音楽
夏アニメ『オリエント』第2クールOP・EDアーティスト鼎談インタビュー

夏アニメ『オリエント』第2クール「淡路島激闘編」OP・EDアーティスト鼎談インタビュー|花村想太さん&Lil' Fangさん、梶原岳人さんがお互いの楽曲の良さを語る! 花村さんは梶原さんの内面も分析!?

別冊少年マガジンで大好評連載中の大高忍先生による漫画『オリエント』。本作のTVアニメが2022年1月より放送され、第2クール「淡路島激闘編」が7月11日(月)より放送開始となります。

第2クールのOPテーマは、第1クール「安芸旅立ち編」のOP「Break out」を担当したDa-iCEの花村想太さんと、FAKYのLil' Fangさんによる「Break it down」に決定。

第2クールのEDテーマは、本作に尼子勝巳役として出演する声優・梶原岳人さんが歌う「色違いの糸束」に決定しています。

このたび、アニメイトタイムズでは、第2クールのOP・EDアーティスト3名への鼎談インタビューを実施!

制作時やレコーディングでのエピソード、お互いの楽曲を聴いての印象など、音楽面はもちろん、『オリエント』の魅力についてもたっぷりと伺いました。

嬉しさの反面、プレッシャーもあった主題歌オファー

――『オリエント』第2クール「淡路島激闘編」(以下、第2クール)の主題歌を担当することが決まったときの感想を教えてください。

花村想太さん(以下、花村):僕にとっては第1クール「安芸旅立ち編」(以下、第1クール)から連続で『オリエント』に携わらせていただけるので、本当に幸せです。

第1クールのオープニング主題歌は「Break out」、そして今回は「Break it down」というタイトルで、どちらも“Break”が入っていますが、これは僕が『オリエント』に“壊す”や“常識を打ち破る”というイメージを持っているからです。

そのイメージは残したまま後輩のリル(Lil’ Fang)とより高い壁を打ち壊していこうという思いで「Break it down」と名づけました。

Lil’ Fangさん(以下、Lil’ Fang):私は普段から空き時間は全てアニメ鑑賞に注いでいるくらいアニメが大好きな、いわゆるオタクと呼ばれる人間なんですが……。

『オリエント』も原作マンガを読んでいましたし、第1クールも観ていたので、第2クールのオープニング主題歌を担当させてもらえると決まったときはめちゃくちゃ嬉しかったです。

一方で、尊敬している(花村)想太さんと一緒に歌うことはプレッシャーの嵐で、正直「大丈夫かな」と不安もありましたが、最初に想太さんからいただいた「Break it down」のデモを聴いた時に、「壁を打ち壊して越えていこう」という思いを強く感じたので、「私も勇気をもって楽曲と向き合いたい」と思いました。

――嬉しさとプレッシャー、どちらのほうが印象深いですか?

Lil’ Fang:あえて選ぶならプレッシャーでしょうか。尋常じゃないぐらいの手汗をかきましたね(笑)。

でも、嬉しかったのも本当です。何度も何度も聴くぐらい大好きな楽曲になりました!

――梶原(岳人)さんは、エンディング主題歌に決まったときの心境はいかがでしたか?

梶原岳人さん(以下、梶原):僕も嬉しかったです。ただ第2クールでは尼子勝己役として出演しているので、Lil’ Fangさんと同じようにプレッシャーもすごく感じていました。

役者としてもアーティストとしても視聴者の記憶に残ると思うので、その両方で『オリエント』を支えるという責任感は大きかったですが、僕なりに一生懸命やらせていただきました。

3人が感じる『オリエント』の魅力は?

――改めて、みなさんが感じる『オリエント』という作品の魅力を教えてください。

Lil’ Fang:たくさんあります!

バトルマンガは、チートスキルといいますか、特別な力を主人公が持っていると、すいすいストーリーが進む場合もあるじゃないですか。でも『オリエント』は、武蔵たちが何度もつまずいて何度もやり直す中で成長しているんです。

また、勝ち負けに対する考え方もリアルで厳しい。そんな誰もが痛みを抱えながら進んでいる姿を見ると、「自分ももっと真剣に生きよう」という気持ちになりますね。まぁ、武蔵たちくらい壁にぶち当たっていたら、多分私は心が折れますけど(笑)。折れない武蔵たちは本当に凄いと思います。

花村:歌詞の中でも言っていることですが、人が夢を追いかけるときに最初に邪魔してくるものは、自身のネガティブな感情だと僕は思っています。『オリエント』ではこの葛藤が丁寧に描かれていて印象的でした。

リルも話していたように、多くの少年マンガの主人公は「俺はこうなんだ!」と我が物顔で突き進んでいく場合もあると思うのですが、武蔵たちは「無理だろ」という消極的な気持ちと向き合い、自分の夢をきちんと口にするところからスタートしています。

そんな彼らのひたむきな姿を音楽にしたいと思って「Break out」を書いたので、そのときの強い心を持ち続けてほしいという気持ちで「Break it down」も書きました。

――花村さんも夢を語るのが怖かったのですか?

花村:怖かったですね。小学6年生のときにはもう歌手になりたい気持ちが強かったのですが、それを言葉にすることができませんでした。当時の文集には、父親がパン屋だったこともあって「将来の夢:パン屋」と書いていました。

なので、第1クール第1話の武蔵の葛藤はすごく共感できましたね。

――梶原さんはどうですか?

梶原:『オリエント』は魅力的なキャラクターがたくさん登場しますが、どのキャラクターも共感できるポイントが多いですね。

尼子勝巳役を担当することが決まってから原作マンガを読み始めたので、どうしても勝巳目線で物語を追ってしまいがちなのですが、それを抜きにしても勝巳と自分が重なる瞬間が多かったです。

――たとえばどのような部分でしょうか?

梶原:彼は尼子武士団の当主の子息で、リーダーとして強い自分を見せ続けないといけない立場です。でも、自分の力がまだまだ足りないことも分かっているし、かといってそれを外に見せるわけにもいかないという葛藤があります。

そんな「苦しくても笑顔でいなきゃいけない状況」であることや、「常に限界を超えていかなければいけないこと」は、僕自身にも通じる部分があると思いました。しかも勝巳たちはそれを命賭けでやっていますからね。僕の比じゃないくらいのプレッシャーに晒されていると思います。

そんな彼らの前に武蔵が現れて、異なる考え方を見せられたことで勝巳も感化されて……とドラマチックな生き方が素直に「素晴らしいな」と思えるところが『オリエント』の魅力だと思います。

(C)大高忍・講談社/「オリエント」製作委員会
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