アニメ『よふかしのうた』七草ナズナ役・雨宮天さんインタビュー|大人になれないなぁと思っている方に観て欲しい
ナズナとコウの掛け合いでは、ナズナの存在感やコウと対等であることを意識
――ナズナを演じる雨宮さんからみたコウの印象は?
雨宮:よくわかんない子だなぁと思いました。中学生にしては随分大人びていて、感情の起伏が少ないですし。でも大人かと言われるとそんなことはないですし、最初は悟っている感じのようにも思えたのですが、ナズナとの掛け合いを見ていると年相応な部分も見えてくるし、本当に掴みどころがないなと。
でもそれがある意味リアルに感じたんです。コウの掴めなさが記号化されていないリアルな中学生像なのかなって、こういう子も多分いるんだろうなと思いました。
――では、アニメで佐藤さんの声が入ったコウの印象はいかがでしょうか?
雨宮:まず原作を読んだ感じだと、無色透明のスライムのような掴めなさがありました。でもアニメで元くんのお芝居が入ったことで、血が通った子になったなと感じました。元くん自身も人間臭いところがあるように思っているので、そこの相乗効果もあるのかなと。
元くんはコウのことをしっかり考えて感情をお芝居に乗せてくれるので、ひとつひとつの反応だったり、発言の裏側だったりに思考回路があるんです。だからそういうテンションだったんだっていう所が見えてきて、受け入れやすいんです。こちらとしてもよりお芝居に感情が乗るし、それが凄く良いなって思ってます。
――コウと掛け合うナズナを演じる時はどのようなことに気を付けているのでしょうか?
雨宮:吸血鬼然としたカリスマモードの時は、コウには背負い切れないくらいの大きな存在であることを意識します。逆に普段の掛け合いでは、限りなく対等であることに重きを置きますね。
中学生のコウに対してナズナは大人で、ナズナ自身もそれを認識してはいるんですけれど、なんだかんだ対等に接しているように思うんです。変に小バカにしたり見下したりせず、子ども扱いすることも無くて。
例えばギャグシーンの中でそういう発言があったとしても、心から言っている訳ではない。だからコウもナズナとずっと一緒にいるんだろうなって思っているので、そういう対等感は意識しています。
映像や原作をチェックする段階で、自分でもこのシーンはどういうテンションなのかなと想像はします。けれど実際の収録では掛け合いになるので、元くんがどういうお芝居で出てくるのかや、逆に私がナズナとしてお芝居をしたことに対して元くんがどう出てくるのかみたいになります。
その時のテンション感を大事にしているので、プランをあまり決めきらずに、その時その時で見ていて気持ちが良いと思ってもらえるように演じています。
とはいえ、ナズナは自分のペースがある人だと思うので、掛け合いによってはコウと盛り上がっていくシーンもありますが、ひたすら一定のテンションで当然のことを言っているみたいなテンションのところに、コウがガンガンツッコミを入れていくみたいなシーンもいくつかあって。
なので、シーンごとではありますが、必ずしもコウのテンション感にあわせる訳ではないのは、ナズナだからなのかなと思います。
――少し趣向は変わりますが、そんなコウとナズナを見ていてやってみたいなとか、いいなと思ったよあそびはありましたか?
雨宮:夜更かしをして誰かとゲームをするとかっていいなと思いました。『どうぶつの森』の新作が出た時なんかはひとりで夜中まで遊んだりするのですが、誰かと遊ぶというのはあまり無くて。
作中でも格闘ゲームをコウとナズナが遊ぶシーンがあると思いますが、あのような感じや『マリオカート』などをワイワイ言いながら遊ぶのは楽しそうだなって思いました。
――今度は雨宮さんご自身の夜更かしエピソードも聞かせてください。
雨宮:高校生くらいの時に、親が寝ている間にこっそり家を抜け出したことがあります。深夜の1時とか2時頃だったかな。一階に親の寝室があるので、玄関から出ようと思うとすぐバレちゃうのですが、その日は風が強い日だったので、風がゴウッと大きな音を立てて吹くのに合わせてドアを開けて飛び出しました。
絶対に寝ているんだろうなと思いつつ、ダメ元で仲のいい友達に連絡してみたら急遽会うことになりました。その友達も、わざわざ親が寝ている間に抜け出してきてくれたんです。それで、何するでもなく地元を自転車で回りながら話したりして、それだけでワクワクして楽しかったです。