「三国志」の孔明と“渋谷のギャル”がタッグを組んだ!? 魅力は「異世界転生」だけじゃない! アニメ『パリピ孔明』を見て“パリピ”っちまう3つの理由
講談社が運営する漫画アプリおよびウェブコミック配信サイト「コミック DAYS」にて、2019年より連載中の『パリピ孔明』。
「三国志の天才軍師・諸葛孔明が渋谷に転生する」という奇抜な設定と、エキセントリックでクセになるOPテーマ&映像で放送されてからじわじわと人気になっています。
本作を視聴していると、異色の異世界転生ものだと思って笑いながら面白半分で見ていたはずが、英子と孔明の関係にいつのまにか胸の奥から熱いものがこみ上げてくるのを感じました。一体なぜか?
それは本作が「奇抜な異世界転生変化球アニメではない」からです。
よ~く考えてみると、『パリピ孔明』は多くの人が一度はハマるであろう「王道バディアニメ」なのです。
「実力者が未熟者のポテンシャルを引き出し活躍していく」という王道構造に加えて、“孔明”という人物をピックしたこと、キャラクター設定、こだわりの音楽や演出があるから私たちは『パリピ孔明』にハマり、感動してしまうのです。
なぜ我々がこうも簡単に孔明の計略にハマってしまうのか、その理由をわかりやすく解説していきましょう。
名コンビの仲間入りを果たした「英子と孔明」
『三国志』という中国の歴史を元にした硬派な物語に登場し、屈指の人気を誇る孔明。天才的な頭脳を持ち、三国志の中でも屈指の名軍師と謳われている存在です。
そんな彼が息を引き取る直前から物語はスタートします。
平和な世の中を作る事ができなかった孔明は「来世では平和で幸せに暮らす」事を願って死亡。次に目が覚めると渋谷の道のど真ん中。ハロウィンだからギリ怪しまれないというラッキーな状況です。
渋谷を地獄だと勘違いした孔明は、流れに乗って渋谷ハロウィンを満喫する形に。そこで出会ったのが本作の主人公、アーティストを夢見る英子です。
彼女の歌声を聴いた孔明はなんとも言えない幸福感を抱き、この歌を世界に届けることで皆の心を豊かにし、平和な世の中を作るきっかけにしようと考えます。
こうして知略を尽くして厳しい状況を打破してきた天才軍師・孔明とダイヤの原石である英子が出会い一流アーティストを目指します。
こうして文章で読んでみるとよくお分かりかと思います。ハチャメチャな設定に思われますが、物語の構造は「指導者や強大な力を持った者が主人公のポテンシャルを開花させていく」というものです。
これは少年漫画や名作アニメなどで幾度となくあった人気のパターンです。
『ヒカルの碁』の進藤ヒカルと藤原佐為、『NARUTO』のうずまきなるとと九尾、『スター・ウォーズ』のルーク・スカイウォーカーとオビワン・ケノービ……などなど挙げたらきりがありません。
このような物語はどの時代にも生み出され、評価されています。『パリピ孔明』はその流れを受け継いだ作品なのです!
ではなぜ、そのような構造に心を動かされてしまうのでしょうか。
あなたは誰かに自分の才能を見出されたり、自己実現を成功し幸せを掴みたいと思ったことはありませんか? 人はそのような「シンデレラ・ストーリー」に憧れを持つものです。
また、誰しもが自分を肯定してくれて、良い道に導いてくれるメンターを求めていたり、恩師や師匠とも言えるような尊敬できる存在が身近にいるかと思います。
だから共感してしまうのです。英子に自分を重ねている部分もあります。『パリピ孔明』を見ていると孔明が好きでたまらなくなってしまうのもそれが要因だと私は思います。
「バディもの」「シンデレラストーリー」という要素を持った上で、二人の関係性や衝突と和解などのエピソードが加わって良いドラマになっていくのです。
上記の要因が『パリピ孔明』を見て不意に涙したり、孔明の策略によって英子が活躍すると飛び上がるほど嬉しくなってしまうワケではないでしょうか。