まわりみち、それも道。|山根綺のほんとのところ。#2
まだ少し肌寒い3月下旬。
事務所で用事を済ませビルを出ると、
ふと小さな桜が目に映って
なんとなく、いつもは通らない道を通ることにしました。
初めて歩く路地を進んだ先には大きな大きな桜があって、満開を迎えていました。
何もない、誰もいない路地裏で懸命に咲いていて
まさに、違う世界に来たんじゃないかと錯覚するような美しさでした。
あぁ、今年も春が来た。
たまにはこうやって遠回りするのも、悪くありません。
私の人生のバイブル「ハイキュー!!」には、
こんな言葉があります。
『回り道には、回り道にしか咲いていない花がある。』
当時高校生のリトル山根は、この言葉を読んで衝撃を受けました。
まわりみち、それもちゃんと道。
この世に正解なんてなくて、正しい道も無い。
だから、選んだ道を正解にする。
本当にこっちで良かったのかな、もし向こうの道を選んでいたら...って考えてしまうけれど
信じた道が遠回りだったとしても
そこにしか無い景色があって、
そこでしか感じられない気持ちがある。
それらはいつか全て自分の宝物になるのだと、
一瞬で気付かされました。
この世は早い者勝ち、近道が吉、世界は弱肉強食のサバイバルなんだあああ!!!!と生き急いでいたリトル山根は、この日、あっさり消滅したのです。
やはり、大切なことは全て漫画が教えてくれるのですね。
私は、人生で”無駄なこと”なんて、何一つ無いと思っています。
その後に何を得るかの方が何倍も大切なのだから、
ちょっとくらい食べ過ぎちゃったって(私のことです)
YouTubeを見ていたら朝になってたって(私のことです)
Twitterにおはよう〜って呟いた後にまた寝てしまっても(ごめんなさい)
選択した道の結果を知る良いチャンスだと思うことができれば、そこで感じたデメリットだって、後に大きな大きな財産になるような気がします。
良いことはたまーに、
悪いことは、全部自分に返ってくる。
この世界はなんとなくそんな風に回っていて、
人は、何事も自分の身を持って体験した時に初めて心が動き、そこから少しずつ成長していくのではないでしょうか。
先の4月に新生活が始まった方もいらっしゃるでしょう。
新しく始まった目まぐるしい1日も、
いつもと変わらない何でもない1日も、
きらきらした瞬間瞬間の積み重ねで出来ています。
これで良かったのかな、
ああ言わなければよかった、
こうしなければよかったと
後悔することもたくさんあるでしょう。
けれどその後悔だって、いつかきっと私たちの宝物になるはず。
完璧な毎日じゃなくたっていいよね。
というより、
完璧な毎日なんて、無いよね。
何度も迷いながら選び、進んできた
この回り道に胸を張って
明日も一歩ずつ、一歩ずつ、歩いてゆこう。
企画協力:青二プロダクション
編集担当:川野優希