夏アニメ『異世界おじさん』おじさん役 子安武人さん×エルフ役 戸松遥さん×メイベル役 悠木碧さん×アリシア役 豊崎愛生さん、アフレコでされた変わったディレクションとは|《異世界組》声優座談会
累計200万部超のメガヒットコミック、新感覚の異世界コメディ『異世界おじさん』がTVアニメ化! 2022年7月6日より放送がスタートする。
メガドライブミニを囲みながら行われた『異世界おじさん』放送開始を記念した座談会Part.2。おじさん役 子安武人さん、エルフ役 戸松 遥さん、メイベル役 悠木 碧さん、アリシア役 豊崎愛生さんが登場。
おじさんが召喚された異世界「グランバハマル」で出会ったツンデレのエルフと心を閉ざした引きこもりのメイベル、そして駆け出しの冒険者アリシア。グランバハマル側とSEGAはあまり関係がないが、かなり濃い話が飛び交う座談会となった。
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――原作を読んでみて、いかがでしたか?
悠木碧さん(以下、悠木):表紙がかわいい女の子だと思って見てみたら、おじさんの描写がなかなかリアルで、そういう感じね!って。
戸松遥さん(以下、戸松):すべてがすごい設定ですよね! 今までにないというか、おじさんが帰ってきたところからスタートするところが衝撃で。
子安武人さん(以下、子安):タイトルだけ見たら、異世界でおじさんが活躍する話だと思うもんね(笑)。
悠木:異世界でおじさんが活躍していた話……でしたね。
子安:事後報告っていうね。しかも、ほとんど良い思い出ではない。(おじさんにとっては)あんなに酷いことがあった……そこに出てくる女の子たちってことだもんね。なので基本、僕に酷いことをしている子たちです(笑)。
悠木:でもみんな、おじさんのことが大好きなんですけどね……。
子安:そこだよね。でも、おじさんはそうは思っていないから。
悠木:好意が一切通用しなかっただけで、愛してはいるんです(笑)。
豊崎愛生さん(以下、豊崎):私、タイトルからして結構衝撃で、『異世界おじさん』と聞いてギャグなんだろうな、と思ったんですよ。
子安:それは間違えてないよ(笑)。
豊崎:異世界とおじさんって非現実とリアリティのあるワードが組み合わさっているから、一体どんな話なんだと思ったら、まさに『異世界おじさん』だった(笑)。
――絶対に読みたくなるタイトルですよね。
悠木:私、中身がおじさんでガワが幼女の役をやっていたから、仲間かな?と思ったらだいぶ違う種族でした(笑)。すごくパンチのあるヤツが来た!っていう感じでした。
豊崎:子安さんの前で言うのはなんですけど、主人公としては異色な、イケメンだったり頭がいいとか、そういうのじゃない……。
子安:もうブサイクだと言っちゃってくださいよ(笑)。
豊崎:いや、普通のおじさんがど真ん中にいるというのが面白くて(笑)。
子安:現代においてはいたって普通なんですよね。設定上、異世界は美形しかいないから、普通のおじさんがオークみたいな酷い顔に見える、というツラい状況だったというだけで。
悠木:異世界作品って、なりたい自分を投影して読んでいるところがあったけど、ありのままの自分で異世界に来たか!っていうのはありましたね。
子安:だから「そのままでいいんだよ」っていうメッセージはあるよね(笑)。オタクに優しい漫画ですよ。
悠木:そのオタク加減も、私よりもちょっと歳上のオタクな感じなんですよね。
豊崎:エッチな表現がちょっと古いとか。
悠木:そうそう!(笑)。
豊崎:古き良きオタクの要素ですね。
悠木:最近はステルスしているというか、「オタクだったんですか?」っていう人も増えたけど、おじさんって初対面から好きなものがわかる感じがあるじゃないですか。そこに何か歴史を紡いできた人を見た感じがするんです。
戸松:おじさんみたいな人たちが、オタクの基盤を作ってくださって、今があるんですよね。
――今はオタクがメインストリームに来てしまったことで、もう見分けがつかなくなってきていますよね。昔はオタクは少数派で、隠して生きていたので。そういう意味で、SEGAってマイノリティで、個人的にはカッコいいイメージであったのですが、皆さんは、SEGAとの思い出はありますか?
悠木:父がSEGA好きで、子供の頃、一番最初にもらったぬいぐるみがソニックだったんです。だから生まれたての自分とソニックが並んで写真に写っているのがあるんです。
子安:同じくらいの大きさなんだ。
悠木:ちょっとソニックが大きいくらいで、だんだんソニックを越していくというのが、アルバムに残されているんですよ。
豊崎:小さい頃のぬいぐるみってずっと覚えているし、持っているもんね。
悠木:結構大きくなるまでソニックと一緒だったんじゃないかな。ぽぽちゃんの傾けるとなくなるミルクをソニックに飲ませていたから(笑)。だからきょうだいみたいな感覚です(笑)。
豊崎:一緒に育ったんだね。
悠木:確かソニックと同い年(学年)なので。
豊崎:そもそも私、事務所がソニーグループなんです。プレイステーションとセガサターンってほぼ同時期に発売されて、当時小学生だった私は、クリスマスにお年玉を前借りして「どちらかを買おう」となったんです。そのとき私は、100%セガサターンが欲しかったんです。当時のせがた三四郎のCMを見て、欲しくて仕方がなくて!
子安:藤岡 弘、さんのCMね(笑)。
豊崎:本当に欲しかったんですけど、父親と地元のゲームショップに買いに行ったときに、父が「いや、絶対にプレイステーションだ!」と。でも私は「セガサターンがいいんだ!」ってケンカをしたのが、初めての父とのケンカです(笑)。
一同:(笑)
豊崎:反抗期もなかったのに、一番最初の父親との確執はそれなんです。結局、権力の差でプレイステーションが『リッジレーサー』と『闘神伝』とともにやってきたんですけど……。
そのとき、オトナになったら自分のお金で好きなゲーム機を買ってやる!と思って今に至るんですけど、いろいろ巡り巡って自分が事務所やレーベルがソニー・ミュージックになったから、あの頃からソニーの歴史は始まっていたんだなと、今は納得しています(笑)。
――そして、この作品でSEGAとの繋がりもできるという。
豊崎:そうですね。だからおじさんがセガサターンを手にしたときの満面の笑みは、すごくわかるんですよ(笑)。
――オトナになると、今ここに置いてあるメガドライブミニのようなものがあったりするので、思わず買ってしまいますよね。
悠木:私、世代がドリームキャストで、おじさんのちょっと後輩になるので、ドリキャスのミニも出てほしいんですよね。ドリキャスは、当時周りに持ってる人がいなかったので、みんなが家にやりに来ていました。
子安:うち、まだ現役機だよ。
悠木:うちも現役です!
戸松:すごい!!
悠木:『ナップルテール』という、それでしかできないゲームがあって、それをやりたいときに繋ぐんです。
――音楽が菅野よう子さんのゲームですね。
豊崎:その当時から、SEGAを選ぶ人は玄人!みたいな感じがあって、コアな人が選ぶゲームでしたよね?
子安:そうだね。ゲーム好きが遊ぶゲーム機みたいな感じ。
豊崎:実際難しくて、死にゲー(※ゲームオーバーになりやすい一人用ゲーム)も多かったですし……。
――戸松さんは思い出はありますか?
戸松:私、ゲームがダメな家で、まったくできなかったんですけど、従兄弟がゲーマーで、すべてのゲーム機を家に揃えていたんです。その時代の流行りのゲームをやっていたのを、私は傍観している感じだったので、見ていたけど触ったことはないんですよ。
でもその従兄弟の姿を見ながら、ゲームにハマるとこうなるんだなって思っていました。
悠木:あははは(笑)
戸松:だからゲームはスーパーファミコン以来やったことがなかったんですけど、あまりにも濃い3人の会話だったので、私だけ話が薄すぎる!って感じですよね(笑)。
ただSEGAというと、アーケードゲームの印象が強くて。田舎だったので、ひと世代古いアーケードゲームが1コインでやり放題みたいな感じだったので、そこでちょっと体験する、みたいなことはありました。
子安:SEGAは大型筐体が多いんだよね。『アウトラン』とか、乗り込んでやるゲームとか。
悠木:『ハングオン』とか。
子安:『スペースハリアー』とかね。
豊崎:アーケードの名作がたくさんありますよね。
――やはり濃い方々がキャストで集結しているんだなと感じます。だからこそ逆に戸松さんの存在が貴重というか。
悠木:それで言うと、キャラでもエルフちゃんって、一番リア充みがあるんですよね。
豊崎:エルフちゃんは、しっかり常識があるもんね!
(C)SEGA