視聴者目線でもどかしかった第4話。クドーがどう思っているのかを知ってほしい──春アニメ『魔法使い黎明期』セービル役 梅田修一朗さん×クドー役 八代 拓さんインタビュー
第5話までで印象に残っているのは? アフレコが盛り上がったのは、お風呂シーン!?
ーー ここまでで印象的だったシーンを教えてください。
梅田:少し話してしまいましたが、第4話でセービルが「僕は、死ぬのが怖くない」と言ってしまったところですね。
八代:あのシーンは良かったよね。
梅田:それこそクドーと初めて真正面で言い争うんですよ。
八代:確かにそこは印象に残ってる。
梅田:セービルが自分を犠牲にすれば、みんなが逃げる時間くらいは稼げると言ったときに、クドーが怒ってくれるんですけど、その収録は印象深くて……。
クドーはすごい熱量を持って、遠慮なく、でも気を使って声を荒らげてくれるんですけど、セービルはそこでも淡々としているんですよね。そこのギャップは、セービルを演じている自分としては当然の対応なんですけど、見守ってくれている視聴者の方々の気持ちとしては、もどかしかったんじゃないかなって思います。
もう一歩だけ感情を知ってほしい、クドーがどう思っているのかを知ってほしいというか。それも今後知っていくと思うんですけど、セービルの成長という意味でも大きなシーンでした。クドーやホルトと心を触れ合わせるシーンとして、すごく印象深かったです。
八代:僕は3話のお風呂シーンですね(笑)。ホルトには申し訳ないことをしましたけど、ホルトが逃げた後に、クドーがセービルのどことは言えない部分を見て、「正直、俺もそれは化け物だと思うよ」って言うんですよ。このセンスも好きだし、そのあとの「くだらないことを言う前に、クドーは一言僕に謝るべきだと思うんだよね」って返しも、すごく安心するなって思いました。同じくらいの年齢の男の子同士で雑多な話ができる関係性、そしてこの距離感ってすごく貴重だし、安心すると思うんです。
シーン的にはただのギャグシーンではあるんですけど、そういう関係性が出来上がってきているとも言えるので、好きですね。ただのギャグではなくちゃんと意味がある感じが。
ーー お風呂シーンは楽しかったですね。
梅田:ホント、楽しかったです。
八代:アフレコはやりたい放題でしたから。
梅田:テストテイクのときのクドーのはしゃぎっぷりが面白かったんですよ。ロス先生に「誰がたぎらせるか! バァ~~カ」って言うんですけど、その言い方が最高だったんですよ(笑)。
八代:“痴女”ってなかなか言わないじゃないですか。「失せろ! 痴女」って言っていいの?っていう謎の緊張がありました(笑)。
梅田:しかも第3話の台本の表紙がクドーの赤面顔っていうのも良かったですね(笑)。
ーー 少し物語に掛けた質問をしたいのですが、ロス先生は300年生きてきた魔女ですが、お二人は時間が無限にあったら何をしたいですか??
梅田:無限か~。人って持て余すと大変ですよね……。時間が無限にあるからこそ楽しくなるものって何だろう。
ーー 先生が言っていたように、退屈にはなるでしょうね。すごく長い休みが取れたら何をしたいか、という感じでもいいのですが……。
八代:でも、ロス先生が言っていたことが合っている気がします。最初は旅行とかいろんなことをすると思うんですけど、最終的には読書になっちゃうんじゃないかな。人っていろんな欲求があるけど、それでは満たされないと思うんですよね。結局知識欲以外では満たされないんじゃないかなと。
梅田:今、話を聞いてて思い浮かんだのは、何か技術を身につけることなのかなって。たとえば楽器を弾けるようになってみようとか、料理を研究してみようとか、そういうふうになっていくのかなと思います。積んでいるプラモデルを作りたいですけど、ただ作るのではなく、技術として身につけたい!と思うんじゃないかな。
ーー プロモデラーになるというのもいいですよね。では最後に、後半の見どころを教えてください!
八代:ここからまた物語の中盤、そして佳境に向けて、どんどん新たな謎が出てきたり、それが解決しては絡み合ったり、面白い展開が待っているので、楽しみにしていてください。
僕が一番この物語で好きなのは、それぞれのキャラクターのバランスの悪さなんです。そのアンバランスさって、探せばすぐ見つかるようなこともあれば、意外と深層心理にあるようなこともある。ホルトなんかは特にそういう感じなのかなと思うんです。そこが物語や起きる出来事によってどう変化していくのか。そこも含めて、物語を最後まで楽しんでくれたら嬉しいです。
梅田:ラストに向けて、セービル、クドー、ホルトの成長、そして魔法使いとしての成長を見届けていただきたい気持ちはあるんですけど、それをどのキャラクターの目線で見るかによって楽しみ方も変わってくると思います。
ロス先生の目線で見れば、300年生きてきて、3人を見届けることが今の楽しみになっている。そのロス先生の気持ちになって見るのも楽しそうですし、セービルだったら、自分の失った記憶のことや、クドーとのやり取り、ホルトの自分に向けられている好きがどういうことなのかとか、考えながら見てみるのも楽しいと思います。セービルは成長していくので、彼を最終話まで見たあとに、もう一回第1話を見たときに、懐かしい気持ちというか、愛おしい気持ちになるんじゃないかなと思います。
[取材・文・写真/塚越淳一]
TVアニメ『魔法使い黎明期』作品情報
イントロダクション
僕は、思い出せずにいる。自分が一体、何なのか――。
魔法学校の生徒セービルは、入学以前の記憶がない。自分がなぜここにいるかもわからないまま過ごす学校生活はどこか空虚で、努力の方法も分からないまま、成績は常に最下位だ。そんなセービルに、魔法学校の学長・アルバスは、突如危険な特別実習を言い渡す。
「魔女狩りのある地域で、魔法の有用性を広めてほしい」
魔女と教会の戦争が終結して数年――世界はまだ、魔女と魔法を完全に受け入れてはいなかった。時は魔法使い黎明期。
これは、何者でもない少年が、心に傷を隠した仲間たちと、自分を見つける物語。
放送情報
TBS:4月7日(木)深夜1:58~
BS11:4月10日(日)深夜0:00~
配信情報
2022年4月7日(木)深夜2時30分からdアニメストアほかにて順次配信開始
【配信サービス一覧】
dアニメストア、U-NEXT、ABEMA、Amazonプライムビデオ、バンダイチャンネル、FOD、ひかりTV、dTV、ニコニコチャンネル、アニメ放題、GYAO!、Amazonビデオ、ビデオマーケット、music.jp、GYAO!ストア。DMM.com、Hulu、HAPPY!動画、ニコニコ生配信、TELASA、J:COMオンデマンド メガパック、milplus、auスマートパスプレミアム
スタッフ
原作:虎走かける『魔法使い黎明期』(講談社ラノベ文庫刊)
キャラクター原案:いわさきたかし
一部キャラクター原案:しずまよしのり
監督・シリーズ構成:桑原智
文芸:虎走かける・森田眞由美
キャラクターデザイン:岩崎令奈
美術設定:西田稔
美術監督:斉藤雅己
色彩設計:油谷ゆみ
撮影監修:T2studio
編集:内田渉(コンクエスト)
音楽:斎木達彦
音楽制作:日音
音響監督:本山哲
音響制作:ビットグルーヴプロモーション
アニメーション制作:手塚プロダクション
オープニングテーマ:fripSide「dawn of infinity」
エンディングテーマ:▽▲TRiNITY▲▽「インプリンティング」
キャスト
セービル:梅田修一朗
ロー・クリスタス:岡咲美保
ホルト:鈴代紗弓
クドー:八代拓
泥闇の魔女:花守ゆみり
傭兵:矢野正明
神父:水中雅章
アルバス:大地葉
ホルデム:加藤将之
リーリ:石見舞菜香
公式ホームページ:https://www.tbs.co.jp/anime/reimeiki/
公式Twitter:https://twitter.com/reimeiki_pr