音楽
東山奈央&安野希世乃のユニット 「ぽかぽかイオン」デビューシングルインタビュー

声優・歌手の東山奈央さんと安野希世乃のユニット 「ぽかぽかイオン」、デビューシングル「やじるし→」発売記念インタビュー

声優・歌手の東山奈央さんと安野希世乃さんが、季節限定ユニット「ぽかぽかイオン」を結成した。そして2022年3月2日に、記念すべきデビューシングル「やじるし→」をリリースしました。

本稿では、「ぽかぽかイオン」が公式デビューするまでの経緯や、デビューシングルに収録される全4曲についてお話を伺ってきた。東山さんと安野さんの、ぽかぽかした太陽とマイナスイオンを感じられるインタビューをお届けします!

「ぽかぽかイオン」が公式デビューするまで

――おふたりが「ぽかぽかイオン」を結成したきっかけをお聞かせください。

東山奈央さん(以下、東山):5年ほど前に出演させていただいたテレビ番組で、週替りパーソナリティーとして共演させていただきました。その番組内でお互いを褒め合う場面があって、私が「希世乃さんはマイナスイオンが降り注ぐ女神のようですね」と言ったら、「奈央ちゃんはぽかぽか太陽みたいだね」と返してくれたんです。そこから、「私たちはぽかぽかイオンだね!」と発言したのがきっかけです。

安野希世乃さん(以下、安野):そうなんです。だからユニット名だけが先行して、目立った活動はなにもしていませんでした。ただ、なにかのタイミングでふたりが揃ったら「ぽかぽかイオン」と自称していました。

――そのお二人が、5年を経てデビューしましたが、そのきっかけは?

東山:スタートは曖昧なんです(笑)。

安野:そうですね。気づいたときにはデビューが決まっていました。プロデューサーさんから、「ぽかぽかイオンというユニットで、フライングドッグからデビューすることになりました」というお知らせを受けたんです。

東山:だから「ここがスタートラインです」というタイミングがないんです。それまでも希世乃さんのソロの楽曲に私がコーラスで参加させていただいたことはありましたけど。

安野:そうね。そのご縁はあったのですが、その時はまだ水面下でもぽかイオ結成の話は全く上がっていませんでした。

東山:あのときも、それっきりになっちゃう可能性もあったし。でも、その後で『異世界食堂2』のOPとEDで私たちが担当させていただくことになって、「わ~、ぽかぽかイオンだね~」なんて私たちだけで盛り上がっていたら、「せっかくだから挿入歌もふたりでコラボしてみよっか? せっかくならユニットデビューしちゃおっか?」みたいになって。

安野:そうそう(笑)。なので、いきなり「ぽかぽかイオン」のデビューシングルでタイアップソングを歌わせていただけるなんて、私たちが一番ビックリしているんです。

――そんなヌルっとデビューできるものではないと思いますが(笑)。

安野:もしかしたら、どこかで投げた小石が影響を与えたのかなって思います。「echoes」(※)でどなたかにコーラスをお願いしようとしていたとき、音楽プロデューサーの福田正夫さんから「安野さんは自主的に“ぽかぽかイオン”というユニットを組んでますよね?」と言われたんです。奈央ちゃんは同じレーベルメイトであり、ソロデビューのちょっと先輩です。福田さんは「echoesのバディは東山さんが最適だと思うんですよ」と提案してくださったんです。

※安野希世乃3rdシングル「フェリチータ/echoes」収録の『ARIA The CREPUSCOLO』EDテーマ曲。

――お二人のファンも、最適だと思っていたはずです!

安野:とても嬉しかったので、「そうですね! ぜひお願いします」と、参加していただくことになったんです。それこそ、私の感覚では奈央ちゃんと二人で歌うので、安野のソロ曲じゃなくていいと言いました。「東山+安野」の曲にしてもいいって(笑)。でも、そのときはそうならなくて、その話し合いの中で「いつか、東山奈央+安野希世乃の連名で歌ったりステージに立てたら嬉しいです。これがきっかけになったら嬉しいです」とお伝えしたんです。

――そういう経緯があったのですね。

安野:それがバタフライエフェクトのように、どこかでプロデューサーさんの気持ちに風を吹かせていたんだったら嬉しいです……と、勝手に思っています(笑)。

東山:でも本当に、そういう希世乃さんの言葉があったからかもしれません。一方私も、なにかの折に触れては、「ねぇねぇ~、ぽかぽかイオンっていつ結成するんですか?」とおねだりしていたので(笑)、スタッフさんの心の片隅にはうっすら置いてくださっていたのかなと思います。そんなことがあって、ちょうど『異世界食堂2』でご縁に恵まれ、自然の流れに乗るままユニット結成に気持ちよくなだれ込んでいったのではないかと思っています。

安野:そうだね。「今しかない!」と思ってもらえたのかもね!

東山:ね!

――ぽかぽかイオンさんは、すでにお客さんの前で初ステージを披露しています。ぽかぽかイオンの記念日になりましたね。

東山:実は記念日はすでにあります。それは、ぽかぽかイオンのユニット結成を発表させていただいた2021年11月22日です。奇しくも「いい夫婦の日」だったので、私たち結ばれました!(笑)

安野:ほんとに!(笑) これから大きいものにしていくぞ~! 「1+1は無限大」ですからね。

東山:「1+1は無限大」っていい言葉だね。

――初ステージ(1月23日に開催された「リスアニLIVE2022」)の感想をお聞かせください。

東山:まだデビュー曲が発売される前なのに、みなさんに生バンドで、しかも日本武道館で聴いていただけたなんてすごいことです。

――サプライズとして出演だったのですね?

安野:参加リストに「ぽかぽかイオン」の名前は出ていなかったので間違いなくサプライズゲストです(笑)。

東山:そ、そうですね……(笑)。

安野:サプライズのはずだったのに。ステージに出た瞬間、みなさんが「あぁ、知ってた知ってた」みたいに迎えてくださいました(笑)。

東山:ほかの出演者さんはみんな個別の楽屋だったのに、私たちはふたり部屋でしたもんね。事前にそんな様子をSNSで発信していたので、勘の鋭いお客さんじゃなくても気づきます(笑)。

――でしたら、いきなりステージに姿を現しても、話は早いですね(笑)。

安野:1曲目に「やじるし→」を披露させていただきました。心地よい曲なのですが、実は単純なことをしているわけじゃないんです。掛け合いの歌なので、どちらかがもつれたりつまづいたら、そこから後に続けなくなってしまうんです。なのでプレッシャーはありました。

東山:えぇ~。ぜんぜん感じなかったよ。

安野:ほんと?

東山:リハーサルで合わせたときから、まるでCD音源みたいだ~!って、安心感があるなあと個人的に感じちゃってました。私は希世乃さんと相性がいいんだなと思いました。

――おふたりはソロ活動をされていますが、ソロとユニットでもっとも異なるところは?

安野:ひとことで言うと「心強い」です。ソロだとひとつの楽曲の世界観を、ひとりで歌として導かなければなりません。なので、ある意味では職人的になってくる側面もあります。歌手として対話する相手が楽器の演奏の音になりますからね。でも、ユニットだと対象が増えるので心強いんです。例えるならば、舞台上でギターを弾いていたとしたら、ソロギターじゃなくてツインギターのような感じです。

東山:なんでギターに例えたの……?(笑)

安野:ほんとだ! 私、なんでいまギターに例えたんだろう?(笑) でもそういうことで、自分のセクションを担当してくれる人がもうひとりいて、その人と一緒に心を合わせて美しいハーモニーを作りながら歌を表現できるところが違いますね。デュエットは、ソロと違う気持ちよさがあって。ふたりでしか出せない表現ができますね。

東山:うんうん!

安野:私、「ぽかぽかイオン」をすごく楽しみながら活動してるんです。レコーディングはふたり同時に収録できないので、先に録るときは「奈央ちゃんがどうやって歌ってくるかな?」と想像しながら収録します。反対に私が後に録るとき、奈央ちゃんの歌声を聴きながら、ウキウキして歌っています。

東山:ソロの歌手として、ひとりでやらせていただけることはたくさんありますが、ふたりだからこそできることもあります。特に相方が希世乃さんの場合は、できることはもっともっとたくさんあると思います。希世乃さんには「歌で引っ張ってもらえるな」と感じるんです。

安野:いやいやいやいやいや!

東山:希世乃さんの癒やしのオーラに引っ張られてリラックスできたり、希世乃さんがときどきやる、よくわからない行動に影響を受けたり……。

一同:(笑)

――「よくわからない行動」とはなんですか?

東山:先日、希世乃さんが自撮りしてたのを見ていたら、自分で自分だけを撮影しているのに、「はいっチーズ」って言うんですよ(笑)。そういう、相方のよくわからない珍行動を見て、ほっこりさせてもらってまいます。

安野:そっか。あれはおかしいのか!(笑)

東山:いったい誰向けの「はいチーズ」なのかな~って思ってたよ(笑)。

――安野さんはいつもそうなのですか?

安野:わかりません……。自覚がまったくないので!(笑)

東山:希世乃さんと一緒にいると、そういう幸せのシナジー効果があるんです。

安野:あんなもので笑ってもらえるなら、たくさん笑ってください。私は奈央ちゃんに笑顔でいてほしいから。

東山:あはははは。嬉しいっ! そんな感じで、ソロ活動のときの歌は「私とみなさんとの対話」になるんだけど、デュエットの場合は「私と希世乃さんとみなさんの対話」になるんです。だから自分の世界がより広くなるような感覚があります。ソロの活動も大事だけど、ユニット「ぽかぽかイオン」としての時間も、別軸で大切にしていきたいんです。生涯かけて大切にしていきたいユニットだと感じています。

安野:奈央ちゃんがそう言ってくれるのが、本当に嬉しいんです。奈央ちゃんはぽかぽかイオンについて、「長くやっていけそうだね。お婆ちゃんになっても、リタイアした後もやっていけそう」と話してくれたんです。あの言葉は、プロポーズを受けたと取れるくらい胸に残っています。もちろん、私の気持ちも同じです。

――本当に相性も雰囲気もぴったりのおふたりです。

東山:そうなんです!

安野:そう言ってもらえると嬉しいね! アーティスト写真が初めて公開されたとき、ファンのみなさんにも好評をたくさんいただけたのが印象的でした。かわいいよね~。

東山:自分たちで言っちゃうと変ですが、本当に神聖なので、私たちは「こたつの妖精」と名乗っています(笑)。

――おふたりの雰囲気は、芯があるのにふわっとしていて、相性の良さがファンに伝わっていると思います。世の中に嫌いなものがなにもないような感じも素晴らしいです。

東山:そんなことないです(笑)。

安野:奈央ちゃんは虫が嫌いです(笑)。

東山:MV撮影で虫が出てきたとき、希世乃さんが追い払ってくれました。

安野:あの撮影はいろいろと困難なシチュエーションでした(笑)。大自然なので、虫さんがあらゆる箇所に登場なさっていたんです。そんな虫さんを見るたびに、奈央ちゃんが女の子らしい反応をしていたのが胸キュンポイントでした!

東山:本当は希世乃さんも虫はダメなのに、隣で私がピーピー言ってるから、希世乃さんが「私が強くなるしかない!」って(笑)。

安野:あはははは!

東山:あの日のうちに虫を克服してくれて、「はい! もういなくなったよ」とか言ってくれたんです。男前でした。

――いい夫婦ですね。せっかくなので、安野さんが嫌いなものは?

安野:私、ビビリなのでリアルな心霊体験は嫌ですね。怖い話を読むのはすごく好きなんですけど。

東山:え!? 矛盾じゃないですか(笑)。

安野:そうなんだけどね。自分の身には降り掛かってほしくないの(笑)。

デビューシングル「やじるし→」がアニメ『スローループ』でタイアップ

――デビュー曲でいきなりタイアップです。アニメ『スローループ』のタイアップが決まったときの感想は?

東山:すごいことが起こっちゃった! と思いました。だって、私たちがなんとなく言い出したユニットなのに、こんなに大きなプロジェクトになっちゃったという、夢のような展開でした。

安野:「僕の宝物」の方は、『異世界食堂2』で二人がOPとEDで担当してたご縁があったので、第11話の挿入歌でOP歌手とED歌手が手をつないで歌わせていただきました。ですけど、『スローループ』のオープニングテーマとして「やじるし→」を使っていただけたのは、私たちとしては大きなことだなと受け取っていました。

――アニメ『スローループ』について伺います。この作品の好きなところは?

東山:きららアニメなのですが、かわいいだけに留まらず、新しい家族になっていく思春期の女の子同士という繊細なテーマを扱っています。それを我々視聴者はそのままそっくり感情移入していくのではく、少し離れた位置から彼女たちを見守るような、みんなで保護者のひとりになっている感覚で見られる作品だと感じました。心を動かされるシーンやセリフが多い印象です。

安野:そして楽曲の「やじるし→」の仕上がりも、アニメとぴったりでした。「一緒になろう」と歌っているんだけれども、押し付けがましくないんです。奈央ちゃんが言ってたように、見守りつつもそっと手を引いてくれるような印象に、楽曲のメッセージがあるなと感じています。私、奈央ちゃんの歌声はいままで「ビロードのよう」と形容してきたのですが、今回新しい言葉が見つかりました。

東山:おお、なんですか!

安野:奈央ちゃんの歌声は「パウダリー」なときもあるんです。

東山:powdery?

安野:そう! 歌声を形容する言葉ではないんだけど、アニメ『スローループ』の映像を見ていても「パウダリーな光の演出をしているな」と感じたんです。あえて白だったりグレーっぽい感じで、海辺の町の空を表現してるんです。光や空気が黄色くないんです。そういう港町の雰囲気を光で演出しているんだなと伝わってくる色彩設計の作品です。あの雰囲気が、奈央ちゃんの歌声ととてもマッチしているなと……勝手に思っているんです。

東山:希世乃さんはねぇ~。音の表現が独特!(笑)

安野:細かい粒子がパラパラパラ~みたいな感じ。伝わるかな~?(笑)

東山:powderyって、普通は化粧品のファンデーションとか、そういうものの表現に使う言葉ですよね(笑)。

ぽかぽかイオンのおふたりによるデビューシングル全楽曲紹介

――デビューシングルの楽曲紹介をお願いします。まず表題曲の「やじるし→」ですが、大自然で撮影されたMVも魅力的ですね。

安野:MVを撮影したロケーションは、気持ちの良い大自然の中だったのですが、歌詞の中にも自然を連想させる言葉が入っています。アニメ『スローループ』が題材にしている「釣り」と重なるなと思ってます。

――MVのロケーションは、いいところですね。

安野:富士山の近くです。ドーンと見えました。

東山:あまりにもいい景色だったので、この写真を使ってぽかぽかイオンの年賀状を作ることが急遽その場で決定したくらいです。しかも本当に天気がよくて、「私たちは地球に祝福されたね~」なんて話してました。

――撮影はいつごろですか?

安野:実は10月末だったので、けっこう寒かったです。

東山:めっちゃ寒かったです!(笑) でも、それを感じさせないくらい、爽やかな春の息吹を感じさせる映像になってます。曲としては私たちの声の重なりがとっても心地よいので、それを聴いていただけたら、歌でビタミンを摂取できるような曲になっていると思います。

安野:大自然の懐を感じられるような、奥行きがある曲です。楽器と心を少しずつ通わせながら、丁寧に歌わせていただきました。。

――2曲目の「僕の宝物」は、全形態に収録される曲で『異世界食堂2』の挿入歌ですね。

安野:この曲はふたりの声が重なっている瞬間を見せてくれるんだけど、「このふたりをユニットにしてよかった」と感じてくださる方がたくさんいるんじゃないかなと思える曲です。

東山:うん! 「気持ちいい」という言葉がぴったりな曲です。曲調は王道ポップスなのですが、私たちがメインメロディとハモを代わる代わるやっていて、どちらがメインボーカルをやってもハマっているというか、このふたりじゃなければいけない“ユニット力”を感じていただけると思います。

安野:それはリスアニLIVEのステージでも感じた! 見てくださった方には伝わっていると思いますが、CD音源だからきれいに重なってるのではないんです。私たちふたりだから引き出せてる調和を、ライブでも感じていただけたんじゃないかな。

東山:曲を聴いていただいて、みなさんの心にも爽やかな風が吹き抜けていったら嬉しいですよね。

――次はぽかぽか盤(限定版A)に収録されている「手紙の塔」です。

東山:この曲はデビューシングルでやることじゃない内容の曲ですね(笑)。

安野:確かにね!(笑) 「ぽかぽかイオンってこういう曲も歌えるんだ!?」と知ってもらうための、新境地開拓のための曲です。

東山:アカデミックなバラードです。

安野:私、この曲のハモり方も好き。単純じゃないんです。

東山:曲の1番と2番でハモリ方を変えているので、1曲全体を通して完成される構成になってるかなって思います。歌がすごく繊細な歌声になっていて、さらに歌詞を見ていただくと、どのようにも捉えられるんです。ひとつの正解を届けるのではなく、聴いてくださったみなさんに、それぞれの正解を見つけていただきたい歌です。なので、私たちは歌で“揺れ”のようなものを表現しています。アラサーユニットとして!

安野:うんうん!

東山:この年齢になって結成するユニットって、なかなかないと思うんです。ここまでの歩んできた私たちだからこそ歌える曲が「手紙の塔」なんじゃないかなって思います。こういうタイプの曲が、デビューシングルに収録されているってすごい……。

安野:確かに! 私が20代そこそこだったころ、この「手紙の塔」は歌えない!(笑) 奥深さや渋さと言っていいのかな? いまの年齢の私たちだから歌えるというのは、すごく納得がいくね。

東山:うんうん。深みがある焙煎した味みたいなものが、きっとこの曲には詰まっているんじゃないかと思います。

――最後にイオン盤(限定版B)に収録されている「まわりみち」です。

東山:この曲……ヤバいです……(笑)。

安野:まだお客さんの前で披露していない楽曲なのですが、レコーディングのときから、乗り遅れたら置いていかれる曲なんです!

東山:いわゆる“餅つきソング”的なやつです。

一同:(笑)

――“餅つきソング”ですか?

東山:ひとつのメロディーを、ふたりで交互に歌っている曲です。一般的なデュエットは、相手のフレーズに自分のフレーズを重ねるようなやり取りをして歌います。ですが、この曲に関しては「やりとり」じゃなくて、ひとつのメロディーをふたりで分割して歌っている感じです。文字だと伝わりにくいかもしれませんが。

安野:伝えるのは難しいね。この曲は心をひとつにするだけでなく、息まで合わせないと歌いこなせない難しさがあります。ライブでやるときのハードルはとてもとても高いので、いつか披露させていただくときは、たくさん練習しなきゃと思ってます。

東山:この曲を文字で表現するのは難しいのですが、聴いていただけたら一瞬で「なんかすごいことやってるな」と思っていただける曲だと思います。デュエット曲でなかなかこういう曲はないと思うので、難易度はぽかぽかイオンの中で最高難易度です。

安野:そうね。最高難易度なのは間違いない! もちろん、楽しい気持ちを膨らませて歌ったのでもしかしたら簡単に聴こえるかもしれないんですが、実は慎重に歌った難しい曲です。

東山:歌というよりも、おしゃべりをしているような曲かな? 会話って、相手が言い終わるのを待たずに入ってきたり、けっこうラフなキャッチボールをするじゃないですか。この曲はそのような感じです。

安野:会話と言えば、「まわりみち」は曲の最後に私たちのおしゃべりがくっついているのですが、会話の元になる原稿は先に収録した奈央ちゃんが考えてくれました!

東山:はい! ヘッドフォンじゃないと聴こえないかもしれないけど、「私たちだったらこんな会話するんだろうなぁ」というのが浮かんできたので、私がひとまず先にベースとなる原稿を作りました。

――その台本を見て、安野さんの感想は?

安野:すごいなと思いました! 文章を読んだだけで情景が浮かぶんです。奈央ちゃんの頭の中に、ぽかぽかイオンが存在しているんだなと感じられて、嬉しくて泣きそうになるくらいです。奈央ちゃんの頭の中に「私たちがいる!」ってわかるんです。

雰囲気ぴったりの東山さん安野さん。相方のココがすごい!

――おふたりが相方に感じる魅力を教えてください。

東山:いっぱいありますが、ひとことで言えば希世乃さんと一緒にいると刺激的なんです。こんなに癒やしのオーラがあって、見ている方向は同じ気がして居心地がいいのですが、たまに「はっ!」とさせられるときがあります。

――刺激的ですか?

東山:さっきの「powdery」の表現もそうなんですが、希世乃さんには世界がどのように見えているんだろうと思える瞬間がたくさんあります。例えば、人って見える色や、聞こえる音は決まっているじゃないですか。この周波数の音は聞こえるけど、ここから先は聞こえない、みたいな。でも、希世乃さんは普通の人が見えない色や音を感じているんじゃないかと思うくらい、すごい感性を持っています。

安野:そんなことないよ~(笑)。

東山:なので、居心地のいい相方でありながら、どんなに側にいてもまだまだ底が見えない、すごい世界を持っているというか。もっともっと知りたくなる方なんです。

安野:なんか……心臓バクバクしてきた!

――では安野さんが東山さんに感じることは?

安野:奈央ちゃんは思っていることを言葉で伝えるとき、常に最適な言葉を見つけてくるんです。しかも妥協がないんです。東山さんほど思っていることを洗練された言葉で伝えることに妥協がない人は、なかなかいないのではないかと思っています。相手に伝わる言葉で、しっかり伝えるのが上手なんです。これはたぶん、日々台本を読んだり演じる上で、“人に伝える・伝わる大切さ”を理解しているからだと思います。言語化するのが、とにかく上手です。私は洗練された言語能力を持っている人に憧れます。奈央ちゃんは100万人……いや、それ以上にひとりの存在ですね。

東山:なんじゃそりゃー!(照)

安野:ほんっとに! 奈央ちゃんのことが大好きです。人間性はもちろん、語る言葉が全部好きです。言葉を大事にしている相方ですね。

季節限定ユニットぽかぽかイオンが今後行ってみたい夢

――おふたりが「ぽかぽかイオン」として、今後行ってみたい活動はなんですか?

東山:やってみたいことはたくさんあるので、このふたりでやり尽くしてみたいと思っています。「ぽかぽかイオン」はぽかぽかした季節の限定ユニットなので、また来年って感じになると思います。

安野:そうだね~。今回の「やじるし→」が発売されて、リリース関連で落ち着いたら「また来年の春に会おうね」って感じになるのかな?

東山:まず、来年になったらやりたいこととしてはライブがしたい!

安野:したいね。もし来年、またシングルを出せたら早くも持ち歌が8曲くらいになるじゃない? ライブもできちゃいそうだね。

東山:その8曲に加えて私がやりたいのは、希世乃さんの楽曲をカバーしたい。そして、私の曲を希世乃さんに歌ってもらいたい。そういう、その日しか聞けないライブも、いいんじゃないかなって。

安野:ライブのカバーコーナーはいいね~。私は来年じゃなくて、いつかの夢……。

――いいですね。どんな夢ですか?

安野:フェスとまでは言わないけど、どこか自然を眺めながら歌える野外ステージでライブをしてみたいです。夏は暑いのでやめましょう!(笑) 新緑を見ながら、やっぱり春ですね。これが大きな夢です。

東山:いいね~。「ぽかイオFES」みたいにして、私たちが好きな屋台も出そうよ。

安野:さいこーっ! たこ焼き!

東山:奈央はイカの丸焼き!

安野:あとカフェラテも。

東山:カフェラテとイカの丸焼き……組み合わせ最悪(笑)。

一同:(笑)

安野:そして、みなさんはキャンプサイトでお泊り。

東山:実現できたら楽しそうだな~。夢です!

――最後にファンのみなさんへメッセージをお願いします。

東山:夢って叶うんだなと思えたのが「ぽかぽかイオン」です。ここにたどり着くためには、応援してくださるみなさんの声も大きかったと思います。私たちふたりが揃ったときに「ぽかぽかイオンだ~」と喜んでくれたお客さんがいてくれました。なので、そんなみなさんのために、私たちは心安らぐぽかぽかした時間を一緒に作っていきたいです。疲れたときに私たちの曲に触れていただけるような、そんな活動をしていきたいと思うので、これからもよろしくお願いします。

安野:ありがたいことに「ぽかぽかイオン」でデビューができて、しかも早くもタイアップまでいただけました。さらに、シングルには滑り出しからいろんなことにチャレンジさせていただけて、「ぽかぽかイオンのこたつ・パーティー!」(ぽかぽか盤特典DVD)とか、「ぽかぽかイオン・ラジオ(仮)」(イオン盤特典CD)とかやらせていただいています。奈央ちゃんとの活動は、やりたいことが後からむくむく湧いてくる感じがします。「ぽかぽかイオン」は、そう簡単に遊び尽くせないユニットだと感じています。音楽的にもふたりだからできることを考えて作ってくださっているので、これから先の活動に期待していただきたいです。どうぞ末永くよろしくお願いします。

[取材・文:佐藤ポン]

CD情報

価格:アニメイト限定ぽかぽかイオンセット……7,260円(税込)、ぽかぽか盤……2,970円(税込)、イオン盤……2,640円(税込)、アニメ通常盤……1,320円(税込)

≪収録内容≫
[ぽかぽか盤]
【CD】
01.やじるし→
作詞:岩里祐穂
作編曲:山下宏明
02.僕の宝物
作詞/作編曲:椿山日南子
03.手紙の塔
作詞:児玉雨子
作編曲:西脇辰弥
04.やじるし→(without KIYONO)
05.やじるし→(without NAO)
06.手紙の塔(Instrumental)

【DVD】
◆「やじるし→」MUSIC VIDEO
◆ぽかぽかイオンのこたつ・パーティ!

[イオン盤]
01.やじるし→
作詞:岩里祐穂
作編曲:山下宏明
02.僕の宝物
作詞/作編曲:椿山日南子
03.まわりみち
作詞:西直紀
作編曲:鈴木智文
04.僕の宝物(without NAO)
05.僕の宝物(without KIYONO)
06.まわりみち(Instrumental)

◆特典
♪.ぽかぽかイオン・ラジオCD

[アニメ通常盤]
01.やじるし→
作詞:岩里祐穂
作編曲:山下宏明
02.僕の宝物
作詞/作編曲:椿山日南子
03.やじるし→(TV size ver.)
04.僕の宝物(Instrumental)
05.やじるし→(Instrumental)

特典情報

[アニメイト限定ぽかぽかイオンセット]
メーカー特典:「両面クリアファイル」(アニメイラスト)(同時購入)

アニメイト特典:L判ブロマイド(アーティスト写真)

アニメイト特典:L判ブロマイド(アーティスト写真)

アニメイト特典:缶バッジ(アーティストロゴ)

アニメイト特典:缶バッジ(アーティストロゴ)

アニメイト限定版特典:オリジナルマフラータオル

アニメイト限定版特典:オリジナルマフラータオル

[ぽかぽか盤、イオン盤]
メーカー特典:「両面クリアファイル」(アニメイラスト)(同時購入)

アニメイト特典:L判ブロマイド(アーティスト写真)

アニメイト特典:L判ブロマイド(アーティスト写真)

アニメイト特典:缶バッジ(アーティストロゴ)

アニメイト特典:缶バッジ(アーティストロゴ)

[アニメ通常盤]
メーカー特典:「両面クリアファイル」(アニメイラスト)(同時購入)

アニメイト特典:L判ブロマイド(アーティスト写真)

アニメイト特典:L判ブロマイド(アーティスト写真)

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