それぞれ違う“ハガレン”が2週連続で楽しめる！　BS12で放送される『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』『鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星』の見どころを紹介！

2001年7月12日に月刊「少年ガンガン」にて連載がスタートし、2021年に20周年を迎えた『鋼の錬金術師』（通称：ハガレン）。

このたび、『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』（2005年公開）と『鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星』（2011年公開）が全国無料放送のBS12トゥエルビ「日曜アニメ劇場」で3月6日（日）と13日（日）に2週連続で放送されます。

そこで、アニメイトタイムズでは、劇場版2作品の見どころを紹介。それぞれ違う要素が詰まっている作品になっていますので、まだご覧になっていない方はもちろん、見たことがある方もこの機会にぜひ見直してみてはいかがでしょうか。

20年を経た今でも熱い『鋼の錬金術師』

最初に、『鋼の錬金術師』について軽く紹介しましょう。

舞台は、最先端の科学・錬金術が存在している世界。この錬金術で最大の禁忌とされている「人体錬成」を、母親に会いたい想いで錬成し失敗してしまったエドワードとアルフォンスの兄弟。この禁忌を侵したことで、兄のエドワードは右腕と左足を、弟のアルフォンスは体を失ってしまいます。

それぞれ失ったものを取り戻すために、“賢者の石”を探す旅に出ることに。旅中でいろいろな人と出会いながら、兄弟は錬金術がもたらす数多の悲劇を目にし、“賢者の石”の真実に近づきます。

錬金術や機械鎧（オートメイル）という独特な世界観、アメストリス国軍のメンバーや錬金術によって生み出された人造人間のホムンクルスなど、人の想いや苦しみなどキャラクターたちの“生き様”が本作の最大の魅力です。

連載から20周年を迎えた今でも、キャラクターたちのセリフは胸に響くものがあり、彼ら彼女らの生き様から学ぶことはたくさんあります。

そんな作品の劇場版2作はどのような内容になっているのか、一緒に見ていきましょう！

大人向けの『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』

3月6日に放送される『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』は、TVアニメ『鋼の錬金術師』のシリーズ完結編。TVアニメ最終話ではエルリック兄弟が2つの世界に引き裂かれてしまいましたが、その後の様子がこの劇場版で描かれています。

元の少年の姿に戻った弟・アルフォンスは14歳になり、修行を積み重ねながら兄と再会するための手段を探し求めていました。

一方、パラレルワールドのドイツ・ミュンヘンへ飛ばされてしまった兄のエドワードも元の世界に戻る方法を探し続けますが……動乱の最中にあるミュンヘンでは理想郷“シャンバラ”を求める者たちが暗躍し、なかなか思うようにいきません。

果たして、エルリック兄弟は無事に再会することができるのか……そこが本作の大筋となっています。

エドワードが飛ばされた世界ではアルフォンスにそっくりな人物がいたり（ちなみに、その人物の声を担当しているのは俳優の小栗旬さん）、同じ顔をしているのにまったく違う人物だったりと“パラレルワールド”ならではの展開もおもしろ要素の1つ。また、もとの世界では普通に使えた錬金術も、飛ばされた世界では使えなくなってしまいます。

科学技術に頼るしかない世界で生きている人たちが、エドワードがいた世界＝理想郷“シャンバラ”の存在を知り、その世界とつなぐ扉を開けようと試みます。

扉を開けたらアルフォンスと会える……けれども戦争の火種が飛んでしまうことを危惧するエドワード。最初は、元の世界へ戻ることだけを目指していましたが、パラレルワールドで生きている人たちにもそれぞれの“人生”があり“個”があるのだと考え直すようになるんです。

“戦争”が大筋の中に組み込まれているからこそ、ハガレンシリーズの中でも、この『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』はダーク要素が強く出ているように感じます。

ですが、大人になって改めて見直してみると、そのダーク要素が良い味になっており、考えさせられるストーリーだなと新たな魅力を感じました。キャラクターのアイデンティティは変わらずに、“もうひとつのハガレン”を楽しむ感覚で堪能できると思います。

個人的に、本作で注目してほしいシーンはグラトニーVSラースの戦闘シーン。ここの作画は本当に素晴らしいので、ハガレンファンは必見です。終盤あたりのウィンリィとエドワードの会話も見どころの1つ。この2人のやり取りは、この世界線だからこそなり得る会話だと感じます。ハガレンの女性陣は、みんな自分をしっかりと持っていて強くて魅力的なんですよね。

女性といえば、本作のヒロインであるノーア（CV：沢井美優）。水島精二監督が「（ヒロインが）背負ってるものに映画として伝えたいことを凝縮させている」とおっしゃっているように、メッセージ性が強いヒロイン像になっているので、こちらも注目していただきたい……！

そのほか、ロイ・マスタングやリザ・ホークアイ、ジャン・ハボック、アレックス・ルイ・アームストロングらも活躍するので、映画だけでも十分に楽しめます。

そして、一度ご覧になった方は印象が強く残っているであろうオープニングとエンディングも外せませんよね。どちらもL’Arc〜en〜Cielが担当しており、テンションが上がる楽曲です。

特に、オープニングは楽曲と併せてスタイリッシュな映像になっているので、ぜひ放送でチェックしてみてください！