蒼井翔太さんの約3年ぶりのツアーの熱気と興奮が詰まった『蒼井翔太 LIVE 2021-2022 WONDER lab. coRe』BD発売記念・蒼井翔太さんインタビュ──「蒼井翔太の今後がかかったツアー」という決意と覚悟の意味とは?
蒼井翔太さんの約3年ぶりとなったツアー『蒼井翔太 LIVE 2021-2022 WONDER lab. coRe』のライブBlu-rayが6月29日に発売!
2021年12月25日の福岡公演から2022年2月12日の東京公演まで、全国5カ所で行われたツアーで、デビュー曲「ブルーバード」から最新シングル「give me ♡ me」まで幅広く網羅。パフォーマンスはもちろん、衣装や映像演出にもこだわりが感じられるライブで、「Re」スタートにふさわしいツアーでした。
このライブBlu-rayでは大成功で幕を閉じたファイナルの東京ガーデンシアター公演の模様と、リハーサル初日から各会場でのライブや本番前後の様子を密着した「SHOUTA AOI LIVE DOCUMENTARY~make a coRe~」を収録。
「蒼井翔太の今後がかかっているツアーになる」と語る蒼井さんがどのような想いと決意でツアーに臨んだのか? 今一度ツアーを振り返っていただきつつ、ライブBlu-rayの見どころもご紹介いただきました。
自分とみんなの大きな決断と覚悟のおかげで成功したツアー。タイトル「coRe」に託した想いとは?
ーー全国5カ所で開催されたツアー『蒼井翔太 LIVE 2021-2022 WONDER lab. coRe』を振り返ってみた感想をお聞かせください。
蒼井翔太さん(以下、蒼井):ツアーが終わった今、思うことは、ツアースタッフさんと各会場のスタッフさん、来場してくださった皆さんと配信でご覧になってくださった皆さん、そして僕、一人ひとりの大きな決断と覚悟があったからこそ、このツアーを走り切ることができたんだなと。そして多くの方に支えられているんだなと再確認できたツアーでした。
ーー今回はツアーとしては約3年ぶりというワクワク感と共に、初日の12月25日の福岡公演から翌年2月12日の東京公演まで、冬に開催されるツアーということで、感染リスクを避けなければならないという緊張感も大きかったのでは?
蒼井:そうですね。2020年に開催する予定だったツアー『蒼井翔太 LIVE 2020 WONDER lab. DIMENSION』が中止になってしまって。
そこからこのツアーまでの間に、2021年に日本武道館でのオンラインライブ『うたいびと』もありましたが、このツアーが再スタートという意味と、この3年の間の成長を見せつつ、蒼井翔太の今後がかかっているツアーになるという強い決意もありました。
そんな想いはツアータイトルの「coRe」にもかかっていて、僕にとって大切な想いや核心という意味と、「R」が大きいのはリスタートとみんなとの再会という意味があって。
約3年ぶりにみんなと会って、お互いに温めて、膨らませてきた時間と気持ちを確かめ合いたい想いが強かったです。そして、このコロナ禍でのツアーを走り切れたら、僕にとってまた大きな一歩になるという、強い決意と想いを表現しています。
ーー今回のツアーロゴにも意味が込められていそうですね。
蒼井:二重の円の中に黒い丸があって、照準にも見えますが、それぞれに意味があって。ソロライブやツアーでは僕が中心にいるけれど、その周りには支えてくれたり、応援してくれるたくさんの方がいてくださるという感謝と、僕がいつも掲げている「変わらず、変わる」というモットー通りに、自分がやっていきたいことに照準を合わせてまっすぐに進んでいきたいという想いも表現できたかなと思います。
ーー今回はアルバムなどを引っ提げてのツアーではないので、セットリストを決める際も自由度が高かったのでは?
蒼井:ただ一番直近に当たるシングル曲「give me ♡ me」も歌いたいし、ツアー『DIMENSION』で披露する予定だった曲もあるので、「どれをセットリストに入れようか?」と迷いに迷いました。
でも僕の中で届けたい、歌いたいと思った曲と、皆さんが大好きな人気曲を50:50で織り交ぜた感じになりました。
前回のツアーから3年ぶりにみんなと会う時、何を伝えたいのかを考えたら、「シンプルに自分の声と曲を届けたい」って。だからいつも視覚的にも魅せるステージを意識していますが、今回は構成もセットも自然とシンプルになりました。
ーーデビュー曲の「ブルーバード」から「give me ♡ me」まで、年代も幅広く網羅されていて、アニバーサリーのベストライブみたいだなと感じました。
蒼井:年数を重ねて、曲数も増えていくと、どうしてもライブで歌っていない曲も出てくるんですよね。皆さんそれぞれ、好きな曲があると思いますが、ライブはいつでも取り出せるような宝箱みたいな存在でもありたいなと思って。
僕にとってもデビュー曲は大事ですし、それ以降の曲も自分の軌跡であり、みんなと一緒に作ってきたものなので、できるだけまんべんなく、歌っていきたくて。
ーー2曲目に「ブルーバード」を歌い始められた時は正直、驚きました。「もう? ここで?」と(笑)。
蒼井:確かにデビュー曲は終盤に歌われるイメージがあると思いますが、今回のセットリストは1曲目の「Tone」、2曲目の「ブルーバード」、3曲目の「Eclipse」という最初の3曲で、いろいろなバリエーションの蒼井翔太を見せられたかなと。
そして初めて僕のライブに来てくださった方だけでなく、普段ライブを見てくださっている方にも驚いてもらえたんじゃないかなと思います。
ーー「Tone」、「ブルーバード」ではハツラツとしたダンスパフォーマンスと弾む歌声でカッコいい蒼井さん、「Eclipse」ではワイルドで情熱的な蒼井さん、「絶世スターゲイト」ではクールな蒼井さん、「タッチ ツー テイク トリコ」ではかわいい蒼井さんと、いろいろな蒼井さんを感じることができました。
蒼井:皆さんから「曲によって歌声や歌い方が違って聴こえる」と言われますが、それをステージで体現できたのであれば嬉しいです。そう感じてもらえたのなら、ここまでのアーティスト活動やライブ活動が成長させてくれたんでしょうね。
ーー「ブルーバード」のMVと比べても、パフォーマンスも洗練されいるし、表情にも自信があり、余裕さえ感じました。
蒼井:ありがとうございます。デビュー当時、よくアニメイトさんのリリースイベントで歌わせていただいたんです。今回ダンサーさんがたくさんいたけど、ダンス曲以外だと一人でステージ上を持たせるという面では、デビュー当時のことを思い出しました。
会場の大きさは違えども「ああ、こういう感じから始まったんだな」と、当時に戻れた気がしました。
蒼井さんの衣装それぞれにも強い想いとこだわりが!
ーー披露したジャンルもパーティチューンの「タッチ ツー テイク トリコ」、バラードナンバーの「Powder snow」、和テイストの「月下の華」や「MURASAKI」、ダンスナンバーの「Existence」などバラエティに富んでいました。
蒼井:セットリストを考える時にも改めて、いろいろなタイプの楽曲を歌わせていただいたなと思ったり、「こんなふうに見せたいんだ」と思いながら作ってきたんだなと再確認できました。
また「タッチ ツー テイク トリコ」の時など、みんなマスクを付けているけど、その下から見える瞳やまゆげの動きから「あっ、楽しんでくれているんだな」とわかるのが嬉しいんですよね。声を出せない、伝えられないもどかしさがあると思うけど、忘れられなかったのが初日の福岡公演で。
冒頭の3曲を歌い切って、MCに入るまでの給水から僕がMCを始めるまでみんながずっと拍手でつないでくれて、言葉とは別にみんなの心を受け取った感じがして、とても温かい時間だったことを覚えています。
ーー幕間では音ゲーみたいな映像で、拍手でお客さんが参加するコーナーもありましたね。
蒼井:皆さんのお手を拝借して(笑)。後半に入るので、ここでまた一体感を強めてもらえるようにリズムゲームを考えましたが、みんな息がピッタリで。キャラクターは「ダメダメ」なんてチャチャを入れてましたけど(笑)。
初日からみんなが拍手で一生懸命気持ちを伝えてくれたり、ライブを盛り上げようという想いを感じていたので、一体感を作ろうなんて意識する必要がなかったし、むしろ幸せな気持ちにしてもらえました。
ーーそして蒼井さんといえばこだわりの衣装も見どころですよね。
蒼井:一着目は『DIMENSION』で着るはずだった衣装で、時間が止まってしまってあの時と今を何とかしてつなげたいと思って。
当時、衣装さんが衣装を作り始めていたもので、そのまま完成させていただけませんかとお願いしました。今までにないフォーマルでスタイリッシュな感じの衣装で、僕も気に入っています。
二着目はいつか挑戦してみたかったゼブラ柄で、一生懸命シマウマの画像を見ながらデザイン画を描きました(笑)。それを衣装さんに見せて「これをやってみたいんだけど」と言ったら新鮮な反応をしてくれて。
スタッフさんは僕と感性が似ていたり、チャレンジが好きな人たちなので、すぐOKしてくれてありがたかったです。
三着目は「ザ・蒼井翔太」ともいえるジーンズ地の和洋折衷のドレスです。声優アーティスト界では前例がないことをやってきたなと思っていて。歌声や歌い方、男性的にも女性的にも、中性的にも見える容姿だったり。
蒼井翔太にしかできないライブや表現をこれからも続けていきたいという意志表明的な衣装になったかなと思っています。
ーーあのデニム地の衣装を見た時は衝撃を受けました。どこからあの発想は出てきたんだろうかと。
蒼井:僕自身が蒼井翔太を楽しんでいることが大きいのかもしれません。後半に入るところで、和テイストだけだと「give me ♡ me」などダンサブルなゾーンに入った時、違和感がありそうで。ダンスゾーンでもマッチする素材といえばジーンズかなと。
ドレスのパーツは着脱できるようになっていて、この衣装最初の「零」を歌ったらはずしていました。でもファイナルの東京公演前に「次の『flower』もこれで歌ったらおもしろいかも」と思いついて、リハーサルで「flower」の次の「UNLIMITED」までの流れを急きょ練習して、そのまま本番に臨みました。
だからあの衣装で「flower」を歌ったのは東京だけです。あと帯も会場によっては紫と緑を付けはずししているので、各会場で違った見え方になって満足しています。衣装さんがすごく時間をかけて作ってくださったので、とても誇りに思っている衣装です。
このBlu-rayのジャケットでもこの衣装と最初のフォーマルの衣装の2パターンを着ていて、ツアーを代表する衣装になったと思います。