十五周年だからこそ言える当時の収録・制作秘話も! 声優・櫻井孝宏さん、中村健治監督、山本幸治プロデューサーが登壇したTVアニメ『モノノ怪』十五周年記念祭をレポート
あなたが選ぶ『モノノ怪』の名場面
さて、ここからは現在十五周年記念サイトで開催されている名場面投票の中間結果発表です。こちらは、まだ現在も投票受付中ですが、すでに5,000票を超えているとのこと。中間結果発表では以下のような場面がトップ3にランクインしました!
第3位:第8話「鵺 前編」から薬売りが“うっかり、うっかり”と言うシーン
第2位:第1話「座敷童子 前編」から薬売りがお札を壁に放つシーン
第1位:第12話「化猫 大詰め」から最後のシーン
第3位の「鵺」ではお香が登場しますが、実際にお香を体験しながら打ち合わせをしたそうで中村監督も勉強になったと話します。
第2位はビジュアルセンスが圧倒されるシーン。腕の振り方、着物の動きひとつひとつが美しく、このシーンから『モノノ怪』に魅了された方は多いのではないでしょうか。このシーンについて中村監督は薬売りのカッコ良さを出すためにすごく悩んだそうです。
そんな薬売りのカッコ良さが前面に出ている第12話最後のシーンが第1位にランクイン。「猫さんを撫でている穏やかで優しい表情の薬売りさんがずっと大好きです」「お顔が麗しい」「猫さんが可愛すぎる」など、たくさんのコメントが寄せられました。
これまでとは少し雰囲気が変わっている最後のシーンの薬売りについて「冷静に考えて同じニュアンスは今出せない」と答える櫻井さん。15年という月日が経過しているからではなく、当時は自分の中でいろいろなことを考えながらやったトーンとニュアンスだからこそ、今では出せないと話します。
また、「化猫」を描くにあたり、ある動物好きなアニメーターさんの話を打ち明ける中村監督。なんと、そのアニメーターさんが登場する猫を全部描いたそうです。その流れで薬売りも描いてもらった結果、とても美しくなったという制作秘話を披露しました。この話に会場のファンも思わず息を呑みます。こういう制作秘話が聞けるのも、十五周年のイベントならではですね。
『モノノ怪』の名場面はたくさんありますが、皆さんはどのシーンが印象に残っていますか? この十五周年記念名場面投票企画は8月14日(日)23:59まで実施されるので、まだ投票されていない方はぜひご参加ください!
名場面投票キャンペーンはこちらから!
黒衣装に身を包んだ薬売りがスクリーンに登場!
続いては、皆さまお待ちかねの解禁情報のコーナーです! 今回の十五周年記念祭で発表された情報はこちらをご覧ください。
▼劇場版『モノノ怪』制作決定&2023年公開予定!特報映像も公開
会場でも大きなため息が漏れたのは、2023年劇場公開決定の発表。薬売りの新規ボイスが入った特報映像も公開されました。TVアニメの放送後、続きをいつかやりたいなと思っていたキャストとスタッフ陣。劇場版制作のきっかけは2018年後半〜2019年頭頃で、この道のりがすごく長かったと山本プロデューサーも感極まります。
画面に映し出された特報映像の薬売りはTVアニメとは違った黒衣装。以前、山本プロデューサーが自身のTwitterで中村監督とのオリジナル作品の企画が進行中と発表した際、その作品のコードネームが「夜伽YOTOGI」で舞台が大奥であるということに言及します。
煌びやかで鮮やかな大奥と同じく、薬売りも同じ華やかさを持っているので一緒にすると混じってしまうことから、場を締める意味でダークな色に身を包んだ薬売りになったそうです。“夜伽”、“大奥”と気になるワードが出てきましたが、果たして劇場版にどう関係してくるのか楽しみです。
なお、今回の劇場版は新しいテクスチャーを使用。TVアニメでは和紙やCGを使ったテクスチャーに驚かされましたが、劇場版はいろいろとバージョンアップしているのだとか……!
また、山本プロデューサー曰く「中村監督はいつも“現代性”をどう入れるかをすごく考える監督」とのこと。劇場版のテーマや軸がどのようなものになるのか、いつか語られるであろう日をいちファンとして楽しみに待ち続けたいと思います。
そして、櫻井さんの新規ボイスを聞いて、中村監督の中で薬売りがアップデートされたという話も。櫻井さんの声なしでは薬売りは描けないと語りつつ、中村監督の脳内にいる薬売りはポーズを決めてはキザな感じを醸し出していると笑いを誘います。
▼特報映像
劇場版の公開も楽しみですが、そのほかクラウドファンディング企画、舞台制作の決定、十五人絵師ビジュアル企画など十五周年企画は盛りだくさんの内容となっています。
さらに、6月24日(金)18時〜ノイタミナ公式YouTubeチャンネルにて『怪 〜ayakashi〜』化猫全3話&『モノノ怪』全12話一挙配信も決定。筆者自身、十五周年企画の発表をきっかけに『モノノ怪』を見てハマったクチですが、一度ご覧いただければなぜ多くの人が魅了されるのか、その理由がわかります。
独特の世界観、テンポ感のいいストーリー展開と奥深さ、斬新なカメラワーク、映像、音、色……すべてが見事に融合したこの作品に一気に引きこまれるでしょう。この十五周年というお祭りを機に、気になっているけれど見たことがないという方はぜひ一挙放送をご覧ください。
なお、本イベントの模様はアーカイブでもご覧いただけますのでチェックしてくださいね!
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