声優の植田ひかるさんと春木めぐみさんに前代未聞の公開インタビュー！　連続コント動画作品のPR番組『其れ、則ちラジオ。』【後編】

『それすけ』の現場は予測不能!!　楽しかったことと・困ったことは

――『それすけ』に関わって楽しかったことは？

春木：アニメ本編はもちろんですが、ラジオ『それらじ』までやらせていただけているのは、とても楽しいです。私は以前、尺も期間も短いラジオは経験させていただきましたが、音泉さんで流していただけるような本格的なラジオはこれが初めてです。もちろん大変なこともありますが、総じて楽しいです。

植田：私が楽しかったというか嬉しかったことは、フォークダンスDE成子坂の桶田敬太郎さんが生前に残したYouTubeチャンネルを偶然見つけられたことです。私たちはコントを収録するとき、スタッフさんからお借りした映像を参考にして演じていたのですが、YouTubeを見ているとき、偶然にも桶田さんのチャンネルを見つけられたんです。

――検索しても簡単には出てこないのですか？

植田：ファンの方がビデオテープに録画した動画を公開しているチャンネルはありますが、私が見つけた動画はとてもきれいな映像でした。発見した直後、石ダテさんに報告したら、そのチャンネルが桶田さんのものだと知りました。私は自分で桶田さんの手がかりのひとつを見つけられた気がして、とても嬉しかったです。

――収録で困ったことはありますか？

春木：悩んだことは先ほどの発言と同じになってしまいますが、やはりツッコミが一辺倒になってしまうことです。でも、それは初期の段階で意識が変わったので、それ以外で困ったことはありません。あ、でも！　このラジオ収録では……。

石ダテ：植田さんのぶっ飛び具合には、絶対に悩んでるでしょ？（笑）

春木：ラジオでは……そうですね（笑）。いや、そんなに悩んでるってわけじゃないですよ！　困ったことはありますけど（笑）。

――具体的にどこが困りましたか？

春木：ラジオ内で「植田さんが一番言いたいことは何なんだろう？」と考えたことはありました。それくらいですね。どうやってリアクションしたらいいんだろう……って言うか……。

植田：はるちゃん？　言葉を選ばなくていいからね！

春木：ありがとうございます（笑）。あと困ったことは、たまに植田さんと石ダテ監督の仲が険悪になるときですね。意見が食い違って、ちょっと言い合いになったり。

――そういうときはどうするのですか？

石ダテ：春木さんは、決まって存在感をゼロにするんです。

春木：喧嘩が始まると気まずい空気になるので、仲裁に回りたいのですが、私が何かを言うと火に油を注ぎかねないので黙っています。でも、そうしてると石ダテ監督が「ね！　春木さん？」って話を振ってくるので困りますね。

石ダテ：めちゃめちゃ困ってますね。

一同：（笑）

――では、植田さんが困ったことは？

植田：お笑いがわからないのが困ります。私はおもしろいことが得意じゃないので！　芸人さんもはるちゃんの方が詳しいんです。コントで既存の芸人さんのオマージュをやらせていただいていますが、私は元ネタを知らないので、はるちゃんに教えてもらっています。

――いい関係性ですね。

植田：もうひとつ困っているのは、自分では全然おもしろくないと思っていても、はるちゃんがおもしろがっているときです。でも、それも「世の中的にはおもしろいのか」と、はるちゃんを指標にして判断するようにしています。

――ご自身が演じていると、それだけで精一杯になってしまうからでしょうか？

植田：どうなんでしょうね？（笑）　ですが、それが結果的に上手く回ったこともあるんです。「それともさん」（ファンの総称）が送ってくれたコントを笑いながらやってしまったら、コントとして成立しないと思います。だからわからなくて演じるのも、悪いことではないと思います。そういうコントは、オンエアを見たときに初めて「おもしろい！」と感じることもあります。

――オンエアを見て「おもしろい」と感じられたら大成功だと思います。

植田：面白かったと思ってやったものは、たいてい面白くないんだなと思います。

春木：意図せず出たものが、おもしろいんだよね。

植田：すごくたくさん準備して、「笑わせたい！」と思って挑んだものって、あとで聞くとリテイクされた理由がよくわかるんです。なんというか、「相手によく見られたい」とかが見え透いちゃうんですよね。

――そういうものなのですね。

植田：だから、さんざんやり尽くして何もなくなった後に出したものが、反対におもしろいんです。自分のなかでおもしろいと思ったものよりも、周りで見ている人たちがおもしろがっている方が正解なんだなって後で気づきます。実は『それらじ』の収録が終わった翌日、「おもしろくないことをしてしまった……」と落ち込んで、毎回反省会をしているんです。

石ダテ：収録の翌日はひとり自宅で寝込んでいるらしいです（笑）。

植田：そのくらいこの現場は大変なんです！　ですが、ラジオが完成して聞いてみると、自分が思っているほど問題発言をしていないし、自分が思っているほどつまらなくもないんです。

――だったら、もう寝込まないでもよいのでは？

植田：いいえ！　これからも寝込むと思います！

一同：（笑）