ドタバタアイドル憑依コメディ『神クズ☆アイドル』TVアニメ今夜放送! 原作 いそふらぼん肘樹先生×福岡大生監督 対談インタビュー|「隅々まで小ネタが仕込まれています。原作を読まれている方は、見比べてみるのも面白いかもしれません」【連載 第1回】
“クズ“アイドルに“神“降臨⁉ ドタバタアイドル憑依コメディ『神クズ☆アイドル』(一迅社「月刊コミックZERO-SUM」にて好評連載中)が、 7月1日(金)より、テレビ東京・BS11・AT-Xほかにて放送・配信開始!
本作は、顔はいいのにまったくやる気のないクズアイドル・仁淀ユウヤと、神アイドル・最上アサヒの“幽霊”がタッグを組んで、アイドル界の天下一を目指す物語です。
放送を記念して、アニメイトタイムズでは連載インタビューを掲載。第1回目は、原作者のいそふらぼん肘樹先生、福岡大生監督の対談をフルボリュームでお届け。放送前・放送後にお楽しみください。
アニメ放送直前 率直な今の心境
――いよいよアニメ放送直前を迎えました! おふたりの今のお気持ちはいかがでしょうか?
いそふらぼん肘樹先生(以下、いそふらぼん):ようやくか!って感じです。長かった(笑)。実はアニメ化のお話をいただいてからは、結構な時間が掛かっているんです。漫画の場合は時間が掛かったとしても翌月には載るので、アニメのお仕事をされている方ってこんなに長いスパンで作品を作っているんだなと……。
福岡大生監督(以下、福岡):3年くらい掛かりましたもんね(笑)。実はコロナ禍に入って、企画が一度止まってしまったんです。で、ようやく動き出して。そこからは早かったです。いつもだったら放映日ギリギリまで作っているパターンが多いんですが、今回は作品の納品が早めに終わっていて。だから、今は解脱した感じを味わっています(笑)。悟りを開いているような感じというか……。
いそふらぼん:あははは。
――そしたら、おふたりの出会いもかなり前になるんです?
福岡:リモートで一度顔合わせしたあとに、一迅社でお会いしました。
いそふらぼん:事前に「監督は福岡さんという方がやられます」と聞いていたので、監督のWikipediaやTwitterを見て勉強してからいきました(笑)。それと福岡さんが携わられた『ゆゆゆ』(『結城友奈は勇者である』)を見ました。
福岡:自分も肘樹先生がどういうゲームをやられるかなどをリサーチしていましたよ(笑)。でもシナリオ会議のときにも話していたんですが、肘樹先生が好きなものを聞いて、何かその要素を入れる……というよりは、作品を読んで、そこから何か推測したり、読み取ったりするのが良いんだろうなと思っていました。でもまあ、肘樹先生のTwitterを追いかけると何が好きなのかわからないくらい、全方向に向かわれているから……。
いそふらぼん:毎秒違う話してますからね(笑)。
――(笑)Twitterを見て、いそふらぼん先生としては福岡監督に対してどのようなイメージをいただきましたか?
いそふらぼん: Twitterで頻繁に、過去に携わられた作品のお話もされていて、作品への愛情が深い方なんだなと思っていました。
福岡:監督が作品やキャラを愛してるって大切だと思うんですよ。
いそふらぼん:それはファンとしても、作者としてもありがたいですね。
シリアスさと明るさのバランス
――福岡監督は『アイカツ!』の演出や、『結城友奈は勇者である』の監督などを務められていますが、監督としてアイドルものを手がけられるのは初めてだそうですね。
福岡:そうですね。ただ、『神クズ』はアイドルものではあるんですけど、根底にあるのはスポ根だと思ってます。主人公はちょっとクズですけど(笑)。
――(笑)。監督から見て本作のどのようなところに魅力的だと感じられたのでしょうか。
福岡:そうですね……白目が多いなと。
いそふらぼん:神クズの良いところは、よく白目を剥くところです(笑)。たまに縦線が入ってね。私は漫画のギャグ顔が好きで。特に白目むいた顔、縦線が入ってる顔が好きなんですよ(笑)。だから白目と縦線だらけになりました。
福岡:『結城友奈は勇者である』のキャラクターデザインの酒井(孝裕)さんに言われたんですが……「僕も白目書きたかったですよ!」と。通常、アニメでは描かないんですよ。描けないという言い方が正しいんですけど。
というか「神クズ☆アイドルの魅力はなんですか?」と聞かれて、最初に「白目」って……(笑)。なんだかすみません。
いそふらぼん:いや、作者的には「そうよね〜わかる〜!」って感じです(笑)。
――「白目剥きがち!」というのは、Twitterでいそふらぼん先生もおっしゃっていましたものね(笑)。絵以外だとどうです?
福岡:全体的にキャラクターたちが楽しそうなんですよね。その一方で、どシリアスな面もある。だって死んだアイドルが生きてるアイドルに憑依するわけですから。描いてることはめちゃくちゃ難しいんです。でもそれを感じさせない謎の明るさがある。アサヒちゃん自身も「死んじゃったけどアイドルやれるならいいか〜!」って感じだし(笑)。
――そのバランス感は、監督の中で特に気を配ったところなのでしょうか。
福岡:そうですね。今回のアニメシリーズでは原作の1〜2巻で描かれている部分にスポットを当てているので、仁淀くん、アサヒちゃんの関係を中心に描いていくんですが……正直、どこまでシリアスに描くべきかはめちゃくちゃ悩みました。死を描いているので笑えない部分もあるんです。でもアサヒちゃんの明るいセリフを読んで「思いっきり笑ってもらおうか!」と切り替えました。
いそふらぼん:本人はあまり気にしてないですからね(笑)。
福岡:ね(笑)。