シリーズ最終章『うたわれるもの 二人の白皇』OPテーマ「人なんだ」Suaraさんインタビュー|下川プロデューサー作曲で前作「不安定な神様」を超える熱さと激しさ。自身作詞の「百日草」には想いを込めて
お気に入りは熱いけどせつなさも感じる大サビ! MVではバンドをバックに歌ったり、ガレキの中をさまようシーンも!?
――ご自身的に気に入っているフレーズは?
Suara:一番気に入っているのは大サビの「見上げた空には 星は見えないけど 君の目に浮かぶ涙は 確かに星をとらえてた」です。冒頭のサビからずっと疾走感とすごい勢いを止めることなくきて、この大サビで更にパワーアップして。すごく熱いけど、少しせつなさもあって、グッとくるフレーズです。アニメのOPでは流れない部分なので、ぜひフルで聴いていただきたいですし、物語が進んでいく中で歌詞の意味や感じ方も変わってくると思うので、アニメを見ながら答え合わせを楽しんでいただきたいです。
――アニメのOP映像も次々とキャラクターが現れ、カットも目まぐるしく変わっていって、楽曲にピッタリでしたね。
Suara:各登場人物が力強く歩んでいく姿が見られて、イメージとピッタリだなと思いました。スタッフさんたちのおかげで、TVサイズでもカッコよく聴いていただけたと思いますが、私としてはぜひともフルで聴いて欲しい!
――ライブで盛り上がりそうですね。
Suara:きっと盛り上がると思いますが、歌っている間は休みがほとんどないので、大変そうです。でも早くライブで歌いたいです。
――そしてアニメの放送内で何度かこのシングルのCM映像を見ましたが、あれはもしかして……。
Suara:MVです! 「人なんだ」はカッコいい曲なので、MVでも表現したくて、今回バンドにも入っていただいて、バックで演奏していただく中で私が歌っているシーンを中心に撮影しました。衣装も完全に和風とまではいかないけど『うたわれるもの』の要素も取り入れてみたり、今までしたことがなかったポニーテールのエクステに挑戦してみたり、メイクも私がリクエストしてキリっとした感じにしてもらったり。今までの私とは違うキャラクターになり切る気持ちで、このカッコいい曲を演じてみようと。あとバンドシーン以外では、廃墟みたいな場所で、ガレキの山で私がさまよっていたり、ハクが孤独と戦っているところも少しイメージしています。
――撮影中の裏話はありますか?
Suara:バンドシーンを撮り終わったところで、バンドメンバーの方々と少しお話しさせていただいたら、『うたわれるもの』を知っている方がいらっしゃって。
撮影時期は3月頃で、まだ私が主題歌を担当することも発表されていなくて。だからバンドの皆さんにも『うたわれるもの』のOP曲になることも伝えていなかったけど、歌詞の最後に「うたわれてく」とあったので、気付かれたメンバーがいらして、「そうじゃないかと思っていました」と(笑)。まさかこんなところにも『うたわれるもの』のファンがいるんだと思ったら嬉しかったです。
そのうち公式YouTubeでMVのフルバージョンが公開されると思いますので、「どんな映像になったのか?」とか、「どんなSuaraが見られるんだろう?」と楽しみに待っていてください。
ED曲「百日草」は残された人たちの想いと、引き継いでいくという誓いを込めて
――ED曲「百人草」はご自身で作詞されていますが、どのようなテーマやイメージで書かれたのでしょうか?
Suara:ハクが亡き友の意志と仮面を継いで歩んでいくということで、先に逝ってしまった友への想いを、残された人たちの目線で描いたストーリーになっています。タイトルの「百日草」は、偶然見つけて花言葉を見たら「不在の友を想う」とか「絆」があって、ピッタリ合うなと。
また「百日草」はいろいろな色がある花で、その中で「白い花びら」と「紅い花びら」を歌詞に使ったのは、「白」はキャンバスに見立てて、大切な人との想い出や面影を刻んでいくというイメージで、「紅」は次に「あなたの鼓動のようで」とあるように、血や生きているイメージで入れてみました。あとゲームの中でハクがオシュトルのお墓にお供えをして、「またいつか旅をしような」というシーンがあって、花を持って大切な人に話しかけるようなイメージを思い浮かべてもらえたら。
――しっとりしたサウンドや歌い方には、はかなさが感じられます。
Suara:はかなさや鎮魂歌のような、心にしんみりくるアレンジになっています。ロックな曲があれば、歌謡曲のような曲があって、それがSuaraの楽曲であり、『うたわれるもの』の楽曲であることがこの2曲が象徴している気がします。
オンエアのEDで初めてこの曲が流れた時、最初のアニメのED曲で、河合英里さんが歌っている「まどろみの輪廻」を思い出すという声をたくさんいただきました。実際、「まどろみの輪廻」をリスペクトして作られましたし、私も意識して歌っています。
――ED映像を見た時、大きな戦いの後や、誰かがいなくなった後を連想させるシーンが続いたのも印象的でした。
Suara:冒頭にある「崩れ落ちる 永久の定め」は、永遠がこの世にはないことがみんなわかっているけど、ずっと一緒にいたいし、いられるはずと信じていたものを失って、そこからくる悲しみから曲の物語が始まっています。
作中ではオシュトルが亡くなった後、想いや願いをハクが引き継いでいますが、現実世界でもハクを演じられた藤原啓治さんが亡くなって、利根さんが引き継がれていることもありますし、これまで『うたわれるもの』シリーズでたくさんの素晴らしい曲を書いてくださったAQUAPLUSの作曲家の衣笠道雄さんも2年前に亡くなられて。お二人への敬意とこれから私たちが引き継いでいきますという想いを込めて作りました。