圧倒的歌唱力を誇る上野駅・飴屋 楊と鶯谷駅・根岸 優歌のユニット! 『STATION IDOL LATCH!』笠間 淳さん・寺島惇太さんインタビュー|駅と街の歴史や特徴がそのままキャラクターに現れている面白さ
山手線各駅の駅員のキャラクターが業務時間を終えるとアイドルとして活躍するアイドルプロジェクト『STATION IDOL LATCH!』(ステーションアイドルラッチ)。
現在、オリジナルソングや各ユニットの日常が垣間見られるボイスドラマが収録されているCDシリーズが発売中です。
そして、2022年3月6日(日)にはグランドプリンスホテル新高輪・飛天にて全30駅30キャストが参加する「STATION IDOL LATCH! 1st LIVE “ALL aboard!!”」が開催されます。
アニメイトタイムズでは、LATCH!メンバーのボイスキャストにインタビューを実施中。今回は、笠間 淳さん(上野駅・飴屋 楊役)、寺島 惇太さん(鶯谷駅・根岸 優歌役)のお二人にお話を伺いました。
駅が好きになるきっかけに
――本作は「山手線全30駅」をテーマにしたアイドルプロジェクトですが、最初の印象をお聞かせください。
上野駅・飴屋 楊役/笠間 淳さん(以下、笠間):山手線はよく使っている路線ですし、駅ごとに根付いた人の想いや記憶がたくさんあると思うので、すごく大きなプロジェクトだと思いました。
僕は上野駅を担当させていただいておりますが、今後、上野駅にキャラクターたちの等身大パネルが置かれたり、いろいろなコラボが実施されたりするかもしれません。
そう思うと、上野駅を日頃から利用している方や駅員さんの方々にも親近感を持っていただけたら良いなと。より山手線という路線と駅が好きになるきっかけをいただいた感じがします。
鶯谷駅・根岸 優歌役/寺島 惇太さん(以下、寺島):僕は、まだそういうコンテンツがなかったんだと思ったのが第一印象でした。結構、駅は親和性があるように感じるので、鉄道や駅をモチーフにしたコンテンツはすでに存在していると思っていたんです。
今回このお話をいただいたとき、“そういえば、山手線をモチーフにした作品はなかったよね!”と。山手線となると駅数が決まっていますし、30駅は多すぎず少なすぎないちょうど良い数だなと思いました。
また、隣り合っている駅同士で関係性が生まれていますし、目の付け所が違うな!と感動しました。
笠間:駅や電車の擬人化ではなく、駅員でありアイドル活動をしている設定だからこそ、現実世界にももしかしたらいるかもしれないと親近感を覚えていただけると思います。もしかしたらその駅に行けば会えるかもしれない……!という気持ちが出てきては、駅を利用するのがさらに楽しくなるんじゃないかな。
――駅員という身近な存在だからこそですね! 上野駅に飴屋さんみたいな駅員さんがいたら、毎日通っちゃいそうです。
笠間:あはははは。大丈夫ですか!? 飴屋くんは割と怪しい感じですよ(笑)。
寺島:駅員さんらしかぬ雰囲気ですよね(笑)。
笠間:そうそう。暗闇の中からぬるっと現れる感じだよね(笑) 。
――ボイスドラマを聴かせていただきましたが、上野駅の飴屋さんと鶯谷駅の根岸くんの関係性がすごく面白かったです。
笠間:この2人の関係は面白いですよね!
寺島:結構、特殊な関係性かもしれないです。
――最初、それぞれのキャラクター設定を見て、どのような人物だと思われましたか?
笠間:鶯谷駅の根岸くんは、すごい濃いよね(笑)。
寺島:変なやつだなとは思いました(笑)。ツンデレでもすごいネガティブというわけでもなく、どこか自分を下げているようで周りをめちゃくちゃ下げているような不思議なキャラクターです。
「僕なんかが出来るんだから、みんなは出来て当然ですよね?」と煽っているけど、それを意識せずにやっている複雑な子なので、パッセンジャーの皆さんに受け入れてもらえるかな?と心配になりました(笑)。
あくまで彼は自分のことを全力で下げているだけなんだけど、歌がうまくて能力が高いから、周りからすると嫌味に聞こえてしまっている。ワザとらしく悪口になりすぎないように、悪口や嫌味を言っている意識が全くない彼を表現するのが難しかったです。
――飴屋さんと関わりがあるからこそ、彼の魅力が出ているような気がします。
寺島:そうなんです。飴屋さんがいてようやく、根岸くんの良さが出るというか。飴屋さんが、彼はこういうことでこういう言動をしているんだと解説してくれないと、本当に嫌なやつになっちゃう(笑)。
――笠間さんはいかがでしょう?
笠間:飴屋くんのプロフィールに好きなものは“人間”と書いてあるように、自分の周りにいる人間に悪いところはないと思っている人です。側からみると、マイナスなイメージやウィークポイントであったりするようなところも。完璧なものは美しくないと思っている。
彼は世の中に数多溢れている人間という芸術を見出して、それを表に出していくのが自分の使命だと思っているんじゃないかなと。そういう意味では僕も彼を演じるときに、ちょっとクサくなってしまうこともあります。審美的な美しいものを察知して、それを伝える役割に徹すると、彼の人間味がどんどんなくなっていくんです。
なので、割と歌い上げるようなセリフ回しを意識しました。ただ、瞬間的に、人間味を感じられる飴屋くんに戻るときもあるので、そういう切り替えがすごく面白くて、見ていないようで全てを見ているキャラクターだなと。
実際に、何を考えているのかわからないところもありますが、蓋を開けてみれば根岸くんと同じで、別に悪い風には思っていない。良いものは良い、悪いものは悪いとハッキリしているだけで、悪いものにも芸術は隠れているというスタンスでいます。
そういうところでのうまい塩梅のキャラ付けをするのは難しいところでもありましたし、ある意味、見せどころでもあるのかなと思いました。