この記事をかいた人
- 万木サエ
- 旅行、グルメ、テーマパーク系のライターを経て、アニメのジャンルへ出向。ネコとハワイと『バクテン‼︎』が大好き☆
アニメ、ラジオ、ドラマCD、ウェブCM、そして音楽活動と、声を聞かない日はないというほど多方面で活躍されている斉藤壮馬さん。第十六回声優アワードでは歌唱賞(2021年度)を受賞され、今後もますます活躍が期待されています。
本稿ではそんな斉藤さんの歌声を聞くことができる作品の中から、絶対抑えておきたい人気キャラクターと、これからの展開が楽しみなキャラクターを中心に、作品とキャラクターの魅力、そして歌われている楽曲に注目したいと思います。
斉藤さんの、優しく甘く、透明感のある歌声は、一度聞いたら虜になること間違いなし!
斉藤さんの代表作品をまとめた記事と合わせてお楽しみください。
『アイドリッシュセブン』(通称:アイナナ)は、スマホ向けのアイドル育成アプリゲーム。父親の経営する芸能事務所で働くことになった主人公(プレイヤー)がアイドルのマネージャーとなり、彼らをトップアイドルにするため、奮闘するストーリー。ゲームだけでなく、アニメ、コミックス、イベントと幅広く展開され、どれも大人気!
TVアニメでは、「小鳥遊事務所」に集められた、性格も個性もバラバラの7人が、グループを結成。彼らの名は「IDOLiSH7」。彼らは華やかだが、時に厳しいアイドルの世界で、夢を抱きながら頂点を目指します。
そのIDOLiSH7のメンバーも憧れる、第一線で活躍するユニット「TRIGGER」のセンターを務める九条天を斉藤さんが演じています。八乙女楽(CV:羽多野渉)、十龍之介(CV:佐藤拓也)との3人で活動しているユニットです。
九条天はセンターとしての存在感がすごく、人前では24時間365日、完璧なパフォーマンスをすることを心に決めている、プロ意識の高いキャラクター。表向きは小悪魔キャラを演じていますが、ブラコンで弟のことをずっと心配している優しい性格の持ち主。
完璧主義者で実力主義のため、冷たい人間と誤解されることも多いのですが、ただ真剣に歌と応援してくれるファンに向き合っているだけなのです。自分たちのユニットのことも、口ではビジネスパートナーと言いますが、本当は仲間としてとても信頼しています。
TRIGGERは、大人っぽさと圧倒的なダンスパフォーマンスでファンを魅了。代表曲の「SECRET NIGHT」は、途中の囁くようなセリフがセクシーで、大人の魅力満載です。ほかにもTRIGGERの世界観が全開の「Leopard Eyes」や、“引き金を引くのは誰だ”というフレーズが印象的な「Last Dimension」など、3人のカッコ良さが際立つ、素敵な楽曲がたくさんあります。
TVアニメ「アイドリッシュセブン Third BEAT!」の第10話では、斉藤さんのファンがとくにメロメロになったであろう印象的なシーンがあります。それは、伝説のアイドル“ゼロ”の名曲「Dis one.」をアカペラで歌うシーン。斉藤さんの透明感のある歌声は必聴です!
『ヒプノシスマイク』(通称:ヒプマイ)は、2017年9月に始動した音楽原作キャラクターラップバトルプロジェクト。豪華男性声優による総勢18人の個性豊かなキャラクターが、6チームに分かれて熱いラップバトルを繰り広げながら、ストーリーが展開。2020年にはTVアニメ化もされました。
本作の舞台は、女性が覇権を握り政が行われるようになったH歴。争いは人の精神に干渉する特殊な「ヒプノシスマイク」にとって代わり、ラップバトルで優劣を決する法が制定。男性はイケブクロ・ディビジョン、ヨコハマ・ディビジョン、シブヤ・ディビジョン、シンジュク・ディビジョン等の区画内で生活し、各ディビジョン代表のMCグループがバトルをし、勝った地区は決められた分の他の領土を獲得することができる、というストーリー。
斉藤さんが演じる夢野幻太郎は、シブヤ・ディビジョンの代表チーム「Fling Posse(フリング ポッセ)」に所属する小説家。ファッションデザイナーの飴村乱数(CV:白井悠介)、ギャンブラーの有栖川帝統(CV:野津山幸宏)と共にユニットを組んでいます。
いつも書生のような格好をしている著名な小説家・夢野幻太郎。作風は変幻自在で、道行く人の半生を勝手に想像し、自身の小説の題材としています。夢野幻太郎のリリックは語彙が詩的で美しいのが特徴。他のメンバーにはない、ポエトリーリーディング(詩を音楽にのせて読む)スタイルのラップで、聞く人を惹き込んでいきます。
「嘘ですよ」が口癖。しかし説得力のある嘘をつくので、嘘か本当か分からないこともあり、謎の多いキャラクター。斉藤さんと幻太郎は、丁寧なしゃべり方や言葉選びのセンス、そして自身も執筆活動をされているところなど、重なる部分が多いように思います。斉藤さんの魅力をそのまま感じられるキャラクターではないでしょうか。
Fling Posseは、ヒップホップ特有のパンチのある曲というより、ポップスに近い曲調。おしゃれでヒップホップに馴染みのない人でも聞きやすいのも人気の秘訣。その中でも人気の楽曲が「Stella」。幻太郎が描いた物語という設定で、物語のプロローグのような雰囲気で曲がスタート。ソロパートにはそれぞれの過去が語られたようなフレーズもあります。
そして、2022年3月16日にCDが発売され話題となった「キズアトがキズナとなる」。2021年に開幕したヒプマイ2回目のバトルトーナメント≪2nd D.R.B≫で優勝した記念に、日本のヒップホップシーンのパイオニア・KREVAがプロデュースした楽曲です。
落ち着いた曲調にのせられた、3人の絆が感じられる素敵なリリック。いろんな経験を経て、これからもいつもどおり一緒にいようという思いを言葉にした、今のFling Posseだからこそ歌える曲になっています。幻太郎のソロパートが、ポエトリーリーディングではないアプローチになっているところも注目です!
『あんさんぶるスターズ!!』(通称:あんスタ)は、プレイヤーがプロデューサーとなって、個性豊かな男性アイドルたちをトップアイドルへと育成するスマートフォン向けゲーム。2019年にTVアニメ化されました。
ゲームは、男子アイドルの育成に特化した私立夢ノ咲学院に「プロデュース科」が新設され、あなたは第一号、そして初の「女子生徒」として転校してくる。学院で様々な生徒たちと出会い、青春のアンサンブルを奏でる日々が始まる――というプロローグから始まります。
夢ノ咲学院に通う1年生、双子の葵ひなたと、葵ゆうたの二役を演じている斉藤さん。彼らは「2Wink(トゥインク)」という双子ユニットを組み、卓越したアクロバティックなパフォーマンスを得意としています。
いたずら好きで明るくやんちゃな性格の兄・ひなたと、明るく社交的な性格だが時々不安になる思春期中の弟・ゆうた。双子ならではの息の合ったハーモニーやダンスが魅力のキャラクターです。
ストーリーの中で、2人は価値観の違いから、関係がぎくしゃくし始めます。ひなたは双子を売りにした仕事を取ってきますが、ゆうたは自分だけの魅力を出したいと思うようになり……。しかし意見を交わし、再び手を取り合った彼らは、“ふたりでひとつ”の最強ユニットへと成長します。
双子でも別々の声優さんを起用することがほとんどですが、ひなたとゆうた、二役とも演じている斉藤さん。制作サイドと相談し、一卵性双生児なので出来る限り声を変えないで演じることになったそうですが、ストーリーから感じられる自我や個性を尊重して声を作り上げていったそう。
太陽のようなひなたは、温かく弾けるようなシャープで高めな歌声。月のようなゆうたは、落ち着いていて優しく低音が響く歌声。曲を重ねるごとに2人の個性が出つつも、美しいユニゾンが最高です! “2人の演じ分けが神すぎる!”とファンの間でも感動の声が多く、2Winkの声は「斉藤さんと壮馬さん」と呼ばれています。
代表曲は「ハートプリズム・シンメトリー」。キャッチーなメロディラインですが、歌詞は2人が互いを理解していく過程の心情が切なく描かれています。
テクノポップと中華を融合させた「歓迎☆トゥ・ウィンク雑技団」は、アップテンポな曲調と“アテンション・プリーズ!”という掛け声で、ライブでも盛り上がる一曲。2Winkが得意とする中国雑技をイメージした振り付けも見どころ。
2Winkの歌は、明るくキラキラした曲で、聞いている人を元気にしてくれます!
ツキノ芸能プロダクション(通称:ツキプロ)とは、2.5次元に存在する架空の芸能プロダクションで、歌手や俳優など様々なタレント、アーティストが所属。「毎日あなたと一緒に生きている」がコンセプトで、キャラクターたちの時間は現実の時間経過とリンクしているところがポイント! キャラクターと同じ時間を共有している気持ちになれます。
キャラクターCDシリーズから始まり、2017年にTVアニメ『TSUKIPRO THE ANIMATION』(通称:プロアニ)が放送。
ツキプロに所属する4組のユニット、「SOARA」「Growth」「SolidS」「QUELL」の各リーダーが出席する会議で、年末に開催される「ツキプロライブ」の2日目を、4ユニットが担当することが発表される。それぞれのユニットは、ライブに向けて楽曲を制作することに――。ライブで歌う曲が生まれたきっかけなどが描かれた物語です。
斉藤さんが演じるのは、2015年から活動している「SolidS」のメンバーのひとり、奥井翼。プロデューサー兼リーダーの篁志季(CV:江口拓也)が、知り合いのモデル世良里津花(CV:花江夏樹)と、偶然出会った奥井翼、村瀬大(CV:梅原裕一郎)と組んだユニットです。
奥井翼は、勝気で自信に溢れ、人を惹きつける天性の魅力があるカリスマタイプ。人に指示されるのが嫌い&負けず嫌いなので、志季とはよくぶつかります。SolidSが務めるラジオのメインパーソナリティもこなすムードメーカー。また、就職に悩む妹の相談にのる、妹思いなお兄ちゃんの一面もあります。
『プロアニ』のシーズン2では、缶コーヒーのイメージキャラクターに起用されるSolidS。そのCMは自分たちのキャラに寄せた設定になっていて、翼は「愛情以外はなんでも与えられて、甘やかされている」という設定。周りからそう思われていることに不満を抱きつつも、「人にどう見られるかを気にするより、人になにを見せられるかが大事」と、プロ意識を見せます。
自由奔放で、気付かないうちに人の懐に入ってしまう人懐っこさを持つ翼。ところが歌い始めると、セクシーでアダルトな雰囲気に一転。他のユニットより少し大人のコンセプトでもあるSolidSのパフォーマンスは、ファンを一瞬にして魅了します。
『プロアニ1』のOP主題歌「Bunny!!!」は、ワイルドなラップから始まり、サビはダンサブル。カッコ良さ全開の楽曲です。歌詞の中には過去の曲の要素がちりばめられています。
2021年に放送された『プロアニ2』では、大学生だった翼も27歳に。OP主題歌「LOVE 'Em ALL」では、大人の魅力が増したSolidsが堪能でき、斉藤さんの高音のセクシーボイスは注目です!
斉藤さんが過去のインタビューで「歌でも皆さんの心をとろけさせたいです」と仰っていたとおり、Solidsのカッコ良さに、とろけてしまうファンも多いのではないでしょうか。
「Full Throttle4」(通称:FT4)は、HoneyWorksが手掛けるシリーズプロジェクトに登場する4人組のダンスボーカルユニット。2022年4月から放送されているTVアニメ『ヒロインたるもの!〜嫌われヒロインと内緒のお仕事〜』にも、アイドルユニット「LIP×LIP」の先輩として登場しています。
FT4はボーカル担当のYUIとRIO(CV:内田雄馬)、パフォーマー担当のMEGU(CV:柿原徹也)とDAI(CV:増田俊樹)からなるダンスボーカルユニット。マネージャー兼DJのIV(CV:福山潤)と共に活動しています。
FT4はLIP×LIPの事務所の田村社長にプロデュースされて成功したグループ。LIP×LIPが結成されるまでの物語を描いた映画では、勇次郎と愛蔵が受けたオーディションの選考に関わったり、ダンス指導を請け負ったりしていました。
斉藤さん演じるYUIは、元気でノリが良いボーカリスト。ムードメーカー的存在で、いつもMEGUと2人で楽屋を盛り上げています。メンバー仲が良く、誕生日にはプレゼント交換が恒例。みんな考えていることが同じで、プレゼントがかぶってしまうというエピソードも。
過去のインタビューで、FT4の曲はYUIとRIO、タイプの異なるスタイルのボーカルが合わさったおしゃれで素敵な楽曲に仕上がっていると思う、と話していた斉藤さん。斉藤さんと内田さんの声の相性が最高、というファンの声もよく聞きます。
2022年2月23日に発売された1stアルバム「FT4」は、軽快な曲調のものもあれば、家族のことが描かれた切ない歌詞のものがあったり、どれも美しいメロディでとにかくおしゃれ! 普段はお調子者キャラのYUIですが、歌声には可愛らしさがあり、斉藤さんの甘いボイスを存分に味わうことができます。
ファンのことを“SICKS”と呼ぶFT4。「WELCOME SICKS」は、そんなファンに向けた歌詞になっていて、曲調は疾走感があり爽やか。パフォーマーのMAGUとDAIも歌に参加している、最高すぎる楽曲です。
YUIの祖父との切ない思い出が歌われている「GOOD BYE」のほか、「TO FAMILY」はRIO、「Dear LAYLA」はMEGU、「FAKE STAR」はDAIと、それぞれの過去が描かれている楽曲があり、MVを見ると涙が出てしまうものも。FT4のことを知ることができ、もっともっと好きになります!
1stアルバム「FT4」は、リリースされた日のオリコンデイリーランキング4位! LINE MUSICのアニメジャンルTOP50では2位! そしてBillboard JAPANのHOT ALBUMチャートで9位にランクインされました! 今後ますます人気が高まりそうですね。
『東京カラーソニック!!』(通称:カラソニ)とは、人気イラストレーター・冨士原良先生がキャラクターデザインを手がけるオリジナルCDコンテンツプロジェクト。登場する各ユニットのボイスドラマと楽曲が収録されたCDで各ストーリーが楽しめるというもの。
舞台は208X年代の日本。国の情勢と共に、少しずつ色を失っていくエンターテインメントを本来のものに取り戻そうと、政府公認制作機関「カラーレーション」は改革を行う。そのひとつとして、年に1度開催される音楽の祭典「東京カラーソニック」にも変化が起こる。
カラーレーションが運営する「色ノ葉音楽学院」の各校から生徒が選出され、ボーカル学科と作詞作曲学科が2人1組のユニットを組んで楽曲を作り、優勝を目指してバトルをしていく。音楽制作に全力をそそぐバディたちが、音楽フェスの頂点を目指す青春ストーリーです。
斉藤さんが演じるのは、Unit.2のボーカル学科、宝田伊織。幼馴染で、元バンド仲間の加地春飛(CV:中島ヨシキ)とバディを組んでいます。
伊織は「カリスマボーカル×訳アリ」という設定。ミステリアス風の見た目に反して、勉強ができないおバカな一面を持っています。春飛とのやり取りは、まさに幼馴染ならではの空気感。
そんな2人のストーリーは高校生の頃のシーンから始まります。音楽を続けるか悩む伊織と、とある弱みを握られ心のこもった楽曲が作れなくなり苦しむ春飛。かつての変化に戸惑う2人の天才が、“なりたい自分”にたどりつく物語が収録されています。
そして本当の“バディ”になれた2人が作り上げた「measly」は、伊織を思って歌詞を書いた春飛。春飛を思って歌う伊織。幼馴染の2人にしか作れない楽曲に。MVでは、モノクロから始まりサビに入ると色付くところが、2人の関係とリンクしていてカッコ良い! 斉藤さんの切ない歌声と曲調もマッチしていて、まさに“エモい”一曲です。
2ndシーズンもスタートし、CD全7巻の連続リリースも発表になりました。今後の展開に目が離せません!
『佐々木と宮野』は、「だれかを好きになること」を応援してくれる爽やか青春 男子高校生LIFE。
女顔がコンプレックスな、BLをこよなく愛する腐男子の宮野由美は、ちょっとだけ不良な先輩・佐々木秀鳴から気に入られてしまう。佐々木の一途な恋心と、とまどいつつも佐々木を受け入れていく宮野のピュアな恋愛模様と、2人を取りまく日常が描かれた作品です。2022年1月にはTVアニメが放送され、沼にはまった人が続出!
中世的な顔立ちの可愛い宮野の声を斉藤さん、宮野のことを“みゃーちゃん”と呼ぶ佐々木を白井悠介さんが担当しています。
目を輝かせながらBLを語ったり、好きを意識するようなことを言われて顔が真っ赤になったり、思っていることを真っ直ぐに伝えてきたり。みゃーちゃんを見て佐々木のように「かわいい」と思った瞬間が何回あったことでしょう。
みんなが愛おしいと感じるみゃーちゃんは、斉藤さんの声があってのもの。佐々木先輩の前にいるときの可愛らしさ、クラスメイトと一緒にいるときの冷静さ、BLを熱く語るときに早口になってしまうところ、どこを切り取ってもみゃーちゃんの魅力が溢れています。
アニメのED曲「いちごサンセット」は、佐々木と宮野がデュエットしている楽曲。2人の甘酸っぱい関係がそのまま歌詞になっていて、2人が仲良く会話をしているような雰囲気。アニメでキュンキュンした余韻を、やわらかくほぐしてくれるような曲です。
[文・万木サエ]
アニメイトタイムズのお仕事のほか、旅行、グルメ、ウェディング、テーマパーク系のライターをしています。 旅行に行けなくなって、漫画やアニメにハマリ、今はもっといろんなジャンルを知るべく武者修行中! スポコンアニメを見て、一緒に泣いたり熱くなったりするのが最近のストレス発散方法。 ネコとハワイと『バクテン‼︎』が大好き☆