劇場版『Gのレコンギスタ』第4部&第5部公開記念! ベルリ・ゼナム役の声優・石井マークさんにインタビュー|フォトン・トルピードからマスクとの戦闘までは集中して演じると決めていた
ガンプラから知ったガンダムシリーズの魅力
――当初は富野監督には最初どのようなイメージを持っておられましたか?
石井:怖い人です。この人に対して変な事は言えないと思っていました。実際にお会いしたらとても作品へ込める熱量の高い方で、色々な物事を多角的に見て「こうしなきゃいけない」みたいな考えに囚われることが無い印象がありました。そんな富野監督の作品だからこそ、僕たちキャスト陣は自由にやれていたと思います。
――『G-レコ』に関わる前からガンダムシリーズをはじめ、富野監督の作品はチェックしていたのでしょうか?
石井:初めて見た富野監督の作品は『機動戦士Ζガンダム』の劇場版3部作です。それまではカッコいいモビルスーツだけが好きだったのですが、これがきっかけになって主役機のガンダムだけでなく、ザクやジム系列の機体も好きになりましたね。
物語はキャラクターたちの描き方が主役に寄らないと言いますか、主要なキャラクターたち以外にもスポットが当たる印象もありました。あくまで僕の考えではありますが、アニメは主人公が一番目立つものだという印象が強かったんです。
けれど『G-レコ』をはじめとする富野監督の作品は、主人公の周囲や敵対するキャラクターにも焦点が当たるので、それぞれのキャラクターの思惑や感情が鮮明に見えてくる。だからどのキャラクターにも感情移入できるのかなと思っています。
――『Ζガンダム』を視聴されていたとのことですが、『G-レコ』に出演されるまでガンダムシリーズにはどんな印象を持っていましたか?
石井:ただただカッコいいなと。元々ガンダムに限らずロボット物が好きで、ロボット物の作品はいくつか視聴していました。おもちゃも沢山持っていましたが、ある時車のプラモデル制作が趣味の父の影響で、たまたま一体だけ残っていたザクのガンプラを見た事がシリーズを知ったきっかけです。
小学校5年生から6年生くらいの頃に自分でガンプラを作るようになったので、そこから各シリーズの色々な機体を知りました。後々になってあの時作ったのは『新機動戦記ガンダムW』の機体だったんだ、『機動新世紀ガンダムX』の機体だったんだと知る事が多かったです。
だから、僕にとっての『ガンダム』はただただカッコいいものという印象です。
――やっぱりガンプラやゲームから『ガンダム』を知ることは多いですよね。
石井:僕も多いと思います。初めてリアルタイムで見られたのは『機動戦士ガンダムSEED』でしたし、そこから見始めて『ガンダム』がどういう作品か知ったと思います。そこから『機動戦士ガンダム00』など新しい作品も次々制作されましたし、それがきっかけになって『ガンダム』のゲームもいくつか遊びました。おかげで色々な作品の知識が増えていきましたね。
――過去に制作したガンプラで気に入っている物や印象に残っているものはありますか? また、制作する時のこだわりは?
石井:当時のこだわりとしては、ビームサーベルの形状で制作するガンプラを選んでいました。確か初めて作ったのは1/100スケールのゴッドガンダムだったのですが、ゴッドのサーベル(ゴッドスラッシュ)は日本刀みたいに少し反っていて気に入りました。
その後は、鍔の部分が少し膨らんでいるように思えたことと、金ピカでカッコよかった百式。柄の部分の形状が少し特殊でエフェクトパーツも派手だったガンダムDXを作りました。
――G-セルフも制作されたのでしょうか?
石井:もちろんです。積みプラになってますが、パーフェクトパックやアサルトパックも持ってます!
――そんなG-セルフの活躍で印象に残っているシーンはありますでしょうか?
石井:これは多くのファンのみなさんと共通じゃないかなと思うのですが、劇場版で言うなら第2部、TVシリーズなら第10話「テリトリィ脱出」の高トルクパックを活用したベッカー大尉のウーシァとの格闘シーンです。
――恋を知ったんだのところですね。
石井:あそこは本当にカッコよかった。ベルリがアイーダを守ると決意して戦うようになるところだと思いますし、その目標をここからやり遂げていく。しかも戦闘シーンやキャラクターの絵も素敵に描いてくださっていて、なおさら印象が強いです。
――あそこの発進シーンもそうですが、G-セルフが絡むとベルリとハッパの掛け合いがいい味を出している部分もあるように思えました。
石井:ベルリも間違いなくハッパの事を信頼しています。ハッパはハッパで自分で前線に出られない分、ベルリたちを全力でサポートする覚悟や信念が感じられます。大人としてベルリに厳しいことをいうこともありますし。
ちょくちょくしか出てこないのに、ハッパは凄く印象に残るんですよね。忘れられない大事な存在ですし、ハッパみたいなキャラクターも印象に残る描かれ方をするのは、やっぱり富野監督作品の魅力だと思います。