アニメ『恋は世界征服のあとで』OP主題歌「恋はエクスプロージョン (feat.田村ゆかり)」シングル発売記念 オーイシマサヨシ ロングインタビュー|「 アニソン界のおしゃべりクソメガネを自称する僕と、王国の姫という、身分の違いがあるふたりがデュエットすることが面白いんじゃないかと」
こんなにも商売っ気のない曲ははじめて
――オーイシさんの交友関係は、2曲目の「しあわせチャンピョン」も色濃く表れていますね。『オーイシ×加藤のピザラジオ』にて共演している加藤純一さんの結婚式披露宴の為に書き下ろしたウエディングソングです。
オーイシ:そう、加藤純一くんの結婚披露宴で贈った曲が音源化されまして。もともとレギュラーで4、5年間一緒にやらせてもらっていて。仕事仲間というより、友だちというか、かわいい後輩と思っているんです。だから心から祝福したいなと思って曲を贈りました。あの披露宴だけの曲にしようと思っていたんですけど、披露宴を見ていた方々から「いつ音源化するんだ」「二番はまだ?」「早くしろオーイシ」などの声をもらっていて(笑)。せっかくだから、バンドアレンジで音源化したものをお届けしたいなと思いました。
ちょうど「恋はエクスプロージョン (feat.田村ゆかり)」のカップリングの枠を考えていた時期だったんですよ。「こういう曲できたんですけど、どうですか?」ってレーベル側に相談したらご快諾いただきまして。「売りたい」って気持ちがこんなにもない音源は初めてです(笑)。まったく商売っ気のない感じですね。「聴きたい人は聴いて」って感じです。友だちに贈った曲なので、なんなら僕はもう役割を果たしていて。でも出すからにはちゃんとパッケージしようと思って、自分でアレンジもして。親と一緒に聴いても恥ずかしくないようなポップスにしています。
――すごく綺麗な曲だから、他のかたの結婚式を飾ることになる可能性もありそうですね。
オーイシ:加藤純一くんのファンの方が「自分の披露宴や親への手紙の場面でかけたい」って思ってくれるような曲になればいいなとは思っていました。だからできるだけ綺麗にパッケージしています(笑)。
――<いつも笑わせてくれて ほんとありがとう><これからもよろしく僕らのヒーロー>という言葉は、加藤さんに贈った言葉ではありますが、私たちリスナーにとってのオーイシさんに対するイメージでもあるように感じています。
オーイシ:ああ、なるほど。そういうふうに捉えてもらえたら嬉しいですね。加藤純一くんの場合は「見られてなんぼ」ってところがあると思うので、一般的に少し破天荒なイメージがありますけど、実はすごく愛情のある人だと思うんです。僕も「誰かに笑ってほしい」とか「誰かに喜んでほしい」って気持ちの中で音楽活動やタレント活動をしているので、そのあたりは共通項としてあるのかもしれません。
誰かのためを想って、は本当に尊いこと
――「誰かに笑ってほしい」「誰かに喜んでほしい」というのは根底にある気持ちだと思うんですが、スランプを経て、オーイシさんの中で音楽の存在って何か変わりましたか。
オーイシ:スランプを経て思ったのが、音楽って部屋にこもってひとりで作っているようで、誰かしらの力が働いてできているんだなと意識するようになりました。その誰かしらというのは、チームのメンバーだったり、お客さんだったり。「誰かのための曲」ってすごく尊いなと思うんです。アニメソングも誰かのための曲じゃないですか。そのアニメの曲の役に立ちたい、そのアニメを見ている方の役に立ちたいという思いで曲を書いているので、「誰かのために何かをする」って、こんなに尊いことなんだと改めて気付かされましたね。あと、書けることが当たり前じゃないんだなって。
――ああ、なるほど。オーイシさんはもともと早いペースで曲を書く方だから、余計にそう思われるでしょうね。
オーイシ:こんなこと言ったら「病んでるのか、お前」って思われるかもしれないですけど……スランプのときに、いつでもクリエイターの筆って折られるものなんだなと思ったんですよ。特に最近、クリエイターさんが曲を書けなくなったり、ギタリストがイップスで弾けなくなったり、って話を耳にするんです。それって音楽の世界に限った話じゃなく、アートの世界でもあるんじゃないかなと……ライターさんもそうじゃないですか?
――はい。本当にそうですね。
オーイシ:ものを書く人って……いつでも書けなくなる可能性があるんだなと。ふと我に返ったときに握っていた筆のペン先が二股に分かれていたり、握っていた筆が曲がっていたりってことに気づいて、「あれ?」って。それで筆を置いてしまう。それってどんな天才にも、どんな凡人にも起こることなんだと。
――その先にあるライブも当たり前じゃないですよね。それはコロナ禍でも痛感しましたが。
オーイシ:そうですね。だから「推しは推せる時に推せ」ってよく言いますけど……コロナの付き合いが分かってきた今は「少し違うかもしれない」という気がしていて。「推しは推せる時に推せ」という言葉・文化ってこちら的にはありがたいですけど、ある意味、お客さんに頼りきっているような気がするんですよね。そうじゃなく、お客さんの気持ちに甘えてちゃいけないなというか、自分が何ができていなかったのか、どういうふうに見られているのか、興行主のひとりとして改めて考えないといけないなと思いました。シビアではあるんですけど、その分やりがいもありますね。
――オーイシさん、いつも予算組まで考えられているのがすごいですよね。
オーイシ:ポニーキャニオンさんの会議に参加させられているんですよ(笑)。でも長くやればやるほど、欲が出てくるんです。誰もやってないギミックをやってみたくなる。そのバランスを取るために計算しなおすところも出てくるので、僕が描いている夢のステージとリアリティをちゃんとつなげるための会議って大事だなと思ってます。だからお声がけいただけるのはすごくありがたいことですね。
――Zepp公演はどうですか?
オーイシ:お陰様でソールドしています。でも例によって見込み券売率は下げた上で予算組みをしていたんです。「それよりプラスになっていたらいいね」なんて話をしていたんですが、ソールドして、本当に感謝しかなかったです。
――オーイシさんならではのライブをこれからも楽しみにしています。多岐にわたるお話をありがとうございました。
[インタビュー・逆井マリ]
「恋はエクスプロージョン (feat.田村ゆかり)」
アニメジャケット盤
価格:1,400円(税込)
通常盤
価格:1,400円(税込)
アニメイト特典:L判ブロマイド
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。
TVアニメ『恋は世界征服のあとで』作品情報
放送情報
2022年4月よりBS朝日,AT-X,テレビ愛知,TOKYO MXにて放送開始!
STAFF
原作:野田宏・若松卓宏 (講談社「月刊少年マガジン」連載)
監督:いわたかずや
シリーズ構成:杉澤悟
キャラクターデザイン:小林明美
音響監督:本山哲
音楽:宝野聡史、葛西竜之介
音楽制作:ポニーキャニオン、アップドリーム
プロデュース:ドリームシフト
アニメーション制作:project No.9
CAST
相川不動(レッドジェラート):小林裕介
禍原デス美(死神王女):長谷川育美
王子野隼人(ブルージェラート):興津和幸
神宮寺美咲(イエロージェラート):稗田寧々
轟大吾(グリーンジェラート):間島淳司
有栖川ハル(ピンクジェラート):日高里菜
魔島忌々(魔獣王女):花澤香菜
黒百合凶子(鋼鉄王女):金元寿子
宝条闇奈:佐倉綾音
乱乱(断罪王女):桃月なしこ
ビッグジェラート博士:茶風林
ボスラー大総統:杉田智和
カルバリンベア:安元洋貴
ヘル子:M・A・O
禍原ウラ美:橋本ちなみ
ナレーション:立木文彦