『映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ』三矢ユキ役 村上まなつさんインタビュー|今作は証言なども加えて新しい切り口でわかりやすく!ユキの謎の行動の理由にも注目
演じるユキとの共通点は唐揚げ好き? ミステリーキッスの魅力は「ギスギス感」(笑)
――演じるユキの印象とご自身との相違点をお聞かせください。
村上:ユキちゃんはまっすぐでピュアで、見た目もかわいいなと思いました。私と似ているところは唐揚げが好きなところです。私はお肉が大好きで、ユキちゃんも朝から唐揚げを6つトーストにのせて食べていたので、「私とピッタリじゃん!」と思いました(笑)。あと性格的な部分でも、私は結構元気なほうなので、明るいユキちゃんは似ているかなと。
でもちょっと違う点もあって。ユキちゃんは「夢を叶えるためには何だってしたい」くらいのひたむきなまっすぐさと一生懸命さがありますが、私はまだそこまでできていない気がして。今回ユキちゃんを演じさせていただいたことで、「私も、もっと頑張らないと!」と思わせてもらえました。
――ユキはアイドルグループ、ミステリーキッスの一員ですが、印象や魅力を感じた点はありますか?
村上:あの3人のギクシャク感が好きです(笑)。ユキちゃんとしほちゃんが2人でビラ配りをしている時、「人前でそんなこと話していいの!?」とビックリしました。でもアイドルの子たちの素を見ている気分になれるので、好きになるポイントじゃないかなと思います。
――センターのルイ以外の2人が仮面をしているのも斬新です。
村上:いろいろな理由があって、仮面をつけているんですけど、どうせなら3人そろってつけていれば平和だったのかなって(笑)。でも顔を隠して活動をするのは、グループ名にピッタリだなと思いました。
――ミステリーキッスは、作中で「超常恋現象」や「波間にKISS」を披露していますね。
村上:2曲共、キャッチーですね。レコーディングが終わった後もずっと頭の中で曲がループしたり、寝ている時も夢の中で歌っていたほど(笑)。歌っている私も素敵な曲だなと思ったので、たくさんの方に聴いていただきたいです。シングルとしてもリリースされていますので、よろしければぜひ。
――村上さんは、DIALOGUE+という声優ユニットでも活動されていますが、その経験が活かせた部分はありますか?
村上:収録で「普段の楽屋でしゃべっている感じで」というディレクションをいただいた時があって。ユニット活動をしていたことで、楽屋でのメンバーとの会話のテンションが身近にあったので、やりやすかったです。でもうちのユニットはメンバーの数も多いし、みんな声も大きいのでそこは違いますけど(笑)。
村上さんのお気に入りキャラは柿花と今井。
――ご自身が演じるキャラクター以外のお気に入りをお聞かせください。
村上:まず小戸川の友達の柿花が好きです。あと今井も好きで、ミステリーキッスの熱烈的なファンですが、あそこまで一生懸命になれるのってすごいなと。偶然、乗ったタクシーの運転手さんにも布教活動をしてしまうくらい、自分が愛するルイちゃんの魅力を知ってほしいんだというまっすぐさとピュアさはかわいらしいなと思いました。
映画は、終わり方の1つを提示し、スッキリ納得できる内容に
――映画化はTVシリーズが終わってからクリスマスに発表されましたが、知ったのはいつ頃ですか?
村上:収録している時には映画化のことは知らなくて、純粋に「アニメの先が気になるなあ」と思っていました。そして発表される少し前に知りましたが、とても嬉しかったです。
――TVシリーズの最終回放送後には、ネット上では「結末がわからない」という声やいろいろな解釈があったりと、かなり盛り上がっていました。
村上:最終回は、考察や推測できる余地がたくさんある終わり方だったので、きっと皆さんの考察もはかどったのではないかなと思います(笑)。今回の映画では、「こういう終わり方もあるよね」という可能性の1つを提示していて、すっきりしたり、納得できる終わり方になっていると思います。
――今作の台本やPV(予告編)の映像をご覧になった印象は?
村上:PVの収録前に、(木下 麦)監督から映画の結末の少し前まで見せていただきましたが、「PVの収録前にこんな映像を見せられたら気になってしょうがないじゃないですか!」と(笑)。それほど目が一瞬たりとも離せない構成になっています。PVの最後でユキちゃんが言っている「もしかして覚えてない?」の一言もキャッチーでいろいろな捉え方ができて、言っている相手もキャラクターかもしれないし、見てくださっている皆さんへの問いかけかもしれないし、PVの中で話しているほかの男性のことかもしれないしと、推測する余地や可能性も広がって。PVを見るだけでもそのおもしろさが伝わると思います。
映画でも明るくピュアなユキを心がけて収録
――今回の収録時に意識された点と、監督からの説明やディレクションなど教えてください。
村上:監督から「とにかく明るく、無邪気に」というディレクションをいただきました。TVシリーズの延長線上として、まっすぐでピュアなユキちゃんを貫いてほしいということだったので、ちょっと子どもっぽいくらいに演じさせていただきました。
またTVシリーズから1年足らずなので、期間もそれほど空いていなかったし、この収録前にもTVシリーズを見直して、「そうそう! ユキちゃんはこういう子だった!」と確認したり、当時の台本の書き込みを見てから収録に臨んだので、きっと大丈夫だったかなと思っています(笑)。
――フルメンバーでの収録は難しいと思いますが、今回はどんな形で収録されたのでしょうか?
村上:収録は、私ひとりでした。ちなみにTVシリーズの最初のほうはスケジュールが合う方と一緒で、途中からはミステリーキッスのメンバーで収録させていただいていました。