冬アニメ『東京24区』斉藤壮馬(クナイ役)インタビュー|自分は一番にはなれない、天才ではないことに対する絶望には深く共感【連載 第7回】
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東京湾に浮かぶ人工島「極東法令外特別地区」――通称“24区”を舞台に、蒼生シュウタ、朱城ラン、翠堂コウキ、まとめて“RGB”と呼ばれる3人を中心とした物語が描かれる本作。死んだはずのアスミからの電話や3人が見た映像、超人的な能力、突きつけられる“未来の選択”とは一体……? 第5話、第6話ではランがリーダーを務めるアーティスト集団「DoRed」の創設メンバーであり、ランの右腕でもあるクナイが事件を引き起こし、その結末は衝撃的なものとなりました。
そんな注目の『東京24区』について、アニメイトタイムズでは毎週スタッフやキャストにインタビューを実施。第7回は、クナイを演じた斉藤壮馬さんのメールインタビューをお届けします。
クナイ役に決まった際に想像していたことの、はるか上を行かれました
――設定も奥深く衝撃的な展開が続く本作ですが、作品の内容を知り、台本を読んだ時はどう感じましたか?
クナイ役・斉藤壮馬さん(以下、斉藤):そもそも別キャラクターでオーディションを受けさせていただいたのですが、そのとき貰った資料の段階で、壮大かつ緻密な設定に圧倒されました。青春あり、サスペンスあり、政治・思想的闘争あり、アクションありという、幅広い観点で楽しめそうな作品だなと直感的に思ったのを覚えています。キャラクターの数も非常に多く、誰と誰がどう関わるのか想像するだけでも楽しいなと感じました。
――第5話、第6話ではクナイの葛藤や苦悩、それによって引き起こされた事件が描かれました。第5話、第6話の感想をお聞かせください。
斉藤:クナイ役に決まった際、半分くらい出番がありますと伺っていて、作風と照らし合わせて「きっとなにかがあるに違いない」と予想していたのですが……見事にはるか上を行かれたな、というのが率直な感想です。
彼の起こしたこと自体については観てくださった方それぞれの感じ方があるでしょうが、ぼく個人としては、クナイの葛藤や苦悩にはとても共感します。そして、このエピソードがランにとっても大きな転換点の1つであることは間違いないので、今後の展開が非常に気になります。
――その中で印象的だったシーン、セリフを挙げるならどこでしょうか?
斉藤:一言選ぶならば、やはりランに向けて言った「お前はアーティストなんだよ、ラン」というセリフです。その一言に、ランとクナイの歩んできた時間や、どうしようもなくすれ違ってしまった思いを感じて、台本を読んだときから引き込まれました。ドラッグDを使用したシーンでは、完全に情緒が破綻している表現が求められたので、難しくもありましたが刺激的な収録でした。
――ヒーリング音楽のために作ったDiVAや、そこから生み出されたドラッグDについては率直にどう思いましたか?
斉藤:発想としてとてもユニークだし、DiVAほどの性能ではなくとも、近しいサービスはすでにありそうですよね。そもそも音楽を聴く際に、そのときの気分に合わせて選ばれる方も多いのではないでしょうか。でも、ドラッグDのように、一歩間違えればとんでもないことになってしまう、危険性と革新性の両方を内包した存在だと思いました。
――第7話以降で注目して欲しいポイントや気になるキャラクター、展開など、見どころはどこでしょうか?
斉藤:クナイはシナリオの展開上あのようなことになりましたので、実はぼくもこの先の展開をまったく知らないんです……(笑)。ですので、ここからはいち視聴者として皆さまと一緒に楽しんでゆけたらと思っております。主人公チームのキャスト陣から少しだけヒントをもらっているので、それを元にあれこれ考察しながら放送を追っていきたいです。