春アニメ『阿波連さんははかれない』桃原先生役・花澤香菜さんインタビュー|テンションの昂りを「あはれ」の読み方の違いで表現!? さまざまなパターンの吐血シーンにも注目
花澤さんの学生時代の思い出や、最近「あはれ」を感じた瞬間は?
──桃原先生は古文の先生ですが、花澤さんご自身は学生時代、古文は好きでしたか?
花澤:大好きでした!なので、役柄が「古文の先生」と聞いてテンションが上がりましたね。
──古文のどういったところが好きだったのでしょうか?
花澤:小さいころから役者の仕事をしていましたが、声優にならなかったとしても「日本語に関わるお仕事をしたいなあ」と思っていたくらい、そもそも国語自体が好きでした。
あとは、中学の古文の先生がすごく綺麗な字を書く人で。私は字が汚かったので、「真似していれば上手くなるかもしれない!」と思って、先生の字をずっと真似していました。
──実際、上手くなったんですか?
花澤:上手くなりました!
──すごい! 作中で桃原先生も言っていますが、古文は綺麗な物語が多いですよね。
花澤:いろんな言葉を使って、心情を表しますよね。桃原先生も「あはれ」と「をかし」でいろんな妄想をしますし。
──花澤さんご自身は学生時代どんな学生でしたか?
花澤:時代によってけっこう違いました。小学生のときは男子に混じってサッカーするような女子だったのですが、どんどん人見知りになり、中学生のときは地味~な暮らしになりました(笑)。「あまり人と話すの得意じゃないな」と思い、友達も少人数で、パソコン研究部とかに入っていました。
高校生になり、生徒会に入るとちょっとずつ自分を出せるようになりました。大学時代が一番楽しかったかもしれません。大学はいろんなところから人が集まってくるので、高校だといじられていたようなキャラも「いて普通」というか、みんながのびのびできる空間だったので、「ここにはカーストなどない!」と感じました。
──阿波連さんの気持ちも多少分かる部分もあるのですね。
花澤:隅っこでじっとしているからといって、何も考えていないわけではない、というのはすごく分かります。
──もし花澤さんが学校の先生になるならどの教科を教えたいですか?
花澤:やっぱり文系かなあ。古文もすごくいいと思います。
でも、教えるのって本当に難しいですよね。いろんなことを習いますが、先生のすごさが大人になるほど分かります。なにか答えがあったときに、そこに持っていくのか、逆に「そうじゃなくてもいいんだよ」と教えたりと、教え方もいろんな正解があるんでしょうし。
声優のお仕事をやっていると、毎日台本を読むので、「国語をちゃんとやっていてよかったな」とは思います。
──読解力を養うのは大事なことですよね。
花澤:本を読むことだけじゃなく、「この人は何を考えてこういうことを言ったんだろう?」と選択肢が増えるというか、人の気持ちを考える訓練になるのかな、と思います。
──花澤さんの高校時代に桃原先生がいたら、どんな風に接していましたか?
花澤:私は、ユニークな先生にグイグイいっちゃうタイプだったので、「普段なにしてるんですかー?」みたいなことを訊きに行くかもしれません。授業を受けていたらきっと私が保健室に運ぶ係だったと思います(笑)。
──ユニークな先生、ですか。
花澤:高校時代に哲学の授業があったのですが、寝ている生徒もいる中、私は先生がプラトンを話すときの恍惚とした表情が大好きだったので、ずっと「私は聴いていますよ」とアピールしていました(笑)。それをちょっと思い出すというか、桃原先生は気になる先生になっていただろうな、と思います。
──古文で思い出に残っている作品はありますか?
花澤:『平家物語』の「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり~」の一節はすごく覚えました。修学旅行で行ったときは感動して、「ここがあの! 祇園精舎のとこ!!」とひとりですごく興奮していました(笑)。
自分とはかけ離れた昔の出来事や物語、当時の人が思っていたものがちゃんと今も残っていると歴史を感じてワクワクするというか、「よくここまで受け継がれてきた」とテンションが上がります。
──印象に残っている授業はなにかありますか?
花澤:大学時代も文系で、文学散歩でみんなで聖地巡礼をしたのが楽しかったです。今までサラっと読んでいたものも、「ここでこの人はこう思ったのか」と背景が分かるとオタク心がくすぐられるというか。さっきの『平家物語』の話といい、聖地巡礼が好きなのかもしれません(笑)。
──最近、花澤さんご自身は「あはれ」を感じた瞬間はありましたか?
花澤:この作品の最終話を録り終わったときに、ブースから出るとスタッフさんたちが「お疲れ様でした!」と、持てなくなるぐらいのいろんなお菓子をいっぱいくれて、「あはれ!」と思いました(笑)。
コロナ禍で、出演者やスタッフさんと密にお話しできず、「サラっと終わってしまうのかな」と思っていたので、その心遣いにすごく幸せな気持ちになりました。
──最後に、作品の見どころをお聞かせください。
花澤:主人公のふたりが、ずっと見ていられる温度感なので、お仕事などですごく疲れて帰ってきたとしても全然観られますし、むしろ癒されるんじゃないかと思います。
ラブコメ的観点から観ても、桃原先生が「あはれ!」と吐血しちゃうくらいの展開はちゃんとあるので、そういった部分も楽しんでいただければと思います。本当に気軽に観ていただきたい作品です。
──桃原先生的な見どころとしてはいかがでしょうか?
花澤:ふたりを見る独特な視点というか、実況の面白さですね。そのテンションが徐々に出てくるのではなく、ずっと高いままなので、彼女が出てきたら「ああ、出た出た」と思ってもらえればと思います。ちょっとうるさいかもしれません(笑)。
──あくまで“実況”で、ふたりに直接口を出さないのも優しさですよね。
花澤:確かに、「この関係を壊すまい」とする意思を感じます。あとは、宮平先生と一緒にいる桃原先生はまたちょっと違う雰囲気なので、そこにも注目してもらえればと思います。
TVアニメ『阿波連さんははかれない』作品情報
放送情報
2022年4月1日(金)よりMBS/TBS/BS-TBS“アニメイズム”枠にて放送
TBS:4月1日より毎週金曜日深夜2:25~
MBS:4月1日より毎週金曜日深夜2:25~
BS-TBS:4月1日より毎週金曜日深夜3:00~
introduction
小柄で物静かな女の子、阿波連(あはれん)れいなさん。人との距離をはかるのが少し苦手。
そんな彼女の隣の席に座るライドウくんは、阿波連さんとの間に距離を感じていた。
ある日、阿波連さんが落としてしまった消しゴムをライドウくんが拾ったことをキッカケに、ふたりの距離は急接近!?
「遠すぎたり」「近すぎたり」予測不能な阿波連さん。
色んな意味で、『はかれない』密着系?青春ラブコメディの幕が上がる!!
スタッフ情報
原作:水あさと(集英社「少年ジャンプ+」連載)
総監督:山本靖貴
監督:牧野友映
シリーズ構成:吉岡たかを
脚本:吉岡たかを、久尾歩、兀兀
キャラクターデザイン:八尋裕子
総作画監督:八尋裕子、岩佐とも子、三島千枝、福地友樹
美術監督:倉田憲一(獏プロダクション)
色彩設計:田中千春
撮影監督:岩井和也(スタジオシャムロック)
特殊効果:木村実乃理(スタジオシャムロック)
編集:山田聖実(editz)
音響監督:阿部信行
音楽:神前 暁 & MONACA
アニメーション制作:FelixFilm
製作総指揮:夏目公一朗
プロデュース:藍沢亮
製作:bilibili
主題歌
オープニングテーマ:TrySail「はなれない距離
エンディングテーマ:ハコニワリリィ「キョリ感」
キャスト
阿波連れいな:水瀬いのり
ライドウ:寺島拓篤
大城みつき:M・A・O
石川:柿原徹也
佐藤ハナコ:楠木ともり
桃原先生:花澤香菜
宮平先生:小坂井祐莉絵
ふたば:指出毬亜
あつし:藤原夏海
原作情報
『阿波連さんははかれない』
著:水あさと
少年ジャンプ+にて連載中
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