ミファの持つ「闇」が新たな扉を開いてくれました│TVアニメ『殺し愛』リレーインタビュー│第9回:ミファ役・日笠陽子さん
Fe原作によるTVアニメ『殺し愛』が、1月12日よりTOKYO MXほかにて好評放送中。アニメイトタイムズでは、本作の出演キャスト陣によるリレーインタビューを実施している。
リレーインタビュー第9回は、ミファ役の日笠陽子さんが登場。ドニーを慕いながらも、どこか謎めいた雰囲気を漂わせる彼女をいかに演じているのか。ドニー一家への思いとあわせて伺った。
この子の過去には何があったのか、私も気になっています
――『殺し愛』の第一印象はいかがでしたか?
日笠陽子さん(以下、日笠):海外のサスペンス映画やミステリー作品のような雰囲気を漂わせていて、とにかく油断できない作品だと感じました。次の話数ではいきなりお話がひっくり返るようなこともあって、気が気じゃないんです。気づけば、目が離せなくなっていました。
――ミファについてはどのような人物だと思いましたか?
日笠:私にとって珍しい役どころで、新たな扉が開けそうだなとワクワクしました。最初に見たときは、一人称が「おれ」の小さい子だったので、男の子なのか女の子なのか見分けがつかなかったんです。見た目の雰囲気からどこか闇を抱えているようにも見えますし、ドニーの配下ということで危険人物的なところもあるのかなと思いながら、探り探り演じていきました。
――実際に演じた感触はいかがでしたか?
日笠:音響監督さんからは「ミファは女の子」だと伺ったので、女の子であることを意識しながらも、低音でぼそぼそと喋るようなイメージで演じました。
――最初のアフレコはスムーズにいきましたか?
日笠:はい、自分が考えてきたものをまずはぶつけてみて、そこから音響監督さんと相談しながら調整していこうと思っていたのですが、最初からOKをいただけたので、そのままやり切りました。
――ミファは言葉数がとても少ないキャラクターです。その辺での苦労はありませんでしたか?
日笠:なかなか掴みどころのないキャラクターですが、それでも第9話でミファの抱えるより深い闇のようなものが見えてきた感覚はありました。セリフとして描かれるわけではないのですが、ドニーに膝枕をされながら何かに怯えるような表情を見せるという印象的なシーンがあって、セリフがないからこそミファの持つ謎めいた部分が際立って見えました。一体、この子の過去には何があったのか、私も気になっています。
――ジノンに対して、「ばか、あほ、まぬけ」と容赦のない文句を言っている姿も印象的でした。
日笠:ミファのような子が「ばか、あほ、まぬけ」と、直接言える相手ということは、ある意味で心を許しているのかなと感じました。本当に赤の他人だったらそんなことを言わないし、言えないと思うので、ジノンにだけなのか他のキャラクターたちにもそうなのか。今のところわかりませんが、もしかしたらドニー一家なりの信頼関係みたいなものはちゃんとあるのかなと思います。
――そんなミファが非常に懐いているドニーについてはどのような印象をお持ちになりましたか?
日笠:孤児を集めて暗殺者に仕立てているという、まさに闇の世界の住人ですし、あの落ち着きようを見ていると、みんなドニーの手のひらの上で踊らされているようにも見えました。ただ、ミファをはじめとする子どもたちはやはりドニーを親のように慕っていますし、信頼も厚いんだと思います。
もちろん、彼に逆らえばもしかすると行く場所がなくなってしまうかもしれない……そういった恐怖によって縛られている可能性もあるので、複雑な事情で繋がった家族なのかなととらえています。まぁ、ニッカさんだけはだいぶ自由ですが(笑)。
――子ども同士でも、気を抜くと命の取り合いをしかねないハラハラ感があります。
日笠:そうですね。それぞれ自分が一番頭が良くて、自分が一番ドニーのために動ける人間なんだという自負みたいなものを感じます。