春アニメ『アオアシ』青井葦人役・大鈴功起さん、冨樫慶司役・八代 拓さんインタビュー|Jユースでプロを目指す少年たちの熱い気持ち。アシトと登場人物たちとの間に生まれるドラマやアニメーションならではの息づかいに注目!
素直な大鈴さんで雰囲気が作られている収録現場
ーー大鈴さんにとっては初のレギュラー作品、しかも主人公ということで、実際にマイク前で演技をしてみてどうですか?
大鈴:座長という実感はあまりありませんが、周りのキャストさんやスタッフさんの熱量をすごく感じられる現場ですし、八代さんも含め先輩方が素晴らしい方でお芝居も本当にすごいので、毎週毎週幸せだなと思いながら現場に行かせてもらっています。
八代:冨樫の登場話数的に『アオアシ』の収録が始まってから少しして合流したんですけど、そこで、大鈴くんのアシトを初めて聞いた瞬間、“あぁ、アシトがいる……!”と感動しました。
本人は自覚がないと言っていますが、やっぱり大鈴くんのアシトが作品の真ん中にいて、すでにすごく良い座組ができつつあったので、ちゃんとお芝居で座長をやっているんだなと。
役者としてというよりも、同じ事務所の仲間として誇らしくもあり刺激的でもあり、すごく初めて味わう嬉しい不思議な気持ちでした。
大鈴:(満開の笑みで)すごく嬉しいです……!
ーー『アオアシ』で自分が担当するキャラクターを演じるにあたり、意識したことや気をつけたことがあれば教えてください。
大鈴:最初に、監督のさとうさんから「自分の感じたままやってくれたら、それがアシトだから大丈夫だよ」とおっしゃっていただいたので、特にこの声でこの雰囲気でというのは考えていませんでした。
ただ、音響監督のはたさんから「主人公を意識しないでいいよ」「カッコよくならなくていいよ」と言われていたので、ガサツさや大雑把な部分、側から見ていると見苦しいぐらい泥臭いところもアシトの全部なので、そこを軸に意識をして演じています。
八代:冨樫というキャラクター自体が彼が過ごしてきた過去も相まって、すごく複雑な性格をしています。それはすごく大人っぽく見えたり、すごく子供っぽくも見えたりといろいろな側面を持っているキャラクターです。
あのヤンキーの見た目の割にはすごく頭の良いキャラクターだなと原作を読んでから思っていましたが、読み進めていくうちに斜めから物事を見ているところもあって、それはたぶん物事をまっすぐ見れなかったり、もしくはまっすぐ見てくれなかったりする彼の環境がそうさせているのかなと。
それが根付いている子なので、義理人情に厚いけれど人にまっすぐに言葉をそのまま伝えることはできないところもある。大人っぽく見えたりするけど実はまだ子供でサッカーが大好きという、そういう複雑さや斜に構えた感じ、物事を俯瞰して見られる冷静さ、そんな彼のバッグボーンに基づいたお芝居ができればなと意識しています。
ーーサッカーに熱い情熱を抱いているいろんなキャラクターたちの関係性も本作の見どころですよね。
八代:基本軸となるアシトと他の人という関係性はどれも最高ですね! やっぱりアシトというキャラクターがものすごく熱すぎる男でして。
大鈴:踏み込んでいっていますよね。
八代:うんうん。熱すぎる炎を灯していて、その炎の形は不格好だけれどもものすごく大きく燃えています。ともすれば、燃やしちゃいけないものも燃やしそうになったりとか、意外と簡単に消えそうになっちゃったりとか……でも、それが良い形で全員に燃え移っていったときの灯りはものすごくパワーを持ったものになるんです。
このアシトの炎は、主人公たる所以を感じますし、特別なものがあります。そういう意味で、アシトと誰かが向き合ったときは必ずドラマが生まれます。
あと、個人的には栗林晴久(CV:梅原裕一郎)と阿久津渚(CV:武内駿輔)が最高です。
大鈴:確かに!
八代:ああいうバチバチとした関係性って良いですよね。片方はクールに決めているけれど意外と意識していたり、どの関係性も惹かれるものがあります。ユースはプロに近づいている位置のように感じますが、みんなまだまだ子供なので、思春期ならではの瑞々しさや刺々しさを感じられるドラマが好きです。
大鈴:言語化がすごい! よくそんな言葉が出てきますね……。
一同:(笑)
八代:大鈴くんのこの素直さも素敵なところです(笑) アフレコでも面白いエピソードがあるんですけど、笑うシーンを録った後に「笑い方うまいですね~!」って言われたんです(笑)
大鈴:ちょっと上から目線な言い方のようになってしまってすみません(笑)
八代:安元さんと「こういう危うさが良いよね」と2人で笑っていました(笑)
大鈴:本当に難しそうなシーンなのに画にぴったりと演じられていて、これが声優さんなんだなと強く感じたんです!
八代:その言葉がすごく面白くて笑っちゃって、こんなところもアシトっぽい~!と思いました。安元さんは「わかるよ、言いたいことは」と笑いながらフォローしていて、さすがコーチだ!と(笑)本当に良い座組です。
ーーお話を聞いているだけでも、すごく楽しい現場なんだなと伝わってきます。
大鈴:すごく楽しいです! 毎週幸せです!
八代:そんな現場をあなたが作っているんだよ?
大鈴:いやいやいや!とんでもないです!
八代:でも、真ん中に誰がいるかでその作品の座組の雰囲気は本当に変わりますし、その人柄が絶対に出るので、彼の人柄というものが座組そのものの雰囲気になっていると思います。そういう意味では、座組のみんなも大鈴くんに感謝していると思います。
大鈴:(言葉にならない叫び)
八代:頑張っていこうね!(笑)
大鈴:最終回でこの話をしてほしかったです(笑)
八代:確かに(笑)
ーー素敵なお話をありがとうございます……! 大鈴さんはこの作品の魅力や注目してほしい関係性などはありますか?
大鈴:作品全体の魅力でいうと、やっぱり熱いところはたくさんありますし、読んでいるだけで鳥肌が立つところや心が震えるようなところもたくさんあります。
その熱い部分と同じくらい静かな部分も大事にしているので、激しさと静かさのバランスがすごく良い作品だなと。そういうところもアニメの中でも表現していけたらなと思っています。
ーー先ほどから、大鈴さんがお話をされているときの八代さんがすごく温かい目線を送っていて……先輩と後輩という素敵な関係性が見えてきて良いですね……。
大鈴:あはははは(笑)
八代:なんか、すごく……(半笑い気味で)しっかりしているなぁと。
大鈴:なんで笑いながら言うんですか!?
八代:あはははは(笑)でも、僕もちょっと嬉しい気持ちになりました。
ーーお二人は事務所の先輩と後輩という関係性ですよね。せっかくの対談ですので、お二人の共通点などはあればぜひ教えてください!
八代:大鈴くんのことについては、シティーボーイということだけしかまだ知りません(笑)せっかくだから、今共通点を探してみようか! (大鈴さんに向かって)やっていたスポーツは何かある?
大鈴:僕は中学でバスケをやっていました。あとは野球と……
八代:おっ! 小学校のときだけど、僕も野球やってた!
一同:(笑)
八代:これ1番ダメなやつだよ(笑)なんでサッカーじゃないんだ(笑)
大鈴:八代さんはどんなスポーツをされていたんですか?
八代:あとはバトミントン。今はフットサルをやってたりしているかな。
大鈴:僕も小学校の頃は少しだけフットサルやってました!
八代:(怪しい目で)それ、本当かな~?
大鈴:本当です! ただ、昔のことなので、まったく記憶にないです(笑)
八代:記憶ないんかい!
一同:(笑)
八代:他に共通点あるかな?
大鈴:やっぱり事務所が同じ……
八代:それが1番だよね! これだけ数ある声優事務所の中で一緒ってすごい共通点(笑)どうぞヴィムスをよろしくお願いします(笑)