春アニメ『群青のファンファーレ』天音・グレイス役:花江夏樹さんインタビュー|収録で大変だったのはネイティブ英語!?【連載5回目】
ネイティブ寄りの英語を喋るのが大変だった
――アフレコの様子はいかがでしたか?
花江:分散収録なので、いない人の声を想像したり、聞いたりしながらお芝居をしています。僕は秋樹(CV:糸川耀士郎)と優(CV:矢野奨吾)、えり(CV:水瀬いのり)と一緒に録ることが多いです。
できれば、全員で一緒に収録したいですし、若手の声優さんもいらっしゃるので、僕が新人のときに現場で先輩たちから多くのことを学ばせていただいたように、いろいろなことを吸収してほしい気持ちもあります。
今はこういった情勢でそれができない状態の中、特に新人の子達にとっては大変だなと思います。
でもすごく一生懸命で、本当に競馬学校に入って頑張っていくんだぞっていう気迫というか気合が本人たちからも感じられるんです。
僕としてはその姿を見て感銘を受けたり、こっちも頑張らなきゃなと思ったりしています。
――水瀬さんにインタビューした際、唯一の女の子のキャラクターなので男子校に飛び込んだ感じが楽しいとおっしゃっていました。そういうわちゃわちゃした面もあれば競馬学校としての厳しさといった二面性が魅力的な作品だと思いますが、花江さん自身この作品の1番の魅力はどこだと感じますか?
花江:自分の気持ちをわかってくれたり、親身になって相談に乗ってくれたりする仲間が1番のライバルというところですね。みんなで高め合いながらも、自分が1番になりたいっていう気持ちをみんなが持っている。そういう熱い部分が素敵だと思います。
――熱い部分といえば、天音・グレイスもそういうものを持っていますよね。
花江:そうですね。最初は本当に嫌味ったらしく偉そうに演じていたんですけど、だんだんとちょっとした変化というかギャップみたいな可愛らしい部分も見えてきたので、すごくいいキャラクターだなと思いました。
――そんな天音・グレイスは第3話から本格的に登場しますが、どういう人物だと解釈されましたか?
花江:彼は身内に騎手がいる中で育ってきました。最初は周囲を舐めた態度というか、“余裕でしょ?”みたいなところから始まります。
自分のプライドやこれまで培ってきたものがありますが、優たち同期生から情熱を感じ取って、変わっていく。一度仲良くなったらとても頼りになるような子だと思います。
――天音役が花江さんと発表されたときにすごくピッタリという声がたくさんありました。天音・グレイスの注目してほしいポイントを演じている花江さんご自身から教えていただきたいです。
花江:彼は割とネイティブなイギリス英語を喋るんですけど、オーディションのとき、まったく英語を喋るシーンや指示がなかったんです。
それでいざ蓋を開けて見たらめちゃめちゃ喋ってるんですよ、英語を(笑)
一同:(笑)
花江:初登場のときは英語の先生がついてくれて発音の指導を受けることはできましたが、僕は本当にまったく英語が喋れないので苦労しました。
そこが僕の中では1番頑張ったところですね。未だに不安なので、どうなっているのか怖いです(笑)
――そんなに英語を話しているのですね。
花江:回によっては、半分以上英語で喋っているところがあります。しかも、櫻井さん演じる朝日豊先生がエセ英語みたいな言葉を喋るんです。だからこそ、僕が喋る英語はよりカタカナ英語に寄せられない、ネイティブに聞こえなくてはいけないっていうのがあって……それが難しかったです。
僕自身、そういう意味では今年は方言だったり、英語だったりとガイド音声を聞きながら喋る役が多いような気がします。なんかまた新しく頑張らなきゃいけないなっていう、そんな年なのかなって自分に言い聞かせて頑張ってます。
あとは、さっきお話しした通り、天音くんはギャップがあるんです。女性が苦手だとか、弱点を突かれると可愛くなる部分は憎めない部分じゃないかと思います。
――ぜひ天音・グレイスで注目してほしいシーンやここは外せないシーンを教えていただけたら嬉しいです。
花江:初登場のシーンはもちろん、特に第3話は彼の気持ちの変化が描かれているので、ぜひ見てほしいです。
あと、天音くんは偉そうな態度を取ったり人の悪い部分を指摘したりするところがあるんですけど、人を見抜く力というか分析する力に長けていて、言ってることはちゃんとしている。騎手としての能力や目はめちゃめちゃいいので、そういうところも大事にしてくださいとディレクションを受けました。
ただ偉そうなだけではない、実力が伴っているというところも感じていただけたら嬉しいです。
――ほかに何かディレクションはありましたか?
花江:芝居については基本的にあまりありませんでしたが、英語の録り直しが1番多かったです。アフレコが終わった後に「日本語上手いですね〜」って冗談を言われて(笑)
一同:(笑)
花江:日本語だけは得意なんでね!(笑)