劇場OVAアニメ『怪盗クイーンはサーカスがお好き』大和悠河さん×加藤和樹さん×内田雄馬さんインタビュー|クイーン、ジョーカー、RDの関係性から感じられる“尊さ”、1つの文や挿絵から一気に世界が広がる『怪盗クイーン』の魅力を語る!
キャラクターと演者の共通点、3人にとっての“美学”とは?
――映像化やキャストが発表されたときは多くの反響がありましたが、その反響を受けていたかでしたか?
加藤:ツイッターとかでもファンの方からメッセージをいただいて、多くの反響があることは実感していました。
――SNSで話題になっているのを見かけたのですが、加藤さんはジョーカーと身長・血液型がまったく同じだそうで……。
加藤:あはははは(笑)
大和:お~!そうなの!?
内田:すごい……!
加藤:そうなんです。どちらも181cmのA型です。
スタッフ:それは全然知らなかったです。
大和:奇跡のキャスティングだ……!
加藤:実は僕、割と181cmの役柄を担当することが多いんです。
大和:180cmならわかるけど、181cmという絶妙なところがすごい……。
一同:(笑)
――また、RDは自称“歌って踊れる人工知能”と言っていますが、内田さんも歌って踊れる声優ということで共通点があると話題になっていました。
内田:いやいや(笑)
大和:本当にぴったり……!
加藤:うちの雄馬さんは何でもできますから。
内田:やれと言われればすぐにでも(笑)
一同:(笑)
――そして、年齢と性別が不明で中性的な雰囲気を漂わせているクイーンは元タカラジェンヌのトップスターの方というこれ以上のキャスティングはないキャスティングに拍手喝采でした。
大和:本当にありがたいことで、皆さんの作品に対する愛がすごく伝わってきてました。まだキャストが発表されていないときに、皆さんがいろいろなキャスティングを予想されていて、それを見るたびに「どうしよう……」「ごめんなさい……!」という気持ちになってしまって。
加藤:決まっている身からするとそういう気持ちになりますよね。
大和:本当に冷や汗ばかりが出てきましたが、でもそれだけこの作品が愛されているんだなと改めて知ることができて、20年でついに映像化されるという喜びを感じて私もすごく嬉しかったです。そのツイートを見るたびに「頑張ります!」と思いつつも、「もう録っちゃった」と(笑)
一同:(笑)
加藤:そこは「頑張りました!」ですね(笑) でも、こうやってたくさんの反響をいただけて本当に嬉しいです。
内田:もう20年になりますから、きっと作品と一緒に生きてきている方たちもたくさんいらっしゃるはずですし、まだ知らない方にとってはこの映像化で『怪盗クイーン』を知るきっかけになっていただけたらなと思います。
大和:『怪盗クイーン』は何度も読み返したくなる作品です。今も新しいシリーズを書いていらっしゃるので、一ファンとしても早く読みたいですし、これからの展開が本当に楽しみです。
――最後になりますが、クイーンがポリシーにしている“怪盗の美学”になぞらえて、自分自身が大切にしている“美学”を教えてください。
大和:舞台で役を演じたり役をいただいたりすると、普段からその人が着そうなファッションを着たりしています。それがすごく楽しいんです。前に、黄色がテーマカラーの役をいただいたときは本当に黄色ばかりのお洋服を買っていました。
加藤・内田:へぇ~!
大和:それが自分で役作りをしている一環になっているんです。美学と言えるかわかりませんが、役を追求することが楽しい!と思えるところがいつも私の中にあるかもしれません。
内田:生活の中で役が入り込んできているような……
大和:そうそう。ちょっとずつ入ってくるような感じかも。外見のことではありますが、そこから入っていくと役がつかみやすくなってきて、どんどん“こだわり”が出てきます。
――内田さんはどうでしょう?
内田:最近美しさを感じたことでも大丈夫ですか?
――はい!もちろんです!
内田:僕、景色を見るのが好きなんですけど、自分の気分次第でだいぶ景色の色味が違うなと感じることがありました。
大和:お〜!なるほど……!
内田:たとえば、前向きな気持ちのときは割と鮮やかに見えるんですけど、へこんでいるときはすごく景色が薄い色に見えるんです。
なので、自分の中で壁にぶつかったり立ち止まってしまったときには、いろんなものに触れて、そこで自分で終わらせようとしないでいろんな気づきを自分で見つけるようにしています。
いろいろなものに触れて得られた気づきから、僕自身や世界の可能性を知るとそれが楽しくなって、また景色が色鮮やかになる。常に気づきを探していけば、世界は美しいんだな~という気持ちで毎日を過ごせるんだなと最近ちょっと思いました。
大和:確かに、気分が落ち込んでいるときってあまり空を見なくなる気がする。
加藤:やっぱりちょっと下を向いてしまいますよね。
大和:それからハッと上を見たら、空が綺麗だと感じることってありますよね。
内田:そうなんです。ちょっとした気づきだけど、それで気持ちが全然変わります。
大和:うんうん。そこで「頑張ろう!」と思える瞬間がある。
内田:まさにその感覚ですね。本当に些細なことでいいから“きっかけ”は大事だなと。僕らの活動もそうですけど、エンタメ作品が1つのきっかけになったら良いなと思います。
大和:うんうん。和樹さんはどう?
内田:和樹さんの美しいと思った体験をぜひ!
加藤:ちょっと重くなってしまうかもしれませんが、一生懸命に生きている人の姿はやっぱり美しいなと思います。
いつ舞台がストップしてもおかしくない状況の中で迎えたカーテンコールだったり、震災があっても強く生きている人たちだったり、そういう姿にすごく胸を打たれる自分がいて、自分も強くいなきゃいけない、立ち止まっている場合じゃないと教えられます。
凛としている人ほど美しいというか、僕は強さ=美しさだと思っているので、その強さに美しさを感じました。
――その美しさをこの『怪盗クイーン』でも感じられると思うので、たくさんの方に観ていただきたいですね。
加藤:この作品を通して、心がスッと軽くなっていただけたら嬉しいです。
内田:本当にたくさんの人に届いてほしいです。
大和:『怪盗クイーンはサーカスがお好き』を観ていただけたら、きっと温かい気持ちに包まれると思います。だからこそ、その気持ちをたくさんの方に感じていただきたいです。
[文・福室美綺]
劇場OVAアニメ「怪盗クイーンはサーカスがお好き」作品情報
公開情報
全国劇場で2022年6月17日(金)より上映開始予定
上映劇場情報
https://miragequeen.jp/theater/
ストーリー
狙った獲物は必ず盗む。それが怪盗クイーン。性別・年齢・国籍不明。パートナーのジョーカー、RDと共に飛行船トルバドゥールで世界中をめぐっている。
そんなクイーンが今回狙うのは、呪われた宝石、伝説の『リンデンの薔薇』。
ところが、予期せぬ出来事が……謎のサーカス団に宝石を横取りされてしまった!
催眠術師、軽業師、マジシャン……凄腕のサーカス団員がクイーンに勝負を挑む!
彼らの目的はいったい何!?
かくして、宝石を取り返すため、大胆華麗な方法(あるいは、変装技)で勝負を受けて立つクイーン。
クイーンに不可能はない!
スタッフ
原作:はやみねかおる・K2商会(講談社青い鳥文庫『怪盗クイーン』シリーズ)
監督:傳 沙織
脚本:國澤真理子
キャラクターデザイン:河島久美子
音楽:日向 萌
音響監督:亀山俊樹
音響制作:ビットグルーヴプロモーション
アニメーション制作:イーストフィッシュスタジオ
製作:「怪盗クイーン」製作委員会
配給:ポニーキャニオン
キャスト
クイーン:大和悠河
ジョーカー:加藤和樹
RD:内田雄馬
ホワイトフェイス:森川智之
シャモン斎藤:古川慎
シルバーキャット瞳:のぐちゆり
ジャン・ポール:田所陽向
スタイリー井上:白井悠介
ビースト:依田菜津
プリズムプリズム:近藤浩徳
ジョー・セサミ:手塚ヒロミチ
ロケットマン:高橋伸也
西遠寺考太郎:広瀬裕也
伊藤真里:清水彩香
上越警部:浦山迅
岩清水慎太郎:伊東健人
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原作情報
『怪盗クイーンはサーカスがお好き』
著:はやみね かおる 絵:K2商会
定価:814円(本体740円)
★『怪盗クイーン』シリーズ 最新刊
『怪盗クイーン 楽園の名画を追え』
著:はやみね かおる 絵:K2商会
発売中