夏アニメ『リコリス・リコイル』錦木千束役 安済知佳さん×井ノ上たきな役 若山詩音さん スペシャル対談|楽しかったアフレコのノリをそのまま詰め込むことができた。【連載 第4回】
2022年7月2日より放送がスタートするオリジナルTVアニメ『リコリス・リコイル』。監督・足立慎吾さん(代表作『ソードアート・オンライン』)×ストーリー原案・アサウラさん(代表作『ベン・トー』)×キャラクターデザイン・いみぎむるさん(代表作『この美術部には問題がある!』)×制作・A-1 Pictures(代表作『かぐや様は告らせたい』)という、スタッフ陣を見るだけで、どんな物語が展開されるのか、ワクワクしていることだろう。
アニメイトタイムズでは、作品誕生の経緯や声優陣の演じるキャラクターに対する想いに迫る放送開始直前の連載インタビュー(全4回)を実施中。最後となる第4回は、錦木千束役 安済知佳さんと井ノ上たきな役 若山詩音さんが放送目前にして『リコリス・リコイル』を語りまくる!
掛け合いを重視したというアフレコでの思い出は?
――『リコリス・リコイル』はオリジナル作品となりますが、資料を見たときにどんなことを感じましたか?
安済知佳さん(以下、安済):初めて資料を見た時から、綿密に練られたものであることは見てわかったんです。その資料には、アニメを通してどんなことを伝えたいのかというテーマが書かれていたんですけど、それが、ちょうど私がその時期に考えていたことでもあったんです。とにかくそれに共感したので、その思いを何かの役で伝えたい!と思いました。
ただオーディションで来た役が千束とたきなで、台本と資料を読んだ限りでは、自分が演じられる気がしなかったんです。この2人で受かる可能性は低いだろうけど一生懸命やって、別役でこの世界に入れたら嬉しいなという気持ちでテープを提出したんです。そしたらスタジオに通りましたと言われて。
個人的にはたきなのような真っすぐで真面目で、周りからクールに見られるけど熱い女の子は演じることがあったので、通るならそっちかなと思っていたら「千束です」と言われて、「千束っっっ!!!」ってなりました(笑)。
――意外なほうが通ったのですね。
安済:スタジオオーディションは掛け合いでのオーディションだったのですが、ご一緒した方のたきなとやったときに、初めて千束というキャラクターがわかった気がして「うわ~~!!」ってなったんですよね。だから本当にその方のおかげと言っても過言ではないですし、会話をしないと出来上がらないキャラクターだったんだなと思います。
そこから受かったと聞いたときは嬉しかったですし、別現場で詩音ちゃんに「お願いします」と言われて、「え? 相棒なの? やったー!」って二重で大喜びしました。
若山詩音さん(以下、若山):嬉しい。
――若山さんはいかがですか?
若山:資料を見たときに、世界観が今とかなり共通する部分があると感じていて、そこにまず惹かれました。治安が良いというのは日本人の意識の高さからなのかなと、何の疑いもなく思っていたところに、実は裏でこういう子たちが活躍しているからではないかという問いかけが組み込まれていることに、すごく刺激を受けたんです。
しかもその子たちが、女子高生の制服を着て世の中に紛れている。そこが面白かったし衝撃的だったので、これは絶対にやりたい!と思いました。
オーディションではたきなだけを受けたんですけど、たきなは、私にとってかなり等身大の子のイメージだったんです。冷静とか、クールに見えるという特徴はあるんですけど、実はそこはあまり意識していなかったかなって。
なのでスタジオオーディションでは、とにかく会話に集中しようと思いました。たきなって子を借りた自分で、千束役の方とぶつかったり、掛け合いをしたりしていたんです。なので、あまり役のイメージに引っ張られすぎないことは意識していたと思います。
安済:オーディション資料には、掛け合いとか会話の心地良さを大事にしたいとも書いてあったんです。スタジオオーディションも緊急事態宣言が明けてからやりますと言われたので、どうしても掛け合いを聞きたいんだ!って思った記憶はすごくあります。
若山:掛け合いをやらせていただけるということが、そのときの状況では珍しいことだったので、オーディションで掛け合いをやらせていただけるなんて嬉しい!って思いました。
――ちなみにたきなの手応えとしては?
若山:正直何もわからなくて、手応えは全然わからなかったです。でも、自分の全てをぶつけてこれたとは思っていました。なので、後味はスッキリっていう(笑)。
安済:あとは祈るだけ!みたいな感じだね。
若山:だから受かったときはめちゃめちゃ嬉しくて! この世界観の中で、たきなの人生を追いたかったですし、関わらせていただきたいと思っちゃっていたので、参加できることがすごく嬉しかったです。
受かったときに「お相手は安済さんですよ」と聞いていたので、ちゃんとマネージャーさんに「安済さんに言ってもいいですか?」と確認してから、伝えました(笑)。
安済:そうだったんだ(笑)。私は当時新人だったマネージャーが恐る恐る「電話していいですか?」って連絡してきて、何かやらかしたのかな?って思っていたら、すごく緊張しながら「『リコリス・リコイル』受かりました」って言ってきて。「え? いい話だけど、何そのテンション?」みたいな感じだったから、嬉しい気持ちと、マネージャー大丈夫ですか?って感情で、相手役を聞きそびれていたんですよね(笑)。
――相手役が安済さんと聞いたときは、どう思ったのですか?
若山:安済さんは本当に変幻自在で、会話が柔らかいというか、どんな形にでもなれるんですよ。びっくりするような弾をいっぱい投げてくださるイメージがあったし、そこがすごくすごく好きだったので、一緒にやらせていただけることが嬉しかったです。
安済:嬉しい。前に詩音ちゃんと共演したときは5人のチームみたいな感じだったんだよね。そこでは同じチームだけどグループは分かれていて、どちらかと言うと、掛け合いをしているのを見ていることのほうが多かったんです。その作品も掛け合いを大事にしている現場だったので、今回2人でたくさん掛け合うことができるのが本当に楽しみで。
たきなって、熱いものがあって真っすぐで、でも周りから見るとクールに見えたり、自分よがりに見えてしまう。それをあざとくなく表現できる。さっき等身大と言っていましたけど、それができる人だと思っていたので、めちゃめちゃ楽しみでした。