチャンネル:2022年1月8日(土)12:00~
Hulu:2022年1月8日(土)12:00~
J:COMオンデマンド:2022年1月8日(土)12:00~
TELASA:2022年1月8日(土)12:00~
milplus:2022年1月8日(土)12:00~
ひかりTV:2022年1月8日(土)12:00~
FOD:2022年1月8日(土)12:00~
U-NEXT:2022年1月8日(土)12:00~
アニメ放題:2022年1月8日(土)12:00~
Amazon Prime Video:2022年1月8日(土)12:00~
TVer:2022年1月8日(土)12:00~
ニコニコ生放送:2022年1月8日(土)23:30~
【STAFF】
原作:Team 24
監督:津田尚克
ストーリー構成・脚本:下倉バイオ(ニトロプラス)
キャラクター原案:FiFS(曽我部修司・ののかなこ)
キャラクターデザイン:岸田隆宏
総作画監督:髙田 晃・伊藤公規・まじろ
副監督:髙橋英俊
プロップデザイン:髙田 晃
グラフィティデザイン:河原秀樹、添野 恵
美術設定:塩澤良憲
美術監督:春日美波
色彩設計:中島和子
2Dデザイン:久保田彩
特殊効果:清水彩香
CGディレクター:宮地克明
撮影監督:佐久間悠也
編集:三嶋章紀
音響監督:岩浪美和
音楽:深澤秀行
制作:CloverWorks
【CAST】
蒼生シュウタ:榎木淳弥
朱城ラン:内田雄馬
翠堂コウキ:石川界人
翠堂アスミ:石見舞菜香
櫻木まり:牧野由依
きなこ:兎丸七海
黒葛川早紀子:生天目仁美
翠堂豪理:楠 大典
翠堂香苗:大原さやか
クナイ:斉藤壮馬
ヤマモリ:伊丸岡 篤
ラッキー:喜多村英梨
白樺広樹:上田燿司
白樺 梢:日高里菜
筑紫 渉:中村悠一
宍戸花奈:花守ゆみり
進藤 薫:江頭宏哉