春アニメ『群青のファンファーレ』霜月えり役：水瀬いのりさんインタビュー｜えりは同性から見ても好きになる女の子。アフレコは男子校に入学したかのような気分！？【連載6回目】

男子校に入学したかのような気分

――ぜひ注目してほしいシーンや見どころを教えてください。

水瀬：えりは「可愛さ」とか「女の子らしい」という概念を壊してくれるキャラクターです。それでいて素でいることが魅力になるのは、私自身が今まで演じてきた女の子の中でも新しいアプローチだなと感じています。

性別を超えた人間性、えりがえりらしくいることが個性になっていて、話数が進むうちに彼女も含めてチームになっていく。夢を目指す集団の中で、えりというキャラクターがメンバーによって引き立つシーンもあるので、そこにも注目してもらえたらと思います。

みんなすごく仲のいいメンバーなんですけど、えりは天音くん（CV：花江夏樹）と皐汰（CV：小林千晃）とやり取りが多いです。1対1の中で、えりがどうなるのか、どういう立ち回りをするのかもぜひ注目してください。

――えりと男子メンバーとのわちゃわちゃとした感じが、また良いですよね。

水瀬：そうですね。私も男子校に入学したかのような気分で演じています（笑）

一同：（笑）

水瀬：アドリブの部分などでも、他の作品だと女の子同士の可愛らしいやり取りがほとんどですが、『群青のファンファーレ』では男子ノリというか、“うおおお！”みたいな雰囲気の中にえりもなんだかんだ混ざっています。それが、演じている私にとってもこの作品ならではで、貴重な体験をしているな～という気分です（笑）

――水瀬さんにとっても新鮮なのですね。

水瀬：皆さんのお芝居のアプローチや、アドリブも私のボキャブラリーにはない言葉選びをするので、こんな風に演じるんだなぁと新鮮です。お調子者だったり、クールなキャラクターだったり、刺激を受けることが多いアフレコ現場になっています。

――アフレコはどのように進んでいるのでしょうか？　せっかくなので、アフレコ現場の様子もお伺いできればと思います。

水瀬：収録は分散収録なので、チームごとに絡みのあるメンバーが時間帯を分けて行っています。私は皐汰や天音くん、迅人（CV：豊永利行）と一緒になることが多いです。

直接声が聞けない場合は、事前に収録されている方の声を耳に返してもらいながら収録しています。

私はまだ主人公のお二人（有村優役の矢野奨吾さん、風波駿役の土屋神葉さん）とちゃんと一緒に収録をしたことが実はなくて。収録の入れ替えでご挨拶はさせていただきましたが、自分の中では雲の上の存在のようになっています（笑）

――（笑）

水瀬：でもアフレコで返してもらっている声を聞くと、ちゃんと“仲間”として一緒に歩んでいるのを感じて、こういった収録の形だからこそ感じる新鮮さだなと思います。

逆に、一緒に収録することが多い豊永さん、花江さん、小林さんとは別の作品でご一緒する機会もあったりする中で、今回は同級生という形での共演という部分も新鮮です。

学校モノとなると、男の子グループ、女の子グループという風に分かれる作品が多い中で、今回は一緒にご飯を食べて、寝て、訓練してという生活を共にするシチュエーションですので、収録自体がすごく新鮮です。アフレコの和やかな雰囲気が、映像でも感じられるのではないかなと思っています。

――今まで共演してきたキャストさんたちと同級生としてお芝居するのは、確かに新鮮に感じますよね。

水瀬：はい。ツッコミも距離が近かったり、気を使わなくていい間柄のポジションでのお芝居だったりするので、そういうやり取りを男女間で行うのはすごく新鮮です。目を閉じたら学園生活を送っているような空気の中、アフレコを頑張っています！

――競馬学校という厳しい環境で切磋琢磨していく彼らの姿は見どころの1つでもあります。

水瀬：馬と対話するような、分かり合う瞬間も大事に描かれているので、そこにもぜひ注目してもらいたいです。やっぱりどんなに才能があっても、人格や内面が育たないと一流の騎手にはなれないんだなと。それぞれのキャラクターが自分の長所や短所を見つけていけるのも、仲間と過ごすからだと思います。

自分が長所だと思っていたところが意外と人から見ると短所であったり、1人で居たら気づけないことも仲間たちと過ごすことで自分で気づいて学んでいく。同級生がこのメンバーだったっていうことが奇跡なんじゃないかって思わせるくらい、それぞれが自分にないものを持っていて、またそれぞれ自分にしかないものも持っています。

そういったメンバー同士の掛け合いやセリフにも個性が光っているので、皆さんも応援したくなる新入生チームです。