表立った「狂気」と内なる「冷静さ」の度合いに気をつけている│TVアニメ『殺し愛』リレーインタビュー│第10回:ニッカ役・森田成一さん
ドニー一家とニッカが対比構造になっているのが面白い
――第10話では、自ら逃しながら飄々と「ソン・リャンハは俺が仕留める」と言っていましたね。
森田:まさにそこですね。なぜ、その時間を作ったのか。そこがニッカをより深く理解するためのカギになるんだと思います。
――ドニー一家についてはどんな印象をお持ちになりましたか?
森田:綺麗なお家で屋敷の中も整っていて、ドニー自身も理路整然としているのに、やっていることはめちゃくちゃ。ここがニッカと対比構造になっているのも面白いところだなと思います。ドニー一家だけでひとつ作品が作れそうです。
――残すところあと数話ですが、今後の注目ポイントを教えてください。
森田:この作品には、リャンハ、シャトーのメロディー、リズムがあれば、ドニー一家のメロディー、リズムがあり、その流れが噛み合って大きなうねりとなっているので、ぜひその流れに身を任せていただけたらなと思います。流れとしてはシンプルなんです。余計なところを描かずに、大事なところをじっくり描いてくださっているので、そこを楽しんでいただけたら嬉しいです。
――ありがとうございます。毎回恒例なのですが、タイトルの『殺し愛』にかけて、皆さんに「最近、愛してやまないもの」を伺っています。森田さんはいかがですか?
森田:バイクとカメラです。今日はスタジオまでスーパーカブで来ました。もう1台、23年乗っている1600ccのバイクがあります。カメラはフィルムカメラが200台以上、レンズはそれ以上ありますね。
――200台以上ですか!
森田:はい、ヴィンテージものでだいたい60年前、70年前のものから、一番古いものは88年前のものまであります。
――実は、リレーQ&Aでも前回ゲストの日笠陽子さんからカメラに関する質問が届いておりました。「写真がお好きだそうですが、写真のどんなところが好きですか?」とのことです。
森田:クラシックカメラの話になりますが、まず機械の精密さがすごいですよね。電池を使わずにバネと歯車で1000分の1秒だって正確にたたき出せる、その技術のすごさ。昔の人の知恵と技術力が感じられます。しかもそれが88年経っても新品のように使える。これはもうロマンとしか言いようがないです。
もう一つは物語があるところ。何十年前に作られたこのカメラ達は、一人の方が使い続けてきたのか、あるいは何人かの手に渡ってきたのかはわかりませんが、僕が生まれるずっと前に作られ、誰かが手にして、その時代、その場所の光、空気を撮ってきたわけです。それが僕のもとへやってきて、令和の時代の光や空気を撮っている。まるでタイムマシンみたいだと思いません? 一台一台のカメラに物語があるところが一番好きなところです。
――一台一台に刻まれた歴史があるわけですね。
森田:実際、何千台と見てきているので、傷一つでどういう風に使われてきたのかがわかるんです。ここに傷がついているから報道の人だなとか、これは天体を撮っている人だなとか。使い方によって独特の傷がつくので、そういうのを見るのも楽しいですね。
――興味深いお話、ありがとうございます。次回はリャンハ役の下野紘さん、リャンハ少年役の増田俊樹さんが登場します。お二人に聞いてみたいことを教えていただけますか?
森田:「リャンハ」と「リャンハ少年」という同じ名前を持つ役を演じる。ある意味、二人で一人の役を演じるような部分があると思います。増田の演技はVTRでは見ているんですが、実際にはまだ見られていないので、二人がどういうふうに演技を構築しているのか、そしてお互いにどう演技を分けているのか、そういう部分がとても気になっています。なので、二人には「おでんの具は何が好き?」と聞いておいてください!
――そうきますか!(笑) かしこまりました。ありがとうございます!
連載バックナンバー
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画像をクリックすると、関連記事にとびます。TVアニメ『殺し愛』作品情報
放送・配信情報
2022年1月12日(水)より TOKYO MX、サンテレビ、KBS 京都ほかにて放送開始
dアニメストアにて地上波先行・単独最速配信決定
<放送情報>
TOKYO MX:1月12日より 毎週水曜 24:00~
サンテレビ:1月13日より 毎週木曜 24:00~
KBS 京都:1月13日より 毎週木曜 25:00~
BS 日テレ:1月12日より 毎週水曜 24:00~
AT-X:1月13日より 毎週木曜 22:30~ ※リピート放送:(月)10:30/(水)16:30
<配信情報>
dアニメストア:1月12日より毎週水曜 23:30~
その他サイトも順次配信予定
※放送・配信日時は番組編成の都合等により変更となる場合がございます。
INTRODUCTION
とある「仕事場」で対峙する2人の殺し屋。クールな賞金稼ぎの女・シャトーと謎多き最強の男・リャンハ。
シャトーはこの交戦をきっかけにリャンハと敵対――するはずが、なぜか彼に気に入られ、つきまとわれることに。
彼女はなし崩し的にリャンハと協力関係を結んでしまうが、彼を狙う組織との抗争に巻き込まれていく。さらにその戦いは、彼女の過去とも関係しているのだった。
リャンハはなぜシャトーに接近するのか。シャトーに秘められた過去とは。相性最悪の2人が織りなす、「殺し屋×殺し屋」の歪なサスペンス。奇妙な運命の歯車がいま動き出す。
STAFF
原作:Fe(月刊コミックジーン/KADOKAWA 刊)
監督:大庭秀昭
シリーズ構成・脚本:久尾 歩
キャラクターデザイン:佐藤陽子
サブキャラクターデザイン:小林利充
総作画監督:佐藤陽子・小林利充
アクション作画監督:才木康寛
3D・プロップデザイン:杉村友和
美術監督:黛 昌樹
色彩設計:山上愛子
撮影監督:伏原あかね
編集:木村佳史子
音響監督:髙桑 一
音響効果:和田俊也
音響制作:ビットグルーヴプロモーション
音楽:吉川 慶
音楽制作:TOY'S FACTORY
音楽制作協力:ミラクル・バス
アニメーション制作:プラチナビジョン
製作:殺し愛製作委員会
オープニングテーマ:増田俊樹「Midnight Dancer」
エンディングテーマ:小林愛香「マコトピリオド」
CAST
シャトー・ダンクワース:大西沙織
ソン・リャンハ:下野紘
エウリペデス・リッツラン:堀内賢雄
ジム:天﨑滉平
ホー:前野智昭
ジノン:村瀬歩
ニッカ:森田成一
ミファ:日笠陽子
ドニー:大塚芳忠
原作コミック情報
『殺し愛』1~11巻好評発売中!
著:Fe(月刊コミックジーン/KADOKAWA 刊)