TVアニメ『takt op.Destiny』オーケストラコンサートの公式レポートが到着! 若山詩音さん、本渡楓さん、伊藤美来さんら声優陣が出演!
2021年10月にTVアニメが放送された、クラシックの楽曲をモチーフにした少女たちが戦う『takt op.Destiny(タクトオーパス デスティニー)』。
2022年6月19日(日)に東京・Bunkamura オーチャードホールにて、「takt op.Destiny オーケストラコンサート」が開催されました。
指揮者の榊真由さん率いるSTAND UP! ORCHESTRAと、ピアニストの石井琢磨さんが演奏を担当し、コゼット役の若山詩音さん、アンナ・シュナイダー役の本渡楓さん、巨人役の伊藤美来さんら声優陣も登壇。
声優陣が指揮者体験に挑戦するなど、大きな盛り上がりを見せた本コンサートの公式レポートが到着しています。
『takt op.Destiny』オーケストラコンサート公式レポート
2022年6月19日(日)に東京・Bunkamura オーチャードホールにて、『takt op.Destiny オーケストラコンサート』が開催された。
演奏は、指揮者の榊真由さん率いるSTAND UP! ORCHESTRAと、ピアニストの石井琢磨さん。運命/コゼット役の若山詩音さん、アンナ・シュナイダー役の本渡楓さん、巨人役の伊藤美来さんらキャスト陣も登壇した豪華なコンサートの模様をお届けする。
「今から少しだけ昔、流れ星が空いっぱいに降った夜、きらきら輝く美しい石が、この星に落ちてきました」と、謎の敵D2やそれと戦うムジカートが現れた経緯を説明するナレーションから第1部が開幕。
ベートーヴェンの「交響曲第5番『運命』第4楽章」のピアノバージョンが、観客を『takt op.Destiny』の世界へ誘っていく。
アニメ1話の冒頭では、音楽を知らない少年の前で主人公・朝雛タクトがこの曲をピアノで弾いて見せた。まさに本コンサートの幕開けにふさわしい楽曲といえるだろう。
さらに、タクトの「さあ、演奏会の始まりだ」というセリフを合図に、ベートーヴェンの「ピアノソナタ第14番『月光』第1楽章」へと続く。
ステージ上のスクリーンにはコゼットとタクトによるピアノの連弾シーンや、彼女が運命へ変貌する様子が映し出され、ピアノの重々しく悲しげな調べが、タクトを襲った別れの痛ましさを表現する。
3曲目は、『運命』のアニメオリジナルアレンジ版である「Symphony No.5 C-minor(Fate)」。ここからはオーケストラも交えた壮大な演奏によって、アニメの様々なシーンが鮮やかに蘇る。
さらに、チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番 第1楽章」、ベートーヴェンの「ピアノソナタ第8番『悲愴』第2楽章」と、2話でタクトやコゼットが弾いていた曲が演奏された。
そして始まったのは、特別コーナーの指揮者体験。
『takt op.Destiny』には、タクトのようにコンダクターと呼ばれ、ムジカートとタッグを組む指揮者が登場することから、キャスト3人とピアニストの石井さんが指揮にチャレンジするという。
課題曲は、誰もが一度は耳にしたことがあるだろう「ジャジャジャジャーン」から始まる『運命』の冒頭部分だ。
指揮者のオーディションにもよく使われる難曲で「初めて挑戦したのは、指揮者の勉強を始めて4年目」だったと語る榊さんが、4人へ指揮棒の構えや振り方をレクチャー。
まずは「アニメの収録前に、『運命』を生で聞かなきゃと思って、コンサートに行った」と話す若山さんが挑戦し、それに伊藤さん、本渡さんが続く。
緊張しつつ3人とも堂々とした立ち振る舞いを見せ、榊さんからは「左手の使い方を教えていないのに、みなさんできていて素晴らしい。普通は指揮の勉強を始めて1年くらいしてから、やっと左手で音を切るということを習うんですが、それを5分でやってしまうとは」と称賛の言葉が。
また、本渡さんは「思った以上にオーケストラのみなさんと目が合うんですね。それだけ指揮者は頼りにされる存在なんだとわかりました」と語った。
トリを務めたのは、指揮は初めてだという石井さん。「今日のピアノ協奏曲より練習してきました」という言葉も納得の完璧な指揮を披露し、会場からは大きな拍手が送られた。
アニメのオープニング映像が流れ、ワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー第1楽章への前奏曲」で開幕した第2部は、タクトや運命以外にもスポットがあたる内容となった。
7曲目はアニメに登場したムジカートであるワルキューレ、地獄と天国、地獄のオルフェ、そして巨人の元となった楽曲のメドレー。
ワーグナーの「ワルキューレの騎行」、「天国と地獄」という邦題が有名なオッフェンバックの「地獄のオルフェ」の序曲とお馴染みの曲が続き、観客のボルテージも上がっていく。
そして最後のマーラー「交響曲第1番『巨人』第4楽章」では、レニーと巨人が地獄と天国を相手に激闘を繰り広げるシーンが映し出され、タクトを優しく導いたレニーを思わせる温かな音色が会場を包み込んだ。
この曲について伊藤さんは、「巨人とレニーとの思い出がギュっと詰まっている曲で、胸にこみ上げるものがありました」と感動を熱く語った。
チェロ奏者でタクトの父・ケンジに師事していたレニーに関する楽曲がさらに続き、マーラーの「交響曲5番 第4楽章『アダージェット』より」へ。
ケンジを失った悲劇や巨人との出会いなど、レニーの軌跡が繊細な旋律で紡がれ、そこに伊藤さんの「巨人がいつだって笑顔でいるから。約束!」というセリフが重なる。
さらに、同曲のピアノ・チェロバージョンが奏でられ、10話ラストシーンのレニーが見た夢を再現するという演出が、観客の涙を誘った。
そしてコンサートはいよいよクライマックスに突入。若山さんの「開演!」のセリフで始まった最後の楽曲は、ベートーヴェンの「交響曲第5番『運命』第4楽章」。
第1部ではピアノバージョンで披露されたこの曲が、今度はオーケストラバージョンで奏でられる。スクリーン上で地獄のオルフェと壮絶なラストバトルを繰り広げる運命の姿が、力強いオーケストラの演奏によって彩られ、さらなる迫力をもって胸に迫ってきた。
演奏終了後も鳴りやまないアンコールの拍手に応えて、キャスト陣が登場。
若山さんは「すごく緊張していたんですが、楽しく演奏を聞かせていただき、指揮者の体験もすることができて、本当に素敵な機会になりました」とコメント。
また伊藤さんは、「こんなに素敵な作品に関わらせていただいたんだなと改めて実感しましたし、音楽の力はすごいなと肌身に感じました。今度は客席でオーケストラの音を聞きたいなと思ったので、クラシックのコンサートに足を運んでみたいです」と笑顔を見せた。
そして本渡さんは、「私たちと年齢層の近いSTAND UP! ORCHESTRAのみなさんの演奏を聞いて、よりクラシックやオーケストラを身近に感じることができました」と語り、アニメファンとクラシックファンが一堂に会したこの貴重な機会に感謝した。
最後に演奏されたのは、タクトが旅の間作曲していた「With Love」。アニメ最終話、海辺で横たわるタクトが運命に聞かせたあの曲だ。
戦い抜いた2人を柔らかく癒すような音色が会場に響き渡り、大きな拍手が沸き起こる。
その後、エンディング映像が流れ、アニメのラストと同じく「行きましょう。コゼット、運命」というアンナの決意がこもったセリフで、大盛り上がりのオーケストラコンサートは幕を閉じた。
また本コンサートでは、月刊コミックアライブでの『takt op.Destiny』コミカライズ化も発表された。
アニメのストーリーがアンナ視点で描かれるとのこと。今後リリースが予定されているアプリゲームと合わせて、続報を待とう。
『takt op.Destiny』オーケストラコンサート概要
公演:『takt op.Destiny』オーケストラコンサート
日時:2022年6月19日(日)14:00開演
会場:Bunkamuraオーチャードホール
出演者:石井琢磨(ピアノ)、榊真由(指揮)、STAND UP! ORCHESTRA(オーケストラ)
ゲスト:若山詩音(運命役)、本渡楓(アンナ・シュナイダー役)、伊藤美来(巨人役)